旅先で立ち寄るローカルスーパーの魅力

2017年11月12日日曜日

#雑記 #旅

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 旅に出たら何をするのが普通なのでしょうか。
 地方独特の風景を見たり、その土地のものを食べたり、どこかでアトラクションやスポーツを楽しんだり、買い物をしたり・・・
 
 想像するにそういう感じだと思うのですが、私の場合は地方のスーパーマーケットに行くことがそれに当たります。

旅先で出会うその土地のスーパー

「旅してる感」が薄くなっている説


 この話は他の旅関連のエントリーでも書いたことがありますが、地方のスーパーの魅力は「旅してる感」を味わうことにあります。
 ですが現状は「旅してる感」 ―つまりいつもとは違う土地に来ている、という感覚が薄くなってきている気がしています。
 
 流通網が整備され、インターネット等により情報の伝播が高速化した現在、どこに行っても同じ物を見たり聞いたり食べたりする事ができます。
 そうすると、日本全国で平準化が進んでいくわけで、旅に出ても「いつもとは異なる地域に来た」という感覚がちょっと薄くなるんじゃないでしょうか。
 特に都市部はチェーン店の看板が目立って、車で通り過ぎるだけだと、どこも似た街並みに見える時があります。
 
 例えば言葉にしても、旅先で方言をあまり聞かないなと、ふと思うことがあります。そもそも知らない人に対しては方言を使わない人が、私も含めて多くなっているようにも感じるんですよね。

 標準語が丁寧語として扱われている部分もありますが、日頃耳にしているのが方言よりもテレビやネットで聞く標準語、あるいはそれに近い言葉とすれば、見知らぬ人との会話が標準語風な言葉遣いになるのもうなずけます。
 
 また、物という面から見れば、流通が発達して通販も浸透している現在、やはり地域差が少なくなってきていますしね。
 
 そんな感じで、特に市街地にいると地方というものを感じにくいんじゃないかなと思うのです。
 


スーパーマーケットで味わう「旅してる感」


 そういった環境の中で、地方に行っても感じにくくなりつつある「地方感=旅してる感」をどこで一番感じやすいかというと、それはスーパーマーケットだと思うのです。
 
 流通は確かに変化し、売っているものはどこに行っても似通ってきました。
 反面、地産地消や地域ブランドのように、その地域の特産物に対してコントラストが効いているのも流通の現場だと思います。
 
 「その土地で採れたものを食べたい」というのは、地域の住民も他所者の旅人も、意味合いは異なれど同じなんですよね。
 
 
 スーパーマーケットのもうひとつの良さは、買い物客の素の姿がでちゃってることです。
 スーパーって、その土地に住んでいる人が毎日通うところじゃないですか。
 どこの町のスーパーに行っても、買い物かごをぶら下げて奥様同士が立ち話していますし、走り回る子供に親がキレているんです。
 お店側にしても、購買層は近所の住民ですし、想定している商圏もそうでしょう。

 ともすれば悪趣味かもしれませんが、旅人というのは意識するしないはあっても、本質的に観察者ですから。 
 
 ひとり、ピークタイムを過ぎた夜8時くらいに、初めて入った見知らぬスーパーで買い物かごをプラプラさせているとね。
 ふと我に返るんです。
 
 周りはみんなこの近隣に住んでいる人ばかり。
 カート押してる爺さんも、スーツ姿で夕ご飯に悩むお姉さんも、品出しバイトの彼もみんなそうです。
 
 そこに、異物的に紛れ込んでいる感じ。
 何でここに居るんだろう。
 ここに居ていいんだろうか。

 イントネーションの違いや方言の混ざる「素の言葉」が飛び交っている空間に、ポツンと立っている自分を見つける時。
 
 私にとってこれが、鳥肌が立つほど強烈に旅を感じる瞬間なんです。


やっぱりお惣菜でしょ




 惣菜やお弁当も楽しみですよね。
小規模なスーパーだと、自前でスタッフや設備を準備できないところもありますから、そういう場合は近くの惣菜店なんかで作ってもらって販売しているようなパターンもあります。
 
 これが大手になると、どこかの工場で一括で作って各地に配送してるんですから、ある程度大規模になると行き着く先は一緒っていうのも面白いですよね。
 
 中堅どころのスーパーは、店内に魚を捌いたり惣菜を作っているような場所があって、買った魚を捌いてくれるようなサービスがあったり、時間帯によっては出来立てのお惣菜が並んでて、まだ温かいうちに買って帰ったりできますよね。

 流通のしっかりした大手のスーパーは、店舗内の調理場とは別に食品工場を持っていたり委託している場合があります。
 そういった工場から運ばれてくるお弁当お惣菜は、店内製造のものとラベルが異なるパターンが多いのではないかと思っています。

 ですから店内製造の、できれば出来たてのお惣菜などを買いたいと思ったら、ラベルに注目してみると発見があるかもしれません。
 工場生産のものが悪いとかではないので、念のため。
 
 唐揚げとかハンバーグみたいなよくあるものじゃなく、ちょっと変わった感じの惣菜を見つけたりすると、やっぱり楽しいもんですよね。
 
こういうヤケっぱちな値段の付け方が素敵

 外食も捨てがたいんですけど、ホテルでゆっくりしたいって日なんかは、お総裁を買って宿で食べるのもいいもんでね。
 見た目で選べたり、量をある程度調節できたりしますし、時間帯によっては値引きのお得感もありますから、やっぱり外食じゃなくてスーパー行くか、ってな事になるのです。
 
 ですから私の場合、ホテル泊の旅で朝食は付けても夕食を付ける事はほとんどありません。誰かと旅したり、山奥の温泉旅館みたいな宿泊先なら別かもしれませんが。 
 
 そして美味い惣菜にあたった時の、また明日買いに行かなきゃ、でも明日はここにはいないんだみたいな感じ。
 
 揚げたてのコロッケを買って、店の外でほおばってる時の、アウェイ感と旅ならでは感の合わさった楽しさ。
 
 お土産に買って帰りたいけど、そんなに日持ちしないしみたいなジレンマ。
 
 旅って、こういう事だと思うんですね。
 
サメは初めて食べたかも

旅の魅力は自分で見つけてこそ


 旅先で立ち寄る地方のスーパーマーケットについて、その魅力をお話しました。
 面白さって自分で気がつくものですから、知らない土地のスーパーマーケットに行って実際に体験するまでは、一般的な旅の醍醐味に比べたらわかりにくいかもしれません。
 期待感のハードルを上げて行くような場所でもありませんしね。
 
 ですが、いつもと違う土地に行って機会があったら立ち寄ってみると、ハマる何かに気がつくかもしれませんよ。

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