2025年末の浜松市に滞在中です。
旅が楽しいのは当たり前といえばそうなんですけど、なぜかキツい時もあるという、なにをどうしたいのか自分でもよくわかっちゃおりません。
マリトッツォ
これを書いてるのは2026年の1月下旬なんですけど、大寒波が来ていまして。
止むことなく降り続く雪がほんの2、3日でメートルを越えて積もっていましてね。
今いるマンションの、もちろん超高級ですよ、セレブ御用達の超ハイテクデザイナーズタワマンですけど、玄関を出ると階段があってそれで下に降りるわけですよ。
エレベーターなんて、そんな軟弱な物はね、ついてないんだよ。引っ越しした時に洗濯機を運び込むの大変だったんだから。
で、その階段の上に窓があるんだけど、そこに貼り付いてる雪の隙間からのぞく景色を見た瞬間、部屋に戻りたくなる感じなの。
外に出ると一応、融雪装置が付いてて雪を消してくれるんだけど、消しきれないくらい。ずーっと降ってるんだもん。ずーっと。
で、駐車場に行くと、もう一切外に出てないのか普段から使わないのか、雪が降ってから一切動いてないであろう車の上に雪が積もり続けててさ。
あの、自転車っていうか一輪車の上にゾウが乗ってる感じ。あきらかに子供用の自転車の上に真っ白いゾウが無理矢理乗ってる、あの感じになってるんだよ。
もしくはマリトッツォのヤバいやつ。マリトッツォの全盛期の時にバカが作ったマリトッツォのお化けみてぇな感じになってんの。車の上にマリトッツォ。街中あちこちマリトッツォ。
あの、2026年にこんなにマリトッツォ連呼するブログ、大丈夫? いいの?
で。
そんな調子だから、除雪だって間に合ってないわけ。
そりゃそうだよっていう勢いで降ってきてるから。だから、家からでなくてもいいように食料品とかを買いだめしたものの、普段からあっちへふらふらこっちへふらふらしてるやつが家にいてやることがないんだ。ないっていうか、思いつかない。
数年前の流行病で自宅にいてくださいっていう時期があったじゃん。あんな感じだよね。もう、やれることを思いつかないの。
だから、昼間だったらワンチャン、買い物くらい行けないかなと思ってライブカメラの映像をチラチラ見てさ。あとグーグルマップで道が混んでると色が変わったりする表示があるじゃないですか。ああいうのを見たりしてたんですけど。
もうね、グーグルマップとか道の色が変なんだもん。見たことないような黄色になってるし、赤を越えて黒に近い色の渋滞表示がそこかしこに出ててさ。
ライブカメラの映像も、アスファルトの色とか信号の色とかじゃないの。ほぼ白。くすんだ白に車が通った跡かなくらいの線が書いてある感じ。
朝からそんな感じだったんだけど、予報ではその夜にもっと降ると。なんなら今夜も主要な道路を通行止めにして除雪するという予告があって、だったら昼間の内にとりあえず買い物に行こうと思って。
自炊弱者だからさ。
料理ができる人なら巨大な寸胴に常夜鍋でも作って、あれこれアレンジしながら一週間とか暮らしていけるんだろうけど、あたしは無理なんです。色々チャレンジしてみた時期もあったよ。あったけど、向いてないんだって。
だから買いだめっていっても限界があるのね。こんな時にそんなにいいメシを食おうとは思わないけど、行けるんなら買い物に行こうってなって。
で、外に出て、前日は仕事だったから帰宅時には車の雪は落としてあったんだけど、その時点から昼間までの16時間とかそのくらいまでに50センチ、いやもっとあったな。70センチは雪が積もってるんだ。
それをどうにか落としてさ。
で、出発したんだけど、まず道路の両脇に約1メートルの雪の壁があるわけ。
普通はさ、左側は歩道、右側に反対車線があってその向こうに歩道って感じじゃん。その歩道が普段なら見えるんだけど、雪の壁があって見えないの。
なおかつ、雪が道路脇に溜まり続けてて、道路幅が極端に狭くなってるのね。車同士がすれ違えないくらいの場所もけっこうあって。
もうね、立体迷路。信号のない交差点とかマジで怖いんだって。
ちょっと遠くのスーパーなら、あたしが食えるような食料品も置いてるしバリエーションも豊富だしと思って、そこまで行けたらっていう目論見だったんだけど、さすがに無理だと。リスク高いと。
だから近所のしょぼくれたスーパーに目的地を変えて、略奪でもありましたかっていうくらい空きの目立つ陳列棚を横目に、とりあえず買い物してっていう。
あの、なんで年末の浜松に行った話を数回に分けてやってる途中でこんな話をしたかっていうと、まったく関係ないわけじゃないからなんです。
年末の終わり
じゃあ、浜松に行った旅の途中から。話を再開いたしましょうね。
いよいよ、2025年も残りわずかとなりまして。
そんな年の瀬だってのに、旅先でなんにもしないことにかけては日本一じゃないかと思うんですけど。
連泊ですから、途中の清掃はいらないよプランで泊まってるもんで、無理矢理起こされたりもしない上にホテルの出入り自由という。もうほとんど家みたいな感じだったりすると、マジでなんにもしやしないんだ。
少しはさ、ブログのネタになりそうなことをやればいいようなもんだけど、別にこっちはネタを探してるわけでもないし、ましてやトラブルに逢いたくてどっかに行ってるわけでもないしさ。
なんもなくたっていいわけですよ。むしろなにもない方がいいに決まってるの。
あと、この数日は色んな意味で上がったり下がったりしたもんだから、さすがに疲れちゃってて。昼寝したり年越し用に買ったどん兵衛食べちゃったり。ぐーたらしまくって。
そうそう、年越しの瞬間は浜松のホテルでってことになりそうです。別に決まった行事があるわけでなし、どこでなにしててもいいわけで。大晦日はこんなふうに旅先でってのも悪かないよね。
実際、31日のホテルの駐車場はみんな連泊するのか出入りも鈍かったし、大晦日も泊まってるお客さんはまあまあいたようでした。
時系列が行ったり来たりするけど、30日はさわやかでハンバーグと思ってたものの気が向かず、スーパーとかで買ったなにかでささやかにご飯にしたり、土産になりそうな物を見繕ったりして一日が終わった気がします。
てゆーか、あんまり覚えてないよね。前の日、つまり前回記事にしたあの一日があまりに印象的すぎてさ。そりゃ疲れるでしょうって感じで。
31日とか明けて1月1日は店なんかやってないだろうから、今日の内にあちこち見て回ろうと思ってたものの、駅前あたりはもういいやってほど歩いたし、大型のショッピングモール系は昼間は駐車場がいっぱいで、警備員さんがあちこちで誘導してるくらい人でごった返してるし。
行きたいところに行けない、みたいな感じになってきてて。
思えば年末年始ってだいたいこうなるよね。外へ出てもあんまりいいことない感じイメージだよね。
なぜここに
1月1日は寒波が来るという予報だったんです。
朝の5時とか6時とか、あまりに早く出発すると道路が凍結してる可能性があるなと。
逆に遅くなると積雪が増えて、ともすれば高速が除雪のためにひと晩止まりかねないから、それに巻き込まれるのはまずいだろう。
じゃあ間をとって、9時くらいに浜松を出れば夕方くらいには着くだろうし、それが一番無難な線じゃないかという気がするものの、確信はありません。
ホントにちゃんとしてる人なら1日予定を前倒して、ホテルを1泊キャンセルして31日に出発するんでしょうが、ホントにちゃんとしてる人ならそもそもこんな日程で浜松まで来ないから。どうかしてるから、こんなことになってるわけで。
それで年越しは浜松で迎えると決めて、30日はウダウダダラダラと過ごしてました。
明くる日。2025年もラスト一日となりまして。
営業してる店もだいぶ減っちゃって。近場のスーパーも早仕舞いらしいし、土産もある程度買ったし、そんなにやることもないなって。
じゃあ帰ってもいいようなもんだけど、このポカポカ陽気の街は嫌いじゃないわけ。日がな一日、ぼんやり太平洋を見てたって全然いいんだよ。
ああそうだ、元旦に営業してないと困るから、ガソリンだけは入れておこう。高速にもガソリンスタンドはあるけれど高いじゃん。なるべく下にいるうちに給油しといた方がいいなと思い立ちまして。
結局10時前にホテルを出て、ガソリンを入れに行ったんです。
2025年も残り十数時間ですよ。街には車も人もそこそこ出ていて、陽射しがそれを優しく照らしている。そんな12月31日の朝です。
ふと思うんです。
あたしはなんで、ここにいるんだろう?
確かにちょっと前にホテルを押さえた時点で、年末は静岡にいるんだ、年越しは浜松にいるんだっていうのは理解しちゃいたんですよ。
でもね、実際に知らねぇ街に着いて、ほんの数日とはいえ同じホテルに滞在してりゃ多少なりとも住んでる感というか、住んでるは言いすぎだとしても風景に馴染みつつある自分ってのが見つかるわけ。
でもでも、よく考えてみなよって話ですよ。
行ったことのない街なんて、空想上の街とほぼほぼ変わんないじゃん。いくら地図で見たって写真で見たって動画で見たってさ、やっぱりどこか実感からはちょっと離れてるなってのはあるじゃん。
極端に言えば、ドラクエで言うところのアレフガルドにはラダトームって街があるんだってってのと、感覚としてはそんなに変わんないと思うの。
それがね、ホテルの駐車場のすぐ脇の道に立って、カラスが一羽飛んできて、バスがゆっくり停まって、朝の陽射しが肩に当たってみたりすると、風がおだやかに吹いてきたりするとね、思うの。
なぜここにいるんだろうって。
少なくとも一年前は想像もできなかったことが自分の身に起こってて、365日生きてこれて、上がったり下がったりしての今なわけですよ。
だって浜松でうなぎ食ってるとか、意味わかんなくね?
年越しに浜松のホテルにいるんだよ? いていいんだよ? 除夜の鐘を浜松できく、なんて去年の今頃に想像できましたかってこと。
旅に出るとね、たまにこうなるの。ふと我に返って、おいおいどうしたってなるの。伝わるかなぁ。伝わるといいなぁ。
ご当地グルメを食べたくて
それで、31日はさわやかがやってないことがわかりまして。
あの、ハンバーグでおなじみの。静岡県内限定で展開してる美味しいハンバーグを出す店でおなじみの。
さわやか。やってないんだって。
いや、一部店舗ではやってんのかも知れないけど、近場のはどうやら閉まってるってのがわかりまして。
このシリーズの記事には書いた気がしますけど、旅に出てもご当地グルメ的なのはあんまり行かないんです。混雑が嫌だったりして。
それが今回の旅では妙にそっちへ興味が出てて、浜松のうなぎをクリアしちゃったもんだから次は静岡おでんと思って、前日にひどい目にあったりしてて。
おでんは、なんか調べたらサービスエリアで食えるらしいというのがわかって、じゃあ帰りに寄ればいいやと。正月から営業してるかどうかまではわからなかったものの、とりあえずいいやとなり。
他にも浜松餃子ってのが有名だと。
実を言うと初日にいった床屋さんで、おすすめを何軒か、餃子に限らず教えてもらってんだけど、たかだか三日とかの滞在期間じゃ無理と思ってて。
だからまた行きますよ、浜松。
そういう街、けっこうあるんだ。2025年の夏に行った石巻だって残してるお店がたっぷりあるんだから。
で、浜松餃子が食えるお店をピックアップしてたんだけど、年末だから。12月31日だからさ。営業時間を短縮してたり年内の営業は終わっちゃったりしててさ。
これは、浜松餃子もダメかと。おでんに続いてダメなのかと思って。
それでとりあえずは、今夜。
31日から元旦はホテルでのんびりするのが一番だろうと思って、あとホテルの駐車場の先着順問題があるから。遅く帰ってきたら駐車場がない、みたいなことになりかねないから。
だから、浜松のまだ行ってないエリアとかに足を伸ばしつつ、夜ご飯をスーパーで買いだしすることにしたんです。
明日、明けて2026年1月1日はコンビニくらいは開いてるだろうけどスーパーはやってないかもしれないし、余っても朝ごはんとか途中で食べるとかすればいいやと思って、ちょっと多めに買い物をしまして。
連泊なのでいつ部屋に戻ってもいいシステムということで、チェックインが始まる15時前にホテルに帰ってきたんですけど。
今まで行かなかったエリアから戻ってきたせいなのか、ホテルまでのナビに従って走ってきたら、ホテルの本当にすぐ近くに餃子屋があるのに気がついて。
すごい小さいお店なんだけど、あるんだよ。知らなくてさ。
で、とりあえず部屋に戻って買い物した年越し用のご飯とかを置いて、その餃子屋さんをネットで調べてみたんだけど、時短営業ながら今夜も営業するらしいってのがわかりまして。
しかもあと1時間後くらいに。
確かにさっきは閉まってたんです。多分通し営業じゃなくて、午後にいったんお休みするタイプのお店なんだろうね。
ネットでメニューも出てきまして。餃子だけでいくつか種類があるんだけど、浜松餃子もあるんだよ。徒歩数分のところにあるんだよ。
…晩飯は買ったよ。買いましたよ。ビールも買ったよ。バタピーも買った。
…あるんだよ。
浜松餃子。目の前で焼いたやつが出てくると思うよ。多分ビールもあるよ。なんだなんだ。どうなってんだ。
近所の餃子屋にて
ホテルで風呂入って、また出たよね。徒歩で、ホテルを出まして。
歩いて、営業再開の時間のちょっと前に着いちゃうかなくらいの感じで、歩いて。行くよ。あるんだもん。浜松餃子、あるんだもん。
ホテルからは広くない路地を通って、いくつか角を曲がるとお店に着くんですけど、最後の角を曲がった瞬間に見えた光景に、ちょっと愕然としたんです。
並んでんだ。
10人はいるの。子供も含めてだけど、10人は並んでるの。
全員知り合いっぽいというか、家族連れにしちゃあ今の御時世、多すぎだと思うけども。そうか、長男家族と次男家族とかが里帰りしてメシでも食うかってなったら、このくらいの規模感になるよね。
その餃子屋が小さい建物で。雑にリサーチして引っかからなかったくらいだから、有名店とかチェーン店みたいな感じではないっぽいんだけど。
その、10人も入ったら満席じゃね?
並んでるところに近寄っていく間にも、子供とかがわいわいやってて多分お父さんお母さんであろう大人も喋ったりしてる空気感から、うちら何度もこの店に来てますけど感がなんとなく読み取れるのね。
浜松っていったって夕方ともなれば寒いからさ。大人は肩をすくめて、子どもたちはそんなの気にならないふうできゃっきゃやってんだ。
こちとら妄想体質ですから。そういう何気ないところからぎゅんぎゅんに広がっていくから。脳内で家族構成から明日食う餅の数まで想像できちゃってますから。
妄想じゃないの。プロファイリング。
あの、バカ面で騒ぎまくってて従兄弟たちからすらドン引きされてんのは、長男家族の次男坊に違いねぇって。
並んでる大人の男女比率からして、お父さんとお母さんひとりずつって考えるとちょっと人数が合わないのね。ってことは、シングルファザーになったけど近々再婚を目論んでる、一番先頭にいるオッサンの次男坊に違いねぇって。
めっさ距離をおいて列の一番後ろにいるのが、たぶんあれ妹だよ。あたしくらいになるとピンとくるから。あたしくらいの刑事と書いてデカになると、すぐピンとくるんだよ。
でさぁ、問題はですよ。
並ぶのが嫌い、混雑がもっと嫌いでおなじみの、あたしじゃないですか。
並ぶの?
並んだとて、入れるの?
入れたとて、この人数の料理を捌けるようなお店なの?
お店、小さいよ。厨房だってたぶんそれなりじゃないの。夫婦でやってますっていう感じだよ。
もしもだよ。もしもこの前に並んでる連中が予約してたらさ、入店前から餃子を焼きはじめるとか、すると思う?
下ごしらえまでだよね。入店したらささっと焼きはじめるってパターンだよね。
つまり、あたしが予約で一杯でって断られなかったとして上手いこと入れても、あたしの餃子はしばらく後になっちゃうんじゃないの?
…多分ね、いつものあたしだったら、並ばなかったと思う。スルーしてたと思う。今夜のご飯も買ってあるし。
でもなんか、足が止まったんだよね。
浜松餃子食いてぇとか、12月31日になったなぁとか、あるいは風の吹くふんわりした気配とか、旅の途中の色んな物があたしの中で混ざってかき混ぜられて、足が止まったんじゃないかなって、今思えばそんな気がしてます。
店が開いて。
団体さんはテーブル席に案内されて。
あたしは断られることもなく、カウンター席の隅っこに座って。
いつからいたのか、いかにも近所の常連のおじさんって感じの人がカウンターの逆の端に陣取って。
大晦日だし餃子でも食おうぜっていう、この感じ。この感じの人がいるんだっていう。そういうお国柄っていうさ。いいよね。
席に座ってメニュー見た瞬間、あぁビール飲んでいいんだ、って思って。いやわかってたけど、その瞬間に気がついたみたいな感覚になってさ。
急に年末感っていうか。あたしこれから餃子食ってビール飲むんだっていうことに、急に現実味がわいてきて。
旅先のホテルでそっと缶ビールを開ける、あの瞬間も大変よろしいんですけどね。やっぱりこう、生ビールって、旅の途中で生ビールって。
…いいねぇ。
もうこのカウンター席で年越ししていいだろうって気がしてきちゃうっていうさ。
団体さんはなかなか注文が揃わないみたいだったから、こっちはササッと決めて頼んじゃって。その分、先に作ってくれそうだったしね。
浜松餃子が来るまでにビールをおかわりしたり。
知らない街のローカルニュースが流れる大晦日の、知らない餃子屋で知らない家族連れがわいわいやってて知らないオッサンが酒を飲んでて、知らないオヤジと手伝いのおばちゃんが手際良く餃子を焼いたりラーメンを茹でたりしてて。
その片隅で、全身のあらゆる力をすべて抜かれたような心持ちでビールと餃子を交互に口に運んでいる、不思議さ? 贅沢さ? 曖昧さ?
そんなのが全部、全部集まって混ざって血液になって流れてるのを感じながら、2025年は暮れていったんです。
新年
翌朝。
2026年もどうにかあけまして。
今年もよろしくお願いします。このブログもなんとか書いていこうと思っています。いまさら新年の挨拶を、しかも新年一発目の記事でもねぇ上に記事の途中で急にされてもとお思いでしょうが。
そういうブログだから。仕方ないから。
で。
結局一度も無料の朝食バイキング会場に行くことなく、ホテルを出発することにしまして。
ちょっと住んでる感も出てきた頃に、街を出るっていうこの感じには慣れてるつもりでもそうなってないっていうか。
色々あればあるほど、より強く思うところもあるっていうね。
だからってもう一泊ってわけにもいきません。今日のうちには戻らないといけない事情があるんです。
道中の天気予報を見ると、太平洋側を離れて山に近づくほど雪、しかもそこそこ強めに降るということのようで。それを越えて日本海側に出たら最後、どのくらいの降雪になっているのやらといった感じ。
普段なら、帰りたくないあまりに寄り道しながら渋々戻っていくってのがお決まりなんですけど、距離も距離だし早め早めに動いたほうがいいと。
なおかつ、元旦から営業してる店に寄り道したいところなんかあるだろうか、ということもあって、自宅までナビをセットして寄り道なしで戻るべく、走り出しました。
ナビに従うとどうやら静岡市近辺までは国道1号線を行き、そこから高速に乗ってというルートになりそう。浜松に来る時は長野から山梨を通るルートだったのですが、そっちは雪がひどそうだったので、神奈川から埼玉、群馬というルートを選んだせいかもしれません。
お正月ってことで。
途中であけましておめでとう系のLINEなんかに返事をするために、道の駅とかコンビニとかサービスエリアなんかに寄って、まとめて返事をしようってことになり。
その場所をただお借りするのもなんだしと、おみやげになりそうな物とか飲み物なんかを買ったりして。
当然、今は静岡県にいるんすよ、旅してまして的なことを書いたり、正月だしってことでこれみよがしに富士山の写真とか送ったりすると、えーマジでそうなのみたいなのが返ってくるわけです。
よく会う人も、しばらく顔を合わせていない人も、単に年始の挨拶というきっかけから話がそれていきますわな。
そうなってくると、次のコンビニなりパーキングなりで止まって返信することが増え。
また返信も来て。
えーと。
…ぶっちゃけ帰りたくないじゃん。
わかるよね? 浜松でうなぎ食って餃子食ってビール飲んでっていう日々を、たかが数日とはいえ過ごしたらさ、帰るバカいる?
なんで大雪になる街に、しかも仕事のために帰るの、ってなるって。
だからもう、高速のパーキングごとに止まってる感覚ですよね。デカいサービスエリアで、威勢のいいお兄ちゃんが正月から串焼きとか焼いてりゃ買うし。静岡土産より、途中のパーキングで買った埼玉土産の菓子のほうが断然多いみてぇなことになるんだよ。
そりゃ買うよね。やなんだもん。帰るのやなんだもん。
だって、太平洋から離れて山に近づくにつれて、あんなにぽかぽかなお天気だったのが、だんだんと暗くなっていくんだよ。そりゃ気も滅入るよね。
途中から雪がチラついてきてさ。
やがて路面に雪がガッツリ残る道に変わっていき、どう見てもノーマルタイヤだなって挙動の超低速で走行する車をおそるおそる追い越し。
そうかと思えばハイウェイ・スターなのか正月気分で脳までお餅になってんのか、はたまたタイヤがスパイクなのか知らないけど、アクセル全開で追い抜いていく車にヒヤヒヤさせられ。
旅をするって決めた時にまず選択肢として、自力で移動するか公共交通機関を利用するかっていうのがあるけど、徒歩でも自転車バイクに車でも、やっぱり自力でって決めたら移動中のリスクってあるわけで。
もちろん公共交通機関だってリスクゼロじゃないけど、その道のプロに委ねるっていう意味では安心感もあるじゃない。
冬道の運転経験、そりゃありますよ。こちとら、伊達と酔狂で旅してんだもん。雪道くらい行きますよ。
けど、たかが知れてるよね。別に運転が上手いとか一切思ってないからね。ましてや長距離だしさ。決してラクではないし気を抜けないし、そうと知って選んで来てるってのもあるから。
なんでキツい目に遭ってまでって、自分でも思うもん。圧雪でガタガタの雪道を走ってたらそう思うよ。大変な思いをしてって。
だけどそんなになっても、あぁ寄り道しなきゃよかった、一日早く出ればよかったみたいな後悔めいたものはないんだよね。あの時はあれでよかったんだって思っちゃう。
どうかしてんだよ。もうどうかしてるの。
旅の終わり、旅のはじまり
どうにかこうにか帰ってきたあの雪道よりも、2026年の1月末であるところの今まさにガン降りしてる最強寒波がもたらす大雪の方が、圧倒的にヤバいっていう。
あの旅の終わりで、今日みたいな大寒波だったらどうなってたんだろうね。
だって、すぐ近くのスーパーにさえ行きたくないなって思うレベルだからね。静岡とか無理だって。
でもなんとか帰ってこれたってのは、なんでしょう、ありがたいなっていうか。
だから、中止にせざるを得ないほどの悪天候ではなかったっていう、巡り合わせみたいな意味でも、いい旅だったと思います。
もちろん出会った人もいい人が多かったし、食い物も美味かったし、色んな目に遭ったけどさ、旅ってそういうものっていうか。
だから結果、あれだね。いい旅だったなって思えるなら、誰にも迷惑がかかってなければね、そういう前提ですけど結果よかったなって思えたなら、いい旅だったってことでいいんじゃないかと思っております。
…あ!
ひとつ忘れてたわ。
サービスエリアで静岡おでん、食ってないね。
だってナビが国道1号を行けって言うからさ。静岡おでんを売ってるサービスエリアに寄ってくれないルートだったから。
完全に忘れてたよね。
帰ってから3日後くらいに気がついたよね。
…行くよ。また静岡まで浜松まで行きますよ。
行くんだよ。それでいいんだよ。それで。