行ってみたら確かにあったのですが、ちょっと変わった雰囲気だったよというお話。
地元の人から情報が
これが何かはのちほど |
休日に遠出するのは難しいんだけど、近場でなにかないかということになり、普段はネットや雑誌などを参考にするのですが、マイナーな情報は地元の人に訊くのがいいかもと思ったのです。
どこの職場にもいるんじゃないかと思いますが、休憩時間になると与太話しかしないけどキャラクターだけはいい感じのオッサン。いませんかねそういう人。
そんな人に水を向けてみたんです。地元の人しか知らないような、ちょっとした名所というかなんというかそういう場所ないの? みたいなね。
私はどちらかというと今いる新潟県については新参者ということもあったのか、結構色々と教えてくれましてね。いくつか聞いた中で興味があった場所のひとつが、この足湯なのです。
件のオッサン、いや貴重な情報提供者ですからオッサンさまが、「行っても誰もいないと思うよ」 と苦笑いというか半笑いというかそんなところ行きたいの? みたいな空気感を出してたのが気になりますが、気になるんだから行きますよ。
米どころのいかにもな地名
場所は新潟県魚沼市。コシヒカリで有名な米どころです。
そこに湯之谷という場所があり、昔は湯之谷村だったそうなんですけど、市町村合併で魚沼市になったんでしょうね。
その近辺までは何度か通ったこともありますし、ドライブにもちょうどいい距離感ですから眠さとだるさが抜けた午後から、車を走らせてみました。
魚沼市から向かって東側、国道352号線を走ると奥只見という場所があります。
新潟県と福島県と栃木県の県境が重なるような、おそらく登山とかそういった方面が好きなかたはご存知なのかもしれません。
その入口に湯之谷というところがありまして、その名の通り温泉や旅館があちこちにあるようですね。
今回目指す足湯はそうした温泉宿が見えてくるよりも手前にある、芋川というところにあります。
まだ平野部に近く、車を走らせていると遠くに見えていた山に少しずつ入ってきたなと感じるあたり。秋に染まった深い赤と黄色をアクセントにした景色が、すぐ目の前にある地域です。
立派な建物のそばの小さな足湯
適当に行っても辿り着けそうにないので、グーグルマップでナビをさせながら道を進んでいくと、国道から外れていって少し山側に入ったあたりのようです。
目的地のそばまで来ると、ホテルのような立派な建物が見えてきます。湯之谷けんぽセンターという建物で、特定の団体の保養施設のようです。
この敷地内に足湯があるのかなと駐車場まで車を入れてみましたが、それらしいところはなく、けんぽセンターも人の気配がない様子。
一旦駐車場を出て、建物を迂回するように回っている道を進んでいくと、件のけんぽセンターから道をはさんだ目の前に小さな小屋がありました。
どうもここっぽい、ここだろうと思うのですが、車を止める場所もありませんし、道は細くなっていてこの先まで行くと切り返すのもあやうい気がします。
そこでまた先ほどのけんぽセンターの駐車場へ戻り、誰かいないかなと正面玄関へ行ってみることにしました。
ちょうど中にけんぽセンターの方と思しき人がいるのが見えましてね。足湯につかっている間だけ車を停めさせてもらえないかとお願いしたところ、快く了承いただきました。
誰もいない足湯にかわいいレリーフ
けんぽセンターの駐車場から徒歩で足湯らしき小屋へと向かいます。もうホントに小屋ですよ。言われたように確かにだーれもいやしません。車どころか人も通りませんからね。
外観。写りがアレなのしかなかった・・・ |
ネットで調べた限りでは、特定の管理者がいるような感じではなく、お湯が湧いているので有志の方々が足湯を作ったといった雰囲気のようです。目の前のけんぽセンターとも関係がない感じ。利用する者としてはなんとも不思議な感じがします。
ドアもない小屋の入り口はわずかに階段状になっていて、その奥にニ、三畳ほどのスペースがあります。真ん中の浴槽にはお湯が張られていて、おそらく源泉のまま利用しているのだと思います。
浴槽の両サイドには、足だけをつけるようにベンチがあり、靴を脱いでおくような場所もないシンプルな造りです。
だーれもいませんから入口で靴と靴下を脱ぎ、お湯に足を入れてみます。結構ぬるめで、10月の終わりごろで吹きさらしですから、あまり長湯は難しそうです。
お湯は充分量が掛け流されていて、オーバーフローは外へ排水されていました。
入口の小さな段差にある、冒頭の写真のような感じのかわいいレリーフというんでしょうか、これが結構気に入りました。
冒頭のは足湯につかった状態でアップで撮影したものです。この下の写真のちょうど石段付近ですね。
足湯にこういうのがあるとは思ってませんから、なんだか和みます。
入口のアップ。ベンチと石段の間にカラフルな飾りがある |
なんとも不思議な空間
足湯の中からはあまりいい景色は見えませんが、秋も深まった山々に囲まれた場所での足湯はなかなか味わえない雰囲気でした。
さすがに10分もいれば、ひとりぼっちですし充分堪能したということであがることにします。車も停めさせてもらってますしね。
周辺は自然のまっただ中。そこにポツンと誰もいない足湯があるという、ちょっと不思議な場所でした。もちろん季節や時間帯によっては地元のかたが利用されるのでしょうが、ちょうど紅葉の時期だったことも手伝って独特のシチュエーションで利用できたのかもしれません。
雪深い土地柄ですから冬の間はなかなか難しいけれど、春が来て思い出した頃にまた来てみようかなと思いつつ、現地を後にしたのを覚えています。