仕事で色々ありまして、今後はしばらく、新潟県へ訪問することがちょいと多くなりそうです。
米どころ、酒どころ、温泉どころと、見て回りたいところは多いのですが、じっくり時間を取れるかどうかは正直難しい気がしています。
まあ、私のことですから、隙あらば放浪するに違いないというお話。
以前ブログに書いた、「新発田温泉 あやめの湯」で訪れた温泉です。少し前のことですが、その近くを通過するタイミングがありましてね。
時間は夜の7時半。天候は、誰がどう見たって吹雪となっています。夜なのに視界はボンヤリと白く、フロントガラスな貼り付くフワッとした雪をかき分けるワイパーが忙しない夜。
その日は新潟市内でホテルを予約していまして、翌日も朝早い段取り。
雪のせいで思うようにコトが運んておらず、この頃は睡眠時間も少なめになっていたものですから、早くチェックインしてギリギリまで寝ていたいなんて、くだらぬ妄想をしつつ、国道7号線を新潟市方面に向かっていたのです。
そのうち、とある信号に引っかかりましてね。今にして思えば、この信号が青だったなら、この記事を書くことはなかったのです。
この吹雪じゃ車の流れも良くはありませんから、目指す宿に着くのはまだまだかかりそう。どうしたもんかと半ばボンヤリと白雪を照らす赤信号を眺めていた時に、記憶を呼び起こされまして。
あれ?
ここって、ちょうど国道からあやめの湯へと向かう交差点だなぁ・・・
・・・なんて気がついちゃったもんですから、さあ大変。
信号はまだまだ変わる気配はありませんし、今からウインカーを倒してしまえばいいんじゃね? なんて思いついたが早いか、カッチンカッチンとウインカーが点滅。
我ながら、こういう思いつきでふらっと道を外れる悪癖は、いつまでたっても直っちゃくれないようです。
あやめの湯はたしかタオルがなかったし、ちょいと野暮用の最中ですからタオルなんて気の利いたものは積んでない。
そうだ、前回は足湯に入ってないからそこにお邪魔してみようかと、寄り道の正当な理由を思いついたころには信号が変わり、ほんの1分前まではまっすぐ通過するはずだった国道7号線を外れていく車を見送ってくれました。
ほどなくしてあやめの湯に到着します。
時間も遅めだからでしょうか、駐車スペースにはポツポツと空きがある模様。元々広くはない駐車場の隅には、除雪でどけた雪が山と積まれていて、その上に新しい雪が砂糖のように降り積もっていくのが綺麗で、それでいて春の遠さのようでちょっと忌々しくもあります。
足湯は玄関口の前に設置してありますから、なるべく近い場所に車を入れ、濡れた足を拭くためのタオルがないのでハンカチを2枚、ポケットに入れていざ出陣。
ちょうど入れ替わりでお客さんがいなくなり、私ひとりとなったので、何枚か撮ったものです。
足湯は小さな小屋の中にあるので、吹きさらされることはありません。ヒノキかどうかは知りませんが、木製の湯槽に温泉が絶え間なく注がれています。
土間で靴を、続いて上がりこんだ湯槽の脇で靴下脱いで、膝の上までズボンを捲り上げてから、お湯に足を入れてみます。
温度は結構熱め。我慢していると、ジンジンと足の芯まで暖まるよう。試しにお湯から足を少し上げてみると、すっかり紅潮していて、湯面の上になっていた部分とはまったく違う肌の色になっています。きれいな足でしたら、写真を撮って掲載するんですがねぇ。
すぐに身体もポカポカとし始めて、外気が低い中ですが独り占めということもあって、ちょっと長居してしまいました。
長時間、しかも雪道の運転だったせいか、ちょっとダルい感じと目のかすみがあったのですが、血行が良くなったせいか目のほうはシャッキリしてきましてね。このまま今宵の宿まで旅立とうという気になったもんですから、周囲を濡らさないように足を拭いて離脱。身体が冷えないうちにと、あやめの湯を後にしたのです。
書きながら気がついたのですが、足湯って生まれて初めて入ったかもしれません。相当昔にどこかで入っった気がしないでもないのですが。それはそれとして中々いいものでした。
その後は無事、予約した宿につきまして、間もなくしてグッスリ。翌日は若干寝坊気味で一日が始まったと記憶しております。