このブログやTwitterの自己紹介では、こう書いています。
『ひとり旅2級、徘徊3級、お散歩6級。ライフログとかブログとか音楽とか。』
ブログを始めて苦節一年あまり、よーやく「音楽とか」に触れる日がやってまいりました。別に避けてたわけじゃないんですけどね。なんとなくです。
話を戻しましょう。
単なるベストアルバムと少し違うのは、数年前にファン投票で選ばれ発売されたベストアルバムの曲目はそのままに、新たに録音したということでしょう。投票結果に対するアンサーとしての意味合いが込められた、ユニークなベストアルバムじゃないでしょうか。
発売前の時点で新録と聞いて、俄然期待感が高まったわけですが、アレンジがどうなっているかがやはり気になりましてね。
ライブなどでは曲調や歌い方にアレンジが加わることはよくありますし、本当は(もしくは今現在は)こう歌いたいんじゃないか、こう演奏したいんじゃないかと思えるような定番アレンジも存在しますからね。
いざ聴いてみると、意外とという表現が正しいかはわかりませんが、原曲に近いものを出してきたなという感じを受けました。
2017年版というふうにも受け取れますし、原曲をもとに投票されたことを尊重しているようにも取れます。
どの曲も全体的に、演奏や歌うことを楽しんでいるような空気感がして、ライブとはまた違った「いい感じな」アルバムだと思っています。
収録曲では、「追憶のマーメイド」「天国旅行」「WELCOME TO MY DOGHOUSE」あたりが個人的にいいですね。刺さります。
購入特典で新曲「ロザーナ」が収録されたCDが付いてきました。1曲のみですが別封でアルバムジャケットもちゃんとオリジナルのものがあり、このままシングルで発売されそうな装丁になっていました。
この曲が非常に私の現在の気分や空気感にフィットする曲調や歌詞で、何処かに行きたくなるような、その道中で聴きたくなるような曲です。
復活後の新曲である「ALRIGHT」「砂の塔」そして「ロザーナ」と並ぶと、50過ぎのオジサンたち4人も捨てたもんじゃないなと。そしてそれを聴いて「いいじゃん!」と思える自分で良かったなと、そういうことを考えたりします。
Xperiaのミュージックアプリから |
ついでですから、THE YELLOW MONKEYとの出会いからちょっと振り返ってみましょうか。
デビュー当時からのファンではありません。露出が多くなった頃、シングルで言えば「LOVE COMMUNICATION」あたりの、スペースシャワーTVなんかでプッシュされてた時期に初めて見たんじゃないかと記憶しています。
最初はそれほど好きってわけじゃなかった気がします。当時はいわゆる90年代邦楽ロック全盛期に差し掛かった頃で、その後THE YELLOW MONKEYは名実ともにトップミュージシャンの位置に立つわけですが、ぶっちゃけた話をすれば世間的には、GLAYだのLUNA SEAだのB'zだの小室哲哉系だの、もっと売れているアーティストはたくさんいた時代でした。
どっちかといえば、THE YELLOW MONKEYが好きという人は、度合いにもよりますが少数派だったという感覚があります。
なので復活した昨年あたりに、THE YELLOW MONKEYってすごかったよね、みたいな話題がネット上で散見されるようになって、ちょっと違和感を覚えたんですよね。
解散前の当時、音楽の話題になって好きなアーティストはTHE YELLOW MONKEYと答えても、同意があった試しはありませんでしたし、誰かとカラオケに行っても周りで歌ってる人はほとんど居なかった気がします。もっとも私は歌う曲が他の人とかぶらなくてラクでしたけど。
実際に販売面でも、ミリオンセラー連発の時代性を考えると少ない方だと思います。
でもそれが普通だとも思うのです。
THE YELLOW MONKEYって、どこまでもキャッチーで万人受けするって感じの曲を演っているわけではなくて、どっちかというと好みが分かれそうな、ちょっと独特なバンドじゃないかなと。
彼らが、国民的人気で誰からも愛されるようなバンドみたいな扱いだったら、その国民だいじょうぶ? と私だったら思っちゃうのです。
少なくともTHE YELLOW MONKEYを聴き始めて、ほどなくして私に「突き刺さってしまった」当時はそういう感じだったと思います。
突き刺さったのは、アルバム「SICKS」でした。当時持っていた安いCDラジカセの中で高速回転する円盤からスピーカー越しに吐き出される音は、頭を鈍器でぶん殴られるほどの衝撃でしてね。
そこからは完全に私の構成要素のひとつになりまして、解散までずっと、そして復活した今もそれは変わっておりません。
ずっと聴き続けられるアーティストが、世の中にどれだけいるかを考えると、これってすごいことでしょう?
たいていは音楽を演る側が変わってしまったり、聴き手が変わってしまったりするものです。
新曲が発表されるというアナウンスがある度に、いつも不安になるんですよね。あれ? ってなったらどうしようって。ちょっと違うってなっちゃたらどうしようって。
そして、いざ聴いてみて安心する、ああいつもの味だったみたいな。もしくは、この味付け新しい! 美味いじゃん! みたいなね。
そういう、送り手と受け手のどちらも変化し続けているのに、ちゃんとマッチする、刺激をもらえる関係性って難しいというか希少だと思うんですね。良し悪しは別として。
星の数ほどの音楽がある中で、そういう関係性にあるミュージシャンは、私の場合はたった三組なんですが、そのうちの一角を占めているのが、THE YELLOW MONKEYというわけです。