THE YELLOW MONKEYのファンクラブ限定ツアーに参戦してきました。
ライブのために休みを取った金曜日は終わり、残りの土曜日はフリー、日曜日は朝から移動して午後から仕事という、ちょっと残念なスケジュールとなっている後半のお話です。
戦いの朝
戦いは終わってないんです。
むしろこれからが戦いなんです。
前回のお話を読んでくださったかたは覚えているかもしれませんが、あたしが泊まったホテルには高校生の部活動での遠征と思しき団体も泊まっておりまして。
そしてこのホテルには、朝食バイキングがあるのです。しかも無料。神ですか。貴方が神ですか。
おわかりですね。おわかりですよね。
つまり、団体御一行がいつどのタイミングで朝食バイキング会場に現れるかによって、あたしの朝食バイキングライフが左右されるわけです。
相手は高校生ですから。しかもあたしが見た限り男子多め。
食うだろ?
食うだろうよ。朝ごはんにカツカレーでもビーフステーキでも超大盛りブラックドラゴンラーメン全乗せスペシャルリミテッドエディションみてぇなのでも食うよ。
それが団体だぜ? もうそれは朝食会場じゃないよね。
戦場ですよ。
食後のヨーグルトにのっけるレーズンすら壊滅するのは想像に難くないわけ。
夜も明けぬうちから、厨房のおばちゃんたちが腕によりをかけて準備してる姿が目に浮かぶよね。高校生の団体さん!? おうともよ! ってなもんだよ。
両手にしゃもじを持った秋田の気のいいおばちゃんたちがズラッと並んで待ち構えてる朝食会場に、果たしてあたしはいつ何時に行くべきかという、かなりの難問があるんです。
まず、朝イチはどうか。6時半のハイキング会場のオープンと同時に行くのはどうか。
いやそれはどう考えても混雑してるに決まってる。敵は高校生だけじゃないから。昨日、ライブから凍えて帰って来しなに見たホテルの駐車場は満車状態だったんです。
いるよ。朝食バイキングという名の戦場には、いるに違いないんだよ。秋田の美味い米を朝っぱらから堪能したいという、欲望の塊みてぇな連中がいるんだよ。
ならば、ならばいっそ、終了間際かと。
いやそれもさ、もう草木一本も残ってないような荒野で一輪の花を探すようなものでさ。残ってないって。
あったとして、寸胴を傾けてすくってやっとの味噌汁と、たくあんのひと欠片くらいだって。
いっそ食わないという手もありますよ。無料朝食バイキングっていったって、要は宿泊費に含まれてるわけ。あたしだって知ってんだから。
でもね、冒頭にも書きましたけれども、連泊の最終日たる日曜日は訳あって早めにチェックアウトして、仕事に行かなきゃいけないの。車で7時間かけて真っ直ぐ帰るだけじゃ飽き足らず、その後すくに労働しなきゃいけないの。
つまり今日だけなの。朝食バイキングに、宿泊費に含まれちゃってる朝食バイキングにありつけるのは、今日だけなの。
じゃあ、ちょっと賭けに出ようと。
あの、青春真っ只中な高校生たちは、間違いなく学校の部活かなんかの大会とかに参加するんだと思うのね。それがバスケなのか、サッカーなのか、しりとりラップバトルなのかは知らんけど。
つまり集団行動だろうと。
自由時間はあるだろうけど、少なくともこのホテルを出発する時間は決まってるはずだと。集合時間は決まってるに違いないと。
もっと言うと、デカい旅館で大広間で朝食パターンならいざ知らず、ここはビジネスホテルなんです。
さすがに団体で予約してるってことは、個別に思い思いの時間に朝食会場に現れるよりは、このくらいの時間に来ますんでということでホテル側と話がついてる可能性もあるんじゃないか。
そうでなくても、出発時間が決まってるってことは、逆算して朝メシの時間だってそんなに幅があるわけじゃないでしょう。
ならば。
出発時間は何時なんだい?
ズバリっ! 8時!
9時出発は、おそらくなんらかの大会に参加する上で遅すぎやしませんか。読んでくださってるみなさんもそう思うでしょう。
かといって7時は早い。さすがに早い。
8時出発。よって朝食会場に集合する時間は7時ジャスト。これだよ。これしかないって。
寝ぼけ眼でここまで推理を終えて時計を見ると6時35分。朝食会場のオープンからすでに5分経過しております。今から身支度していけばちょうどいいんじゃね?
連泊の過ごし方
ホテルの部屋から出まして。
静か。人の気配なし。
エレベータの前まで来まして。1階で止まってるエレベータを三角ボタンを押して。呼びまして。
静か。人の気配なし。
乗ります。1階に着きます。降ります。
…高校生おらず! 普通のおっちゃんおばちゃんしかおらず! ズラッと並んでるしゃもじを構えた秋田のおばちゃん軍団もおらず!
勝った勝った勝ちました。朝食バイキングという名の戦いに勝ちました。
優雅に朝食をいただいて自室に戻ろうとしたあたりで、高校生たちがワイワイとやってきましてね。時刻は7時ちょうど。読みもズバビタじゃないの。あたしすごくない?
唯一、読みを外したのが、しゃもじを両手に構えてなまはげプリントのエプロンに身を包んだ、秋田のおばちゃんたちがいなかったことくらいですよ。読みっていうか妄想っていうか、いるわけねぇからさ。
| いぶりがっこを探せ! |
んで、部屋に帰って、缶コーヒーの1本も飲みながら。
連泊ですから。連泊にしましたから。
ゆっくりしてりゃあいいんです。コーヒーものんびり飲めばいいよ。セブンスターに火をつけて。ガウンで。紫のガウンで。レコードもかけりゃあいいよ。Hotel Californiaでもかけりゃあいいじゃないか。
でも、実質今日しか自由時間はないの。秋田で自由な時間は今日しかないの。
まずは、土産を買ってきたい。職場には休みを貰ってきたからさ。いない間の段取りはしてきたとはいえ、多方面の皆々様に色々お願いしたりしたからさ。
一応、どうもどうもこれつまらないもんですけど、ってなのは、あれだろ。やった方がいいんだろ?
土産ってやっかいなもんで、一部だけに配るとあたしにはないんかいという空気を出してくるやからもいるわけ。
そりゃあさ、土産を買ってこいと言われりゃあ買ってきてやりますよ。売られたケンカはなるべく買うでおなじみですから、こっちは。いぶりがっこTシャツとかあんだろ。
駅ナカのしゃらくせぇアンテナショップとかにいきゃあ、いぶりがっこTシャツのXXXLとかあんだろうよ。同じ色のやつをひとり20枚とか買ってやるよ。
そんなのひと言も言ってこないのに、土産ないのかオーラ出されてもさ、あんたの分なんかないっての。
だからもう、今回は手広く渡そうと。土産バラマキマンとして。バラマキ土産マンとして。ステージの上から餅をまくみたいに、会う人会う人に投げつけてやろうと思って。
土産さえ買っちゃえば、あとは自由タイムにしよう。どこに行くにも自由にしよう。あたし本来の、旅ってこうだよなっていうのにしようと思ったんです。
名物
じゃあとりあえず、土産を買いに行きたい。
そういえば、昨日の夜にライブ会場のある秋田駅に行った時に、それこそ駅ナカのお店をチラ見したらそれっぽいのがあったよなと思って。
ホントにサッとしか駅の中は見てないんですけど、お土産物を売ってる感じのお店もチラホラあって。
いかにも出張ですって感じのスーツ着たおじさんたちが、うーんなんて悩んでるところに、秋田美人って感じの店員さんがこれなんかおすすめですよーなんつってやってるのを見かけたりしたんです。
やっぱり米どころじゃないですか。当然、水もいいわけじゃない。海も近いしさ、食いもんが当たり前のように美味いってのはわかるんです。
そしたら、お土産用のお菓子だって、だいたい美味そうじゃん。お土産用のやつなんて、そんな野心的な味のやつなんかそうそうないじゃないですか。
親しまれやすい味になってるし、そういうのってベーシックな分だけ素材の良さが出ると思うし、表面的な味付けとか見栄えとかじゃないっていうか。
駅ナカのお土産品っていうと、偏見ですけどきらひやかな感じのが並んでるイメージがありますけど、そうじゃなくてベーシックだけど昔から親しまれてそうなやつを探したほうがいいかなと思って。
そういう方向性のお菓子みたいなのを探せば、おのずと当たりを引けそうだなっていうのはあったんです。
ただ、秋田駅前に車で行っちゃうと車を停めるのがめんどくさそうだなと。コインパーキングしかないだろうし、土曜日だからちょうどよく空いてるかどうかもわからないよねと。
だったらまた電車で行けばいいかと思ったんですけど、今日の秋田は雨予報で。
確かに朝食バイキング会場から外を見たら、小雨がずっと降ってんだ。昨夜はかなりの風だったし、天気が荒れたら電車と徒歩でウロウロするのは向いてないよねぇ…
そもそも。
そもそも秋田土産ってなにがあるんだろう?
秋田といえば有名なのは、なまはげでしょ。いぶりがっこでしょ。きりたんぽでしょ。
どれも土産には向いてなくね? しかも大勢に配るつもりなんだぜ?
これつまらないものですけど、って、なまはげ50人をさ。
あれ、人でいいの? 匹? 体? いねが?
50いねがのなまはげを引き連れて、寝ないごいねがぁぁ! って鳴くなまはげを引き連れて、ひとり1いねがずつ渡して行くのも大変じゃね? 交通費とか大変だよね。なまはげ割とかないでしょ。子どもは半額とかあるけど、なまはげ割はきいたことないよね。
あとさ。やっぱ、お世話になってる上司には、2いねがだろ。さすがに。1ってわけにはいかないでしょうよ。そういうとこがさ、やっぱりほら。2だろ。
噛みついたり。オプションで噛みついてもらったりしたほうがさ。あと無言でずっと押してもらったり。前後から。
え、なまはげの単位は「いねが」でいいの? その様子だといねがで決まったみたいだけど、それでいいの?
雨の秋田を漂いて
それでその、例えば北海道でいうところの白い恋人的な。そういうベタなやつじゃなくてちょっと外したやつで、なおかつ大量に売ってて、できれば駅ナカまで行かなくても置いてある店があるっていうので色々調べて買ったのが、なんとかっていうお煎餅となんとかパイ。
…いや、調べたんだよ。ちゃんと調べたの。
記憶に残ってないんだけど、ちゃんと調べたんだって。ブログ用の写真とか、そんなんで旅とかしてねぇから。あるわけ…
あ、パイはあった。パンプキンパイだったよ。
これはね、美味しかった。
あとバナナボート食べたよ。読んでるかたにわかりやすく言うとまるごとバナナなんだけど、それよりはちょっとだけサッパリしてる感じ。
それで、買い物をしつつ、秋田の街を車でふらふらして。
ただ、ずっと雨だったせいかいつもの片頭痛もかなりキツくなってきてて、結局ホテルに午後の早い時間に戻ってきちゃって、そのまま部屋でゴロゴロして過ごしまして。
消化不良感はあるものの、明日は朝早くから長距離移動だし、無理しても楽しくないからね。
それにその、なぜかわかんないけど、旅先でホテルの部屋に引きこもるのって嫌いじゃないんです。家じゃない部屋で、ぼーっと考え事をしたりしてるのって、悪くないっていうか。
特に連泊の場合、普段はチェックアウトしちゃって居ない時間帯にも滞在できたりするじゃないですか。ベッドメイクとかなしプランを選んだりすると、お部屋にいていいみたいな。
別段、ホテル内を動き回るわけじゃないけど、清掃のかたが作業してる気配がしたりすると、なんかちょっと舞台裏をのぞいてる気がするというか。そういうのが嫌いじゃないっていうね。
形あるもの、形なきもの
んで、結局のところ2日目はこれといって動き回れず、でもそんなに後悔とかそっち系の気持ちにもならずで、比較的まったりすごせまして。夕ご飯も地場のスーパーで仕入れてきたしね。
最終日の朝は6時だったかに起きて、身支度してチェックアウトのためにフロントのあるフロアに降りたんですけど、朝食バイキングの列がすごくて。ズラーっと並んじゃって。
あたしゃそういうのは、いいんですいいんです、どうもはいどーもお世話になりましたはいどーも、ええええあたしの分も朝食をご堪能くださいねはいええええどーも、どーも。
無料の、宿泊料金に込みの朝食バイキングとかね、そんなのほら、いーのいーの。また来ればいいんだから。それにこんなに列ができちゃって。ならんでまではほら。
ほら。
な?
…自己洗脳完了シマシタ。朝食バイキング ニツイテ スベテノ未練ヲサクジョ。オールクリア。ツギノシレイヲドーゾ…
さぁさぁ仕事仕事。7時間かけて仕事に行きますよ。
行きますよ?
それがさ、行きたくねぇから。行きたくねぇもんだからまー進まないよね。途中のコンビニに寄っちゃあドリンク買って。
まだ営業前だってのに道の駅を見つけちゃあ、ドリンク買って。
| ※営業前でした |
| ラーメンショップも営業前でした |
| 営業中の写真がないのです |
あとは、山形の土産物屋で小一時間ウロウロしてたな。
いやね、最近はどこかに出かけたら、あげるアテのないお土産を買うってのをやってまして。
ほんとにちょっとした物でいいから、数百円とかのやつでいいからなにか買っておいて。別に自分が使う予定がないやつだから、そういう視点で選ばなくていいっていうお土産を買うんです。
なにかのタイミングで誰かと旅の話になって、そういう流れになったらじゃああげるよっていう。謎の。
そうならなくても、家にずっとあってもどこかに行った記念にはなるだろうっていう。
例えば写真とか動画とか、こんなブログみたいにデジタルで残せる旅の思い出みたいなものはいくらでもできるんだけど、やっぱり物って大きいなと思ってて。
だからって自分用のそれなりの物って、旅先で偶然見つかるとは限らないじゃないですか。それも毎回なにかしらってなると、なかなかないと思うんです。
普段から、そんなに物に執着がないんですね。どっちかっていうと形に残らないなにかの方が好きかもしんない。
でも、実際に目の前に物があるっていうパワーみたいなものって、やっぱりすごいんだなって思ってて。
変な話ですけどね、あまり物を持たないあたしが、誰かに発見された時に遺留品として出てきたものの中に混ざっててほしいっていうか。あたしの成分として。
そういう物を秋田で買ってないなって気がついて。
結果、秋田で買った土産より、山形で買った謎土産の方が多いってどういうことだよ。いいけど。いいけれどもさ。
そんな旅の終わりですよ。
なんかあれだね、前半と後半でテンションが違いすぎっていうか。アップダウンしまくった初日と2日目以降の凪の感じの落差なぁ。同一人物とは思えないよね。
帰り道のBGMはもちろん、THE YELLOW MONKEYオンリーとなりまして。そりゃそうなるよね。
目に焼き付いた、耳にまだ残ってるライブのあのシーンを反芻しながら延々と走る日本海沿岸の、高揚だけじゃない寂しさだけでもない、なんとも言えない空気感はこれを書いてる今もまだ思い出せる場所にあります。
旅して、よかったなっていうね。
そんなだよ。そんな。