日帰り入浴施設レビュー ぶらっと稲田(長野県長野市)

2017年8月14日月曜日

#レビュー #日帰り温泉 #旅

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 長野市内のスーパー銭湯、ぶらっと稲田に行ってきました。
 天然温泉ではないようですが、利用しやすい入浴施設でした。長野といえば名高い温泉のある地域ですが、立地的にもサクッと利用できるいいスーパー銭湯でした。 

旅先でその場で探してひとっ風呂


 旅の途中。
 だいたいはテンション高めになるじゃないですか。見るもの食べるもの感じるものが、どれもこれも刺激的になるのが旅というやつです。
 
 そのハイテンション気味な気分も、さすがにまる一日ずっとというわけにはいきません。
 汗をかいたな疲れたなと感じると、どこかでひとっ風呂浴びたい欲がむくむくと湧き上がるのが人の情ってもんです。

 一昔前ならそのへんで誰かに訊いたり、あるいは書店を探してタウン誌みたいな雑誌を見つけなくてはいけませんでした。
 今はインターネットでサクッと調べることができます。特に準備なく何処へでもどうにか辿り着けるというのは、私のようにふらっと出かけてしまう人間にはありがたい限りです。

お盆休みのふんわりした日の午後


 長野市内と思しきあたりで適当なコンビニに入って、休憩がてら検索して見つけたのがこちらの「ぶらっと稲田」です。

 ふらっと参上ぶらっと入浴みたいな、いい感じのトリッパーズ・ハイになってたんでしょう。
 ナビを立ち上げると件の入浴施設までの経路を検索。そのままそちらへと走り出したのです。いきあたりばったり旅、最高です。
 
 ナビの促すままに走ってると、北長野駅のほど近くへと導かれていきます。
 着いたところは、長野市内を斜めに横切る北陸新幹線や北しなの線、長電長野線が交差するように集まっている一帯の、どこからどう見ても住宅地の真ん中という風情でね。

 お邪魔したのはお盆休みの始まり頃とあって、街全体にふわぁっとした休日感が漂っております。
 墓参りの行きがけなのか一家揃ってテクテク歩いてる感じ。はたまた近所のじいちゃんが今風に言えば白のロンTにスパッツ、古風な言い方ならモモヒキ姿で玄関先に突っ立って大あくびしてるような感じの空気感です。
 
 そんな住宅地の真ん中に建っているのが、ぶらっと稲田です。

ぶらっと稲田


ぶらっと稲田


 公式サイトを見ると、16年12月にできたとあるのですが、おそらく平成16年ですかね。2016年ではなさそうだと思ったのですがどうなのでしょうか。

 駐車場は建物を取り囲むようにして結構広めなのですが、そのほとんどが埋まっている状態。
 暦的にも先ほど書いたようにお盆休み真っ只中。加えて時間帯的にも昼下がりとあっては、混んでいるのは致し方ないでしょう。
 
 しつこいようですが、ふらっと旅に出たといっても風呂に入るのは想定内ですから、着替えもお風呂セットも愛車に積み込んでいます。
 そっち方面にかんしては準備万端ですから、早速着替えをトートバックに詰め込んで、

 「おっ風呂! おっ風呂!」

 とか心の中で掛け声を発しつつ突撃いたします。もしかしたら口からも声が出ていたかもしれませんが、誰も聞いちゃおりません。
 

初めての施設では色々手探り


 玄関で靴箱にサンダルを放り込み施錠。券売機がありますのでそこでチケットを買う仕組みです。
 大人700円、レンタルタオルは200円でした。当時の話ですから、今のお値段などは各自ご確認ください。

 受付で買ったチケットを渡すと「ごゆっくり」と言われますから脱衣所のロッカーキーはくれないんだな、と思いつつそのまま中に入ります。

 このパターン、施錠できるロッカーがないか、あってもコイン返却式のロッカーが置いてある施設に多いんです。スーパー銭湯ですから後者ですかね。

 入浴施設によって入館〜入浴するまでのルールが異なりますから、初めて入るところはどこか探り探りになってしまうんですよね。それほど難しいことではないんですけども。
 受付で「初めて利用するんですけど」なんて告げると、たいていは色々教えてくれるので素直にそう言うこともあるのですが、常連ですけどなにか? ってな顔つきで突撃することもまたあるのです。
 
 受付の向こうにはガラス張りで明るい感じのロビーがあって、二階部分はリラクゼーションスペースのよう。
 一階には大きなテレビと周囲にテーブルがいくつかあって、ちょうど高校野球の中継を映していましてね。どこの学校だったか忘れましたがホームランが入るシーンが流れていて、夏の風物詩という単語がよぎります。

 その反対側に目を向けますと、食事が摂れるエリアがあってメニューなんかが置いてあります。値段をみるに特に高くはない印象でした。
 さらに向こう側には座敷もあり、お風呂上がりにゆっくりと休憩するには良さそうな空間になっています。
 
館内の案内図

色々気になる水槽

お風呂場へ


 お風呂場へ向かいます。
 脱衣所のロッカーは思った通りのコイン返却式で100円玉が必要なタイプ。

 ロッカーは正方形のものと壁沿いには縦長のものが備え付けてあります。正方形のものは高さが二段しかなく、上の段でも腰より低いものですから使いにくい印象でした。その分視界を邪魔するものがないので、防犯的にはいいのかもしれません。

 洗面台とドライヤーなども置いてあります。他には中二階のような場所があって、休憩するスペースになっていました。
 
 浴室へ行ってみると、内装がタイル張りのせいか古き良き銭湯を連想してしまいました。壁にタイルアートで富士山のひとつも描いてあれば、まさに昔ながらの銭湯みたいに見えそうです。
 仕切りのない洗い場がいくつかあって、シャンプーやボディソープ完備。夏だからなのかわかりませんが、どちらも冷たい感覚の残るメントールみたいな成分が入っているものでした。
 
 内湯は浴槽の他にジェットバスがいくつかとサウナといった構成。思ったよりは人が少ないなと思ったら、露天風呂の方に人影が見えますからそっちに大勢いそうです。

露天風呂で見上げる八月の空

露天風呂の方は、住宅地の真ん中にあるにしては開放感を損なわない工夫がされていて、周囲を壁で囲んであるものの頭上は遮るものがほぼなく、緑を配置してちょっとした庭のようなイメージです。
 
 露天風呂がちょっと混んでいるので、順番待ちがてらベンチがあったので腰掛けます。
 ふと仰いでみれば、八月らしい立体感のある厚い雲と、その切れ間から見える透明感の強い空がありました。

 その中を針のように細い飛行機が飛んでいましてね。まるで古い特撮映画のような若干の違和感を感じつつも、その様子に目を奪われてしまいました。
 あれはどの方角へ向かっているんだろう。
 あの中にもここに大勢いる人間が乗っているなんて、にわかには信じ難いなぁなどと、愚にもつかないことをぼんやりと考えていたんですがね。
 
 思えば昨日の今頃は、こんな所で空を見上げているなんて想像もつかなかったなぁと、そんな事を思うと妙に感慨深いというか、不思議な、どこか奇妙な気分になってきまして。
 そのまましばらくの間、湯にもつからずにただただ空を見上げていたと思います。
 
 やっと場所も空いてきたので、露天風呂に入るとしましょう。浴槽は広さが異なるふたつと足湯、ツボ風呂が三つあって、大きめの浴槽の片方は入浴剤が入れられていました。日替わりで変わり湯を楽しめるようですね。
 全体的にはコンパクトですが必要十分で、悪くないなという印象です。

いつかもう一度来ることがあるだろうか


 時期的なもので、ゆっくりと滞在するにはちょっとガヤガヤしていましたから、湯上がりは適当に中を見て回って退散しました。外に出ると、風が身体を通り抜けるように吹いていて心地よかったのを覚えています。

 こうやって旅先で調べて、初めて利用する施設なんてたくさんあるんですけど、たとえ気に入ってももう一度来ることがあるかどうかなんて、今この時にはわかりゃしません。
 それでも一度目はなにかの縁。こういう出会いもまた旅の面白さ、そういうことにしておきましょうね。

 住宅地の中のスーパー銭湯、ここは系列店もあるようなので、機会があればまた利用してみたいなと思っています。

公式サイト 
ぶらっと稲田http://www.buratto.jp/buratto_iw/inadatop.html

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