山形初秋旅 嵐の前の芋煮

2017年9月26日火曜日

#山形初秋旅(台風編) #道の駅 #旅

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 山形への旅の続きになります。
 
 山形初秋旅 台風前夜 - Time goes around

 一夜明けて、すでに強風が吹いている庄内平野です。天気予報を見ると明日からは台風直撃コースなんですが、今日は晴れ後雨との予報。本当かよと言いたくなります。

 悪天候で、目の前に見える収穫前の山形産米も心配ですが、我が身の振り方もそこそこ気になります。


いろり火の里のスーパーマーケット

 夜も遅くなって検索に引っかかった道の駅に滑り込んだ挙句、周りは車中泊の車だらけで停める場所もそれほど空いてない状況。

 おまけに偏頭痛がガンガンギギンギンガマンですから、もうどこでもいいやと車を停めたこともあり、ひと晩明かしたというのにここがどういう場所なのかよくわかっていませんでした。
 
 車体を揺するような強風に何度か目を覚ましては眠りに落ちるというループを数回経た後、ようやく起き上がる気になりましてね。
 とっくに明るくなっている外を見渡してみると、車中泊組もある程度出発した後のようで、なにやら長閑そうな雰囲気が漂っております。
 
 
 「道の駅 庄内みかわ いろり火の里」というのが正式名称。鶴岡市だと思っていましたが三川町というところのようです。鶴岡市と酒田市の中間に位置しています。
 
 いろり火の里
 http://www.iroribinosato.info/index.html


 
 ぶらぶらと写真を撮りつつ散歩をしてみると、色々な施設が集まっている道の駅だというのがわかりました。
 
 小奇麗なトイレ棟の近くに車を止めたのですが、その敷地内にスーパーマーケット、コインランドリー、遊具のある公園、ゲートボール場、多目的ホール、食事処が数カ所あります。

 さらにゲートボール場を挟んだ地続きの敷地には、日帰り温泉と宿泊施設にまた別の食事処があるという旅人にはたまらない、うっかり「道の駅の宝石箱やー!」 とかなんとか口走ってしまいそうな環境だったのです。
 

 中でも私の気を惹いたのは「ラコス」というスーパーマーケット。連休中でしたが朝からお客さんがそこそこいました。



 
 有限会社 ラコス:三川町公式サイト
http://www.town.mikawa.yamagata.jp/business/zigyou/gyosyu/oroshiur/52_lacos.html

 読んでいただくとわかりますが、ちょっと毛色の変わった店舗だというのがわかります。
 流通が発達して大手が強い業界で、チェーン店でもないのにこの規模の店舗を維持している。
 これって、中々大変なのではないかと門外漢ながら思ってしまうのですが、結構お客さんも利用しているようですからちゃんと支持があるんでしょうね。
 
 建物は古めで内装を見てもひと時代かもう少し古めの感じを受けます。
 ですが品揃えは一般的なスーパーマーケットと遜色ありません。値段は、モノによっては高いものもありますが、全体的に見ればがんばっているんじゃないでしょうか。
 
 テナントもいくつか入っていまして、中でもコインランドリーがオープンしたばかりでした。
 価格設定は高めでしたが、道の駅で時間を潰している間に洗濯できちゃうのは、私みたいに車で移動している旅行者にはありがたいことです。
 
 近隣にはイオンモールやヤマザワといった、大手〜中堅のスーパーもありますし、道の駅敷地内という環境がどう影響するのかわかりませんが、末永く営業していてほしいなというのが本音ですね。
 


芋煮の季節

 朝ごはんというよりはお昼ご飯に近い時間になっていましたから、ラコスで適当にお弁当を調達し、車に戻ってはむはむもふもふしながら空模様を伺いつつ、今後の予定を立てます。
 
 今夜から明日は大荒れ必死でしょう。
 動くとしたら今日しかありませんが、移動するとしてもあまり土地勘のない所へ行ってしまうと、いざという時に困りそうです。
 
 何よりこの、ほとんど偶然辿り着いた道の駅が予想以上に居心地がいいということもあり、今日のうちに非常食なんかも含めて準備を整え、明日は天候を睨みつつ最悪はここから動かず一日過ごすことにしました。
 
 
 買い出しには時間が早いので、まだ天気が崩れないうちに鶴岡市内に戻ります。

 以前来たところ。
 初めて通る道。
 気の向くままに街を移動して、駐車場に車を停めて、散歩したりしてね。
 
 そんな感じで歩いていると、あちこちで芋煮会のポスターが貼ってあったり、スーパーなんかでは芋煮に使う食材の販促が行われてたりするんです。
 
 もう無計画もいいところで、山形に到着するまで芋煮のいの字も脳の中にはありませんでね。

 街角のポスターでは芋煮会イベントの告知がされていまして、ああこのイベントは聞いたことがあるぞと。
 有名なデカい鍋で芋煮を作るやつじゃね? と。
 
 そうか、山形のこの季節は芋煮だよな、なんてのほほんと思いながら、ポスターを眺めていたんです。
 
 でね。
 よく見ると開催日が今日ですよ。
 
 今日⁉
 
 なんてラッキーなんでしょう。
 いやこれはもう、どう考えても芋煮を食べに来る運命になってたんだなと。無計画とかじゃないんだよ。運命と書いてさだめ。

 偏頭痛なんかすっかり消え去りましてね。どこでやってるんだろうとか、マジマジとポスターを見たんです。
 
 あー
 なるほどー

 えーとね。
 ・・・間に合わなくね?
 
 イベントの終了時間を見ると、間に合わないどころかもうすぐ終わる時間で。
 
 その瞬間からものすごく頭が痛くなりまして。
 何やってるんだろう。
 せっかくあのデカい芋煮用の鍋とかを、超インスタ映えする鍋とかを撮影して、やってもないInstagramにアップしてみたりできたじゃん。
 
 もうね、頭がガンガンしてきまして。脳内でギンガマンが大ボリュームで。
 

芋煮はどこだ! 

 私のいいところは、それはそれで仕方ないと思う反面、どこかで芋煮欲を満たせないかなとあれこれ知恵を絞るところ。
 良く言えば諦めない心の持ち主。端的に言えばバカです、ええ。
 
 真っ先に思いついた、芋煮がありそうなところはスーパーマーケットのヤマザワ。
 確か芋煮コーナーみたいなのがあったなと思っていたので、痛む頭を抱えながら車に戻ると一番近いヤマザワへと向かいました。
 
 駐車場にはたくさんの車が停まっています。連休中ですが猛烈な風が吹く鶴岡市内。家でご飯を作って、連休の残りはまったりするという人も多いでしょう。
 
 芋煮芋煮と心の中でつぶやきながら、そそくさと入店します。芋煮関連のコーナーがあったはずだと、キョロキョロと周りを見渡すと、入り口から少し奥に入ったあたりでなにやら人だかりができています。

 その人々をよく見ると、何かカップのような物をそれぞれ持って口に運んでいるな、なんて思った矢先。
 
 店内放送が流れましてね。
 
 「えー、本日の芋煮のご試食は只今を持って終了とさせていただきます」
 
 
 ・・・え?
 
 ・・・は?
 
 ええ?
 
 いも、・・・に、ええ?
 
 
 あのね。
 病は気からって言いますけど、あれホントなんですね。
 
 もう、割れんばかりに頭痛がしてきましてね。
 
 BPM180くらいで。ガガンギギンギンガマン。ユーロマスターズリミックスです。ギンガマンの歌 ユーロマスターズリミックスですよ。12分。ずーっと。
 
 いや確かに、昼前までは芋煮のいの字も頭の中になかったんです。
 だから元々そんなこと思ってなかった状態に戻ればいいんです。
 旅先の食い物なんて、いつもと違う場所で、いつもと違うお店で買ったり食べたりすれば、もうそれで充分なんです。
 
 でも人間って、一回「逃した!」と思うと、こだわりができちゃいますよね。
 元々は気にも止めていなかったのに、さらに言えばそういう大きな有名イベントは人が多くて行かないことが多いのに、たまたま今日やっていて近くまで来ながら参加できないみたいな。
 
 このヘコみ具合が体調を良くするわけもなく、もうふらふらになりながらスーパーを出ていきましてね。
 車に戻ってシートに倒れ込んだあたりで、ふっと気がついたんです。
 
 すぐ近くに大きな土産物屋があったなと。
 そこは確か郷土料理かどうか忘れたけど、何か食べ物を売ってたよなと。
 
 あるんじゃね?
 芋煮、あるんじゃね?
 
 藁にもすがるとはこのことかという感じで行ったのが、庄内観光物産館です。
 
 庄内観光物産館 ふるさと本舗 スマートフォンサイト
 http://www.shoko-corpo.jp/bussan/sp/
 
 
 結論から言いましょう。
 これが芋煮だ!
 
IMONI! IMONI!

 これ、たまたま今日まで普段はやってない芋煮の販売を、屋外の特設テントみたいなところでやっていたんです。
 しかも、もうちょっとでお終いというタイミング。
 芋煮の神は、芋煮ゴッドは私を見捨ててはいませんでした。
 
 渡された芋煮が入っているのはそんなに大きな器でもなく、一杯300円とお安いわけでもないのですが、売り子さんが色んな種類の具を入れようという感じで残り少なくなった芋煮の鍋をすくってくれてね。
 
 風がビュービュー吹いてる中、屋外にあるベンチに腰掛けて食べた芋煮は、美味しかったという他に言葉はありません。
 しかも、芋煮には偏頭痛を治める成分が含まれているんじゃないかと思うくらい、若干痛みが緩和されるというオマケ付き。温かいものを口に入れたのが良かったのかもしれませんね。
 
 ようやく色々と落ち着きまして冷静に考えると、閉店時間も迫っているし、お土産物を買ったりするのは嵐が去って連休中の人だかりも落ち着いた頃にしようと思い、芋煮神殿、いや庄内観光物産館を後にしました。
 

台風前夜

 雨が次第に風に混じってきて、強くも長くも降ってこないのですがいよいよもって嵐の気配です。
 
 いくら敷地内にスーパーがあるとはいえ、外を歩くのも億劫なくらいには荒れるでしょうし、食料品を多めに仕入れてガソリンも入れ、例の道の駅へ早めに戻りました。
 
 昨日は停める場所にも苦労する感じでしたから、早めに良い位置を確保したいという目論見もあったのですが、さすがにこの嵐の中を車中泊しようという人はごくわずかと見えて、昨日ほど混み合う気配もなさそうです。
 
 雨が窓を強く叩く中、ちょっとした食べ物とちょっとしたお酒をいただきながら、音楽やラジオに耳を傾ける夜も悪くはありません。

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