山形初秋旅 温泉と玉こんが似合う秋

2017年10月2日月曜日

#山形初秋旅(台風編) #日帰り温泉 #旅

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 山形編の最後のエントリーです。前回はこちら。
 
 山形初秋旅 台風にも負けない鶴岡公園のヤマタノオロチ - Time goes around

鶴岡公園をあちこち歩いて周りました。
 歩き疲れたってのもありますし、昨日は台風なんかでバタバタしててお風呂に入らなかったので、じゃあ温泉へ行こうということになるのは、自然な流れでしょう。

 

道の駅の温泉へ

 ホントか嘘かわかりませんけど、だいぶ昔に山形出身の人に聞いたのは、山形県はあちこちに名湯があるから健康ランドとかスーパー銭湯ってのは少ないよと。
 お風呂に行くというと、有名どころの温泉に行くことを指すんだと。
 
 確かにひと昔前は、ちょっと調べても、いわゆるスーパー銭湯っぽいところは少なかったような気がしました。
 前回書いたように台風をやり過ごす間、やることもなく色々とネットを見ていたんですが、最近そういった施設ができたのかそれともサイトが整備されたのか、私的に良さげな温泉施設が幾つかヒットしたのです。
 
 私の場合、有名な温泉地というのには特に惹かれるものがなく、逆に敬遠気味ですから、気軽に入れる温泉施設が増えてくれるのは有り難い限りです。
 
 
 行きたい温泉施設を幾つか候補に挙げていたのですが、今回お邪魔している道の駅 いろり火の里にも温泉施設があり、他の候補を差し置いてとりあえずそちらに行こうと思っていたのです。
 
 それが、なの花温泉 田田 です。
 http://www.iroribinosato.info/denden.html
 
 朝の6時から夜22時まで営業しています。早朝営業は旅人には嬉しいものです。
 

 早速入店します。
 入り口で靴を鍵付きロッカーに預けて、券売機で入浴券を購入。大人430円 貸タオルセット220円(2018年当時)と、比較的安価なのも素晴らしいですね。

 また基本的に年中無休で、メンテナンスなどがあっても全日休業するわけではなく、夕方から営業再開するとのことです。
 
 玄関先には大きな囲炉裏がありました。冬場になると火が入ったりするんですかね。
 

 受付脇の売店やその奥の貸し部屋を眺めつつ、お風呂場のある通路を進みます。
 浴室は男女入れ替え制。今回は石風呂のほうに入りました。

 さて、どんなもんかと脱衣所へ入ってみます。
 ロッカーはコイン返却式で10円玉が必要。
 あれ、さっき券売機で小銭を使った時に確か10円玉は残ってなかったようなと、財布をガサゴソとやると思った通りです。
 
 受付の方に引き返して両替をお願いすることにします。すると、帰りに返してくださいと受付で10円を貸してくれました。結構珍しいというかおおらかで、なんかいいですよねこういうの。
 
 有り難くお借りして、あらためて脱衣所へ。
 あちこち年季が入っていますが、手入れは行き届いている感じがします。
 
 お風呂場へ。
 洗い場は仕切りなしで、大きく分けて二つのゾーンに別れています。シャンプーとボディソープ完備ですから、手ぶらで来ても大丈夫。
 
 サウナの他にはジェットバス付きの大きな浴槽と、高濃度湯というひと回り小さな浴槽があります。
 壁面は外側がガラス張りで、小奇麗な中庭が見えて開放感がありました。
 
 高濃度湯というのがどういうものか掲示がなかったような気がしますが、お湯に長時間浸からず5分ほどであがること、みたいな案内は書いてありました。
 
 入ってみると少し熱めのお湯。私はこういう違いがわからない人間でして、高濃度感については猫に小判的な感じのまま5分位であがります。
 
 もちろん温まりは良くて、内湯でもゆっくり身体をお湯に沈めていると、鶴岡公園を雨に降られつつ歩き回った疲れが引っこ抜かれるように消えていくのがわかります。
 
 その高濃度湯の浴槽からは、外へ出る通路とその向こうに小さな建物が見えます。
 そこが露天風呂かなと思ったのですが、意外なことにそうではなく、プールサイドにある感じの樹脂製のロングシートの椅子が並んでいて、そこで休憩するだけの小屋のよう。
 ここに露天風呂があれば良さそうなのになという感じで、施設としてはちょっともったいない造りに見えました。
 
 もったいないといえば、内湯のある建物もレイアウトがゆったりしているというか、無駄な感じがあるというか。
 浴槽や洗い場の配置なんかが、最近できたような施設に比べるとちょっと大雑把な気がしました。
 
 洗い場の一箇所の裏手はポッカリと広くなっていて、個人で持参したお風呂セット置き場があるものの空き地になっていますし、入り口脇にかけ湯とシャワーがあるのですがここも妙に空いています。
 わざとなのかもしれませんが、気なる配置でした。
 
 とにもかくにも、人もそれほど多くなく落ち着いていられますし、身体を伸ばして温泉に入っているとなんだかホッとしましてね。
 風呂上がりにちゃんと10円玉を返却して、囲炉裏のそばでしばし休憩してから温泉を後にしました。
 
 
 嵐が過ぎるまでの昼の間は、非常食代わりのお菓子を暇に任せてポリポリとやっていたせいか、あれだけ歩いてもそれほど空腹感はありません。
 この日も適当にスーパーラコスで晩御飯を買って、そのまま道の駅で寝てしまいました。
 

平日に旅を続ける

 
 明くる日。
 世間的には連休明けですが、あたくしなんとお休みをいただいておりましてね。ええええ。

 この優越感。ね?

 なにせ、ちょっと寝坊したもんね。風で起こされなかったし。頭も痛くないし。
 平日に旅ができるのは本当に楽しすぎます。
 
 とはいえ明日からはお仕事ですし、残念ながら山形県から離れなくてはなりません。
 山形県といっても鶴岡市と三島町しか行っていませんから、どこか違う街に寄っていこうと思い立ちます。
 昨日の台風の最中、暇潰しに山形情報をあれこれと仕入れていますから行き先の候補には困らないのですが、あまり遠くへはいけないしなと、しばし考えてみます。
 
 結果、隣の酒田市まで行って、ネットで見た海鮮丼でも食べてこようとなり、お世話になった三島町を出発します。
 と、その前に朝風呂でしょうと田田に立ち寄ることに決定。朝からゆっくりとお湯に浸かって、特に蓄積していない疲れも取っちゃいました。
 
 
 「港町酒田で海鮮丼を食べてみた」的な、それはもうビックリするくらいセンス抜群でちょーカッコいいブログのタイトルどうよとか、くだらない事を考えつつ、酒田市に到着。
 
 そのまま真っ直ぐに、目的地の最上川河口にあるみなと市場へ向かいます。



ぶんぶんされる

 平日だし連休も終わったし、もしかしたら空いてるんじゃないのと思っていたんですが、駐車場からして停める場所も残り僅かの混雑具合。
 ああ、やっっちゃったかな・・・
 
 三島町と酒田市はすぐ隣なので、移動に時間はかかっていないのですが、寝坊したこととお風呂に入ったこともあって、時間帯はちょうどお昼になっちゃいまして。
 時間帯を外したほうが良かったかな、などと早くも後悔し始めます。
 
 でもせっかく来たしと、空いているスペースに車を入れて、ネットで見たお店はどこかなぁと、テクテクと歩き出した矢先でした。

 
 「おにいさーん! おかえりー! しじみ汁あるよー!」
 

 あの、これ一応太字にしましたけどね、多分字面じゃ伝わらないと思うんです。
 満車状態とはいえかなり広い駐車場で、しかも駐車できる場所を探している車や観光客がいてざわついているなか、キーン! っと耳に刺さる感じのボリュームだと思ってください。
 
 どうもその、私がこれから行こうとしている建物の入り口でね。

 満面の笑顔。
 エプロン。
 手をぶんぶん振っている。

 えーと、いいかたを気をつけないといけないですね。ドラえもんっぽい雰囲気のおねえさんがいるんです。
 
 おそらく、おそらくですが私に向かってぶんぶんしているようなのです。
 
 お客さんを呼ぼうとしてるんだろうけど、逆に行きにくくなってるよねって感じの。
 
 ほらあの、捕獲系ですよ捕獲系。近づいてきたらパクーっていう。
 
 あの、なんでしょうね。私の性格が良くないんだと思うんですけど、遠くから大声、満面の笑み、エプロン、手をぶんぶんしてる人がいたら普通避けますよね。
 お、なになに? って感じで寄っていかないでしょうよ。
 
 これはスルーです。スルー。振り返っちゃダメ。
 
 
 というわけで別の入り口から建物に入りますと、中は横長の建物に色々なテナントが入っている感じ。
 お目当ての食堂にはさっきのおねえさんは居ないようで、よくわからない安心感に包まれるも、食堂の残席はもうわずかです。
 
 これも個人的に超珍しいのですが、店の前を二回ぐらい行き来してから諦めて相席も辞さない覚悟で入店。中トロ丼の大盛りを注文しました。
 

 先に言っておきますが、中トロ丼は美味しかったんですよ。さっきの件もそうですが、ざわついていて落ち着かない時間帯に来た私が悪いのです。
 
 周りを見ると舟盛りみたいなのや、ドライアイスの演出付きの大きな丼らしきものをスマホでパシャパシャやりつつ食べてたりして盛り上がっている中、なんで大盛りにしたんだろうと心の底から後悔しつつ、とにかく急いで完食してお店を出て、その勢いで酒田市も後にしました。
 

たまこん

 なんでしょうねぇ・・・
 こういう感じになるのは、予想できたはずなんですよ。
 だから行かなきゃいいんです。混雑とか観光客が多い場所とか、いたたまれなくなっちゃう人なんですから。
 こういう気分になるから、ひとりで旅してるっていう面もあるんですから。
 
 
 旅の最終日に、誰が悪いわけでもないけどものすごくヘコむ感じの、ちょっと変な空気になりながら適当に車を走らせていたんですがね。
 そういえば土産を買ってないなと思い出しまして。
 お土産関係ならと、また鶴岡市へ向かってハンドルを切ります。
 
 以前書いた、観光物産館へやってきました。
 こちらはいつでも混んでいるのですが、さすがにこの前芋煮を食べた日ほどじゃありません。
 

 入り口で、いかがですかという静か目のトーンの声がして、見ると山形名物の玉こんにゃくを売っていました。
 ちょうどいいサイズ感の声掛けに、妙に安心しましてね。なんでかは察して下さい。

 そういえば今回はまだ玉こんにゃくを食べてないなというのも手伝って、じゃあひとつくださいとなったのです。
  

 辛子をつけますか? つけます、みたいなやり取りをして、そのまま代金を払って玉こんにゃくを受け取ります。
 
 もしかして、今回山形に来て一番美味しかったものかもしれません。あ、でも芋煮も美味かったか。スーパーの惣菜も美味かったな。でもこの玉こんにゃくも相当美味かったんです。

 土産も手に入れて、玉こんにゃくも美味しかったし、今回も色々あったけど、これはこれでよかったななんて思えてきました。


 

 帰り道では稲刈りを始めている田んぼを見つけましてね。初秋の山形にも実りの秋が訪れたんだなと、夕陽に揺れる稲穂を眺めつつそんなことを思ったものです。

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