位置情報を利用して、IFTTTのアプリをインストールしたスマホなどを持って指定した位置を出入りすることを起点に、他のサービスと連動させることができます。
これがなかなか便利で、旅先でもかなり使える機能です。私の場合は、旅先で後悔しないように、転ばぬ先の杖的な使い方をしています。
位置情報リマインダー
よく言われるリマインダーというのはアラームと同義なことが多くて、指定した時間が来たら通知が来て、やるべきことを知らせてくれる、というものを指すことがが多いんじゃないでしょうか。
これに対して、位置情報リマインダーというのがあります。時間ではなく自分のいる場所によって通知が来るというものです。これはIFTTTに限らず、他のサービスでも場所による通知ができるものがあります。
これが旅をする時に非常に便利に使えるのです。
IFTTTのLocationトリガーで何をするか |
例えば滞在予定のホテルが決まっているなら、その位置を指定してリマインドさせると便利です。
ホテルに着いたタイミングで、あらかじめリストアップしておいた近隣の居酒屋さんの場所や開店時間などのメモが、スマホに通知されるようなイメージですね。
ホテルではなく、駅に着いたら通知させるようにしてもいいと思います。
ですが、やっぱり宿泊先がいいですよ。なんといっても、ちょっとひと息つけますからね。
そうするとホラ、前もって調べておいた飲み屋さんや、お酒のアテが美味そうな飲み屋さんや、酔った足でも歩いていけるいい感じの飲み屋さんへの足取りも軽くなるでしょう?
動機は不純でいいと思います
ですが私の場合は、これらとは違う使い方のほうがメインになります。
ちょっと足を伸ばせばよかったのに
旅に出ます。
旅なんてのは距離や日数とは関係ないと思ってましてね。要は近所でも日帰りでも、自分が旅をしていると思えば旅なんです。
自分の中のタイミングが合った時が旅に出る時。そんな感じでいいんじゃないかと思っています。
こんな調子ですから、効率的とは言えません。
むしろ日程を時間内で消化していくような、きれいな旅のプランはどうも窮屈でいけません。
たとえ無駄に時間を使ったり遠回りしても、その場で自分の思った通りに、衝動のままに動くのが私的には「旅」なんですよね。
ですが、そんな自由気ままに動く私でも、旅に出て後悔することがないわけじゃありません。
例えば、ネットや雑誌なんかの記事を見ていて、ここ行きたいな、と思うことってありますよね。観光名所だったり美味しそうな飯屋だったり絶景スポットだったり、行きたいなと思う場所ってこの世にまだまだたくさんあるわけで。
でも大抵はすぐに行けるわけもなく、そのうちそんなの忘れちゃうじゃないですか。
で、そんなことはすっかり忘れたまま、全然動機の違う旅に出て。
そして戻ってきて、何かの拍子にそのことを思い出すんですよ。
そういえばここに行ってみたいと思ってたんだ、って。ちょっと足を伸ばせば行ける距離にいたのに、あの時ならついでに行けたのにってね。
後悔しないための方法は2つ
そういう後の祭り的な思いをしないために、やれることは2つあります。
ひとつ目は、行きたいなと思ったらメモを残すこと。行ってみたいと思った場所を、手帳でもスマホでもクラウドのメモサービスでもいいのですが、何かに残しておくことです。
場所や名前もそうですが、行きたいなと思わせた雑誌のページやネットの記事なんかをとっておくとベストだと思います。初期衝動というやつが大切で、それは旅に出る原動力になり得るんですよね。
普通の人ならそれさえあれば、先ほど書いたような近くまで行ったのに忘れてて立ち寄りそこねた、みたいなことにはならないのかもしれません。
ですが、私みたいな忘れっぽい星人はそれだけではダメなんです。もうひと工夫しておかないと。
そこで2つ目として、位置情報リマインダーの出番です。
「場所に到着したら通知する」ではダメ
おそらくパッと思いつくのは、行きたいと思っていた場所に着いたら通知が来るようにセットしておくことじゃないでしょうか。
リマインダーをセットしてあることすらスッカリ忘れている頃に、たまたま近くに立ち寄ったタイミングで通知が来て、
「あ、そうだ! ここ行きたかったんだった!」
なんて感じで目的を無事果たして、よかったよかったってな使い方だと思います。
でもこれってダメなんですよ。実際にやってみると、思ったとおりに機能しないんです。
この手の位置情報を利用した通知って、ホントにすぐ近くに行かないと発動してくれないんですよね。半径数十メートルとかそういったレベルで接近しないと、リマインダーが反応しないのです。
旅先でいうところの「近くに行った時」って、もう少し車を走らせればとか、あと何駅か先みたいな「足を伸ばす」距離感だと思います。
それは位置情報のリマインダーの域ではないのです。お知らせが発動する範囲がもっと狭いんですね。
旅先で「ここまで来たから足を伸ばして行ってみようと思える距離感」とは合っていないのです。
範囲指定できるIFTTTの位置情報トリガー
そこで、位置情報を感知する範囲を指定できるIFTTTのLocation(位置情報)トリガーを使っています。
これは結構スグレモノです。
IFTTTの場合、指定した地点から一定の範囲を設定して、そこに入るもしくは出ることをトリガーにできます。
範囲指定できるというのが特徴的で、広すぎたり狭すぎなければ自由に設定できます。
同様のサービスであるmyThingsの位置情報トリガーでも範囲指定できますが、いくつかの距離の中から選択する仕組みなので、必要かどうかはともかく柔軟性はIFTTTのほうが高くなっています。
範囲指定の例。これくらい広範囲にしておくのがコツ |
もっと言えば、大きめに範囲指定しないと誤作動が起きる可能性が出てきます。
例えば「家に入ったら/出たら」というイメージで範囲設定した場合、位置情報の精度や誤差の関係で過剰に作動してしまうおそれがあるのです。
範囲を市区町村、あるいはもっと広く指定しておけば、自分の位置情報が数十メートルレベルでズレがあっても「入った/出た」ことにならないというわけです。
生活圏から「出たら」通知させる
もうひとつ肝心なのが、指定したエリアを「出たら」反応するようにしておくこと。いつもの行動範囲や生活圏から出たら通知が来るように設定しておきます。
自分の通勤通学圏でもいいですし、住んでいる近隣の市町村をまるっと範囲指定してもいいですね。
毎日を暮らしている生活圏、そのエリアから出るということは、そこはもう自分の行動範囲外、すなわち旅先と言って間違いないでしょう。
いつものエリアを出た、イコール旅に出たら位置情報のリマインダーが作動して、その通知が来たら日々チェックしておいた「行ってみたい場所メモ」が日の目を見るわけです。
この遠大な前フリ。こういうのが本当の旅の支度というやつでしょう。
notificationアクションで通知させる |
これが「特定の場所から出た時」ではなく、何処かに到着したら通知するという設定にすると、仮に範囲指定できたとしても、「足を伸ばせば行ける」範囲がその時々で変わってくることもあって、通知する範囲を適切に設定できません。
それに、行きたい場所ごとにセットしなくてはならないのも面倒ですし、やはり場所から出たら通知させて、旅の計画から漏れているかもしれない「行ってみたい場所メモ」を思い出させるようにするのが、結構いい感じで機能しています。
余裕があったら立ち寄りたい時にも有効
もちろん、計画的な旅でしたらこんな面倒な仕掛けは要らないと思います。
ですが、
「もし出張で◯◯市に行ったら△△で買えるアレ買ってきて! 行ったついででいいから!」
なんて言われたことありませんか?
こういうのって経験上、だいたいは忘れちゃいますからね。
私のように好き勝手に旅に出ちゃう人以外でも、こういった何かのきっかけで普段は訪れない地域にたまたま出かける、なんてシチュエーションでは役に立つんじゃないかなと思っています。
また、天気や交通機関の影響で日程がズレることも、旅をしているとままあることですよね。そんな時に、優先順位は低めだけど行けたら行くみたいな候補を思い出すのにも利用できると思います。
自分の居る場所に合わせて、何かを通知してくれるというのは結構便利です。
一般的にはお店に着いたら買うべき物を忘れないように、なんて使い方だったりするのでしょうが、旅に出る人には位置情報というのは最適なリマインド方法じゃないかと感じています。
夏休みも近くなりましたし、出かける機会も増えそうな季節ですから、事前にそっとリマインダーを仕掛けておくといいことがあるかもしれませんね。
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