夏休み信越放浪記 1日目

2017年8月15日火曜日

#夏休み信越放浪記 #旅

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 道の駅で車中泊となったのですが、雨が結構な勢いで降ったまま止みそうもありません。
 朝を迎えてもそんな感じでね。車の窓ガラスを叩く天からの落とし物をぼんやりと眺めながら、どうしたもんかと思案します。


雨はやまない


 ひまわり畑を見に行きたいのです。
 でも雨。
 でもでもひまわり畑をね。

 なんてことがぐるぐると回って回って、どうにも決まらない。
 
 結局、なるようになるだろうという、およそ熟考したとは思えない結論に至って、とりあえず朝食を求めて適当なコンビニに移動することに決めまして。

 パンにコーヒーといったありきたりの取り合わせをレジに持っていって、無愛想な感じでお釣りを受け取ったのが午前8時すぎだったと思います。
 
 天気予報は本日まるっと雨模様。
 それじゃあ、ひまわり畑に行ってもちょっと楽しめそうにないよなぁと、まあそういう話になりますよね。

 また来ればいいじゃないか、仕方ないかと、子供をなだめるように自分に言い聞かせて、コンビニから出発します。
 そのまま国道17号線を群馬方面へ南下していき、魚沼市〜南魚沼市へと向かいました。今思えば、この時点で間違いなんですけど、この時は気がついていなかったんですよね・・・
 
 途中で道を逸れて、ハンドルが曲がりたいという方向へ行ってみたりしながら、もしくは前回書いたような邪魔が入りながらの、とてつもなくのんびりした移動になっています。
 なっていますなんて書くと他人事のようですけど。
 
 なんかおかしくね? みたいな感覚が、何をやってもついてくる感じといえば伝わるでしょうか。
 誰にも強制されたわけでもない、自分がやりたい事を自由にやっているだけなのに、どうもちょっとずつ違和感がある。そう感じちゃってる。

 具体的に何がどうってことじゃなくて、例えば前と後ろを確認して着たのにTシャツを前後逆に着ちゃったとか。
 今日に限っていつも持ち歩いてるカードケースを忘れちゃって、お店でポイント付けられないみたいな。
 
 なんかこう、何してても引っかかるの。
 そういうのが、徐々に蓄積されてんじゃないかという、そんなうっすらとした感覚が心の隅に芽生えだしたまま、旅が続きます。

居心地重視でラーメンを食べに

 
 煮え切らない降雨の中辿り着いたのは、六日町インターの近くにあるイオンモールの一角のラーメン屋さん。初めて来て以来、機会があると立ち寄るようになった「風々亭」というお店です。

 飯でも食えば、よくわからないけどモヤっとしたものもどっか行くんじゃないの? なんて、そんなノリでね。

ここだけ文字が取れるなんてことある?

 ここのチャーシューメンは背脂が少し乗っていて、チャーシューが炙ってあるんですよ。
 あの、トッピングが冷たいまま出てくるラーメン屋さんってよくあると思うんですけど、そういうのに比べると炙ってあってあったかいってだけで、ちょっと美味いなと思いますよね。
 
 ショッピングモール内のお店にしては、内装がパッと見、昭和末期から平成初期あたりから長く営業している町の小さなラーメン屋って雰囲気なのも嫌いじゃありません。

 入り口で食券を買って店内へ入ると、右手に3組くらいが座れる座敷があって、奥には5〜6人でいっぱいのカウンター。あとはテーブル席が店の半分を占めています。
 
こういうのあったよね

 空いてるといつも座ることにしているテーブル席には、むかし喫茶店とかでよく見た占いの、100円入れてガチャっとやると占いの結果がコロンと出て来る、アレが置いてあってね。

 真っ昼間というかまだ午前中感の強い11時ころからテーブル席に陣取って、競馬新聞かスポーツ新聞をガサッと広げて、瓶ビールをちびちび飲みながら13時半くらいまで無駄に粘ってそうなオッサンがいてもなんら違和感がないというか、むしろ居るべきって感じの雰囲気なんですよ。

魚沼ラーメンののぼり

 美味いかどうかよりも、混みすぎずゆっくりと食事ができるのも気に入っているところで。
 こういう所が好きなんだよね、あたしゃね。あたしゃそうなんだ。
 
 食事を終えて、外に出ると雨が止んでいました。
 ああ、何か知らないけど良かったな、ちょっとは気分も晴れるかな、なんて思ったのをよく覚えています。

ショッピングモールを徘徊


 人と車が増えてきたショッピングモールの駐車場は、雨の代わりに蒸し暑さが漂いはじめたようで。
 マンガだったら間違いなく、
「ジメッ」
 っと、ト書きで書いてあるような体感になってきて、雨のほうがマシじゃないかと思えてきました。

 どうしたもんかと思いつつ、涼を求めてショッピングモールの建物の中に入って見ると、コインランドリーがあるのに気がつきました。そういえば、旅の途中で洗うつもりで車に洗濯物を積んできたんですよね。雑。旅支度が雑。
 
 どうせ今後の行く先も決めかねているし、なんかモヤモヤする気分も晴れるんじゃないかと思うが早いか、車に戻りましてね。
 衣類を入れたカバンを引きずり出すと、バタバタとコインランドリーの店内へ逆戻り。洗濯機のドラムにありったけの洗濯物をぶちこみます。
 小銭を投入して回り始めた洗濯機のデジタル表示を見ると、「31」。その時間で洗い終わるよってことでしょう。
 
 さてさて、洗い終わるまでの時間つぶしが必要になりました。幸いショッピングモールにいますから、見て回る所はたくさんあるので困りません。
 イオンの店内を無駄にウロウロして人の多さに辟易してみたり、通路の真ん中で立ち止まってるご婦人にイラっとしたり、ブックオフでこれは!? という中古CDがないかパトロールしてみたりすれば30分なんてあっという間なんですよ。
 
 でね。
 洗い終わった洗濯物を乾燥機に叩き込むでしょ。
 お金いれるでしょ。

 コインランドリーのまぁるい窓の向こうで、ぐるんぐるんと回りだしたシャツやら下着やらを見ていた時に、ようやく自覚したんですよね。

 このモヤモヤ、消えないなと。
 

どうやらこっちじゃないらしい


 そこからはもう迷走が止まりませんでね。
 洗濯物を畳んでそのままぼーっとしたり、仕事関係の横やりが入ってきたりしているうちに、すっかり辺りは暗くなってまして。
 今日一日、なんだったのかと。ラーメン食って洗濯しただけじゃん。
 
 これはもう、家に帰ったほうがいいのかもしれないなと思い始めた時に、ハッと気がついちゃったのです。
 
 道を間違ってるなと。
 こっちじゃないんだな、と。
 
 普通の、事前に計画して旅券買って宿を予約してみたいな旅行をするかたには、どう思われるのかわかりませんが、この感じは「行き先はそっちじゃない」ということなんです。あたしの中で。
 
 なにを? と思われるかもしれませんけどね、行きたい方に行くのが旅なので。
 なのでとか言われてもと思ってんでしょうけど、こっちじゃねえなってこともあるんです。
 いいんです。そういうもんなんだなと思ってください。
 
 
 そう気がついたら、妙に納得しまして。
 朝からの雨でひまわり畑を諦めたのにそのあと雨が止んだのも、ほとんど移動せずにショッピングモール界隈でウダウダとしているのも、あれだ。こっちは行くべき道じゃないよと。そういうことなんだなと。
 
 てゆーか、わかんねーよね。
 そういうことがどういうことか、自分でもよくわかりませんが、そういう事なんだから仕方ありません。天啓なのかどうかしてるのか、その両方なのか知りませんけど、とにかく引き返すことに決定です。
 
 
 過日の台風の影響なのか、またもや雨が降りはじめまして。
 もうね、いよいよこっちじゃないよという気がしてなりませんから、早々にショッピングモールを出て、午前中来た道を追われるように戻っていきます。

 時間的に一旦、昨日車中泊した場所まで戻って、翌日移動したほうが良かろうと判断。そうと決まれば全ては明日。寝て起きたら、何か思いつくかもしれませんしね。
 
 かくしてダメ人間のダメ日は暮れてゆき、謎の往復で終わった旅の初日をまとめるなら、グダグダというたった4文字でおさまるものをダラダラと書き綴ってるわけですよ。
 もう寝よう。そうしよう。
 

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