冬の車中泊を快適に 災害対策も兼ねて車中泊を考える

2018年1月14日日曜日

#雑記 #車中泊 #旅

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 寒波で雪害などが発生する季節になってきました。大雪で移動もままならず、車の中で一夜を明かさざるを得ない、なんてことに遭遇するかもしれません。
 そういう時に備えて、車中泊の装備を車に積んでおくと、いざという時に役に立つことがあるかもしれないよというお話。
車中泊に適したシーズン

 車中泊を前提とした旅をする事があります。
 ホテル泊やネットカフェなどの利用も多いのですが、このブログでもあちこちで書いているように偶発的な旅をするので、車で一夜を明かす事もままあるのが現状です。
 
 季節でいうと冬季の車中泊はちゃんと準備さえすれば、夏季に比べれば快適に過ごすことができます。
 冬でしか味わえない、独特の景色に出会えるのも冬季の旅の楽しみのひとつですかね。



 そういった自発的な車中泊とは別に、冒頭にも書いたように災害など何らかの影響によって、車で長時間過ごさなくてはならない事態。これって、ないとは限りません。
 もちろん車中泊を前提とするのと、災害などで緊急回避的に車中泊するのでは大きな違いがあります。ですが、冬期の車中泊について考えてみると、緊急時にも役に立つんじゃないかなと思うのです。
 

冬に車中泊がしやすい理由


 まず前提として、先にちょっと触れましたが、夏と冬なら冬のほうが車中泊がしやすい季節だといえます。
 基本的に、暑さを凌ぐよりも寒さ対策のほうが安価で容易、というのが理由です。

 衣服は重ね着できますし、毛布やブランケットや寝袋などで、さらに体を包むことも可能です。脱ぐことには限界がありますが、それに比べて着込むことは制限がはるかに緩いわけですからね。

 また、使い捨てカイロの存在も大きいでしょう。
 夏場なら同様のアイテムは保冷剤ということになると思いますが、値段や持続力、入手のしやすさなど、使い捨てカイロの方が圧倒的に優秀です。


車を停める場所が重要


 車中泊をする場合、個人的にもっとも大切なポイントだと思っているのが、「どこに車を停めるか」ということ。これですね。

 速く遠くまで行けて好きな時に停められるのが、車という移動手段のいいところですが、一泊しようと思ったら、どこにでも停めていいわけではありません。

 車中泊をしても問題ない場所であるのは当然として、トイレの有無や人通りの多さ、いざという時に移動が可能か、安全性など、場所選びは非常に重要な問題です。これは夏でも冬でも変わりません。
 
 加えて、冬期間は降雪に注意が必要です。
 駐車中に雪が降り積もってしまうと、脱出が困難になるケースがあります。
 道の駅などの駐車場に停める場合は、深夜〜早朝に除雪が入ることを覚えておいたほうがいいでしょう。地域によっては降雪量が多い日は深夜でも定期的に除雪が入るところもあります。

 駐車した場所によっては除雪作業の邪魔になりますし、取り残されてしまう可能性もあります。
 除雪作業は非常に大変なものです。いちいち車内に人がいるか、いたら声をかけてくれるなんてことはまずありません。ざっくり雪を片付けたら次の場所に移動することもあるのです。

 ですから、雪で埋もれても基本的に自力で脱出しなくてはならないと思ったほうがいいですね。


 基本的に駐車中はエンジンを止めておくべきです。マナーの問題もありますが、冬期は命の危険もあるのです。
 うっかりエンジンをかけている最中に眠ってしまい、そのまま雪に埋もれると排気ガスによる事故も起きかねません。
 
 実体験として、こういう事もありました。
 
 車中泊中に一晩で雪に埋もれた日のこと - Time goes around


 JAFのサイトで排気ガスでの事故について解説がありました。
 
雪で埋まった場合の一酸化炭素中毒の危険性とは?|JAFクルマ何でも質問箱 http://qa.jaf.or.jp/trouble/prevent/14.htm


 こういう事もありますから、駐車する時に、除雪でできた雪の山や外壁などに対してバックでギリギリで停めず、排気口周りを除雪できるスペースを確保しておくのがベストだと思います。
 スタックして動けなくなることも想定されるので、前進後退のどちらにも動けるようにスペースを空けておくという意味もあり、駐車する位置にはちょっと気を配った方がいいですね。
 
 また、積雪が予想される場合はアラームなどで深夜に一度起きて、寒くてもいきなりエンジンをかけず、まず車外の様子を確認した方がいいと思います。
 場合によっては、その場所を離れるほうが安全かもしれませんから。
 
 このように駐車する場所が結構重要なのです。
 そして、それが可能であるなら、危険な地域には行かない事や、危ないなと思ったら移動する事も大切です。

車中泊を快適にするアイテム


 冬の車中泊での装備ですが、まずは暖かくして過ごす方法ですよね。基本は駐車している最中はエンジンは止めておくので、車のヒーターは使いません。
 そうなると手っ取り早いのは重ね着です。もっこもこです。もっこもこ。
 
 寝袋や衣服の重ね着ができるだけでも、かなり違うものです。
 寝袋は高価な物でなくても、2重にすることでかなり暖かく過ごせます。
 個人的には封筒型が好みですが、頭部が冷えますからフード付きのパーカーを着てフードを被り、ニットキャップやネックウォーマーで守っています。
 毛布などでも代用できますが、全身を包むようにするのがコツなので、敷く用と掛ける用の2枚準備するか、大きめなものがあったほうがいいですね。

 着衣では、上下とも普段着を重ね着します。できればワンサイズ大きめのジャージやスウェットがあると、重ね着しても比較的寝やすいんじゃないでしょうか。
 私は汗っかきなのでヒートテックなどの衣類は持っていません。逆に暑くなるのが苦手なので、重ね着でも充分です。
 また、身体の末端が冷えると寝にくくなりますから、靴下の重ね着もおすすめです。
 
 使い捨てカイロは、温める位置で効果を感じやすくなります。
 腰と、首の裏から肩甲骨の間にカイロが当たるようにするのが、経験上一番いい気がします。冷気は車のシートの下から上がってくるため、背面を暖められるとだいぶ違います。

 車中泊といっても、専用に揃える物は少なく、毛布や服など家庭にある物を積んでおくだけで、何とかなるものです。

 専用のモノとしては、窓ガラスに目張りができると車中泊のプライバシーを守るのにも役立ちますし、結露防止や保温性も多少は期待できます。最近は100円ショップ等でもサンシェードが売っていますよね。
 また、結露は窓を閉め切っているとどうしても発生するので、マイクロファイバーのタオルなんかがあると便利です。

 雪の降る地域では、雪を下ろすスノーブラシは必須ですが、他にも融雪剤、除雪用のスコップなどを車に乗せておくと凍結やスタックなどのトラブルに対応できます。

お湯がほしいけど・・・


 お湯が手に入ると、冬の車中泊は格段に過ごしやすくなります。
 寒い朝に飲む温かいコーヒーや紅茶。
 目の前は銀世界。
 これは冬の車中泊やキャンプならではの風情ってやつじゃないですか。もっとも最近は、もっぱらコンビニコーヒーのお世話になる事が多いのですが。


 もちろん、車の中では火気の使用は控えたほうがいいでしょう。
 引火やガス等での中毒の危険もそうですが、火が起きていると外から見た際に目立つものです。こちらは安全に留意していても、あらぬ誤解をされて通報、などということになると厄介ですから。

 災害時の車中泊という視点でもこの記事を書いていますので、あくまで個人的な意見としてですが、カセットコンロが最強だと思っています。本体、燃料ともに入手がしやすい事もポイントです。災害時にもあると強い物のひとつです。
 気温が下がると火力が弱くなったり点火しにくくなる欠点もありますが、使い捨てカイロでカセットボンベを少しあたためてから使うと多少はよくなります。

 シガーソケットから電源を取れる湯沸かしポットも市販されています。一時期使ってみたこともありました。
 最新の機器はどうなのかわかりませんが、お湯が湧くまでに時間がかかるイメージがあるのと、バッテリーへの負担も気になるので使い勝手はどうなんでしょうか。
 煮沸しなくてもある程度の温度にできれば、ペットボトルに入れて湯たんぽ代わりにするような使い方もできますし、何より直接火気を使わないのがメリットですよね。

 また、24時間利用できるところは限られていますが、スーパーなどでお湯が利用できる場合もあり、そこで買ったカップ麺などに使っていいというお店もあります。
 
 お湯さえ手に入れば、温かい飲み物、カップラーメンといった選択肢が出てきます。食料のバリエーションが一気に増えるので、装備を整えて計画的に車中泊をするなら検討したいですね。


シートアレンジ


 冬場に限りませんが車中泊する前提であれば、そういった視点で車選びをすることになります。
 ですが、災害などでとりあえず車で過ごさざるを得ない場合は、車内に寝るだけのスペースを確保できない場合もあるでしょう。
 
 そういった場合は、眠れない事で体力を奪われる辛さの問題もあるのですが、さらにエコノミークラス症候群に注意が必要です。
 
 厚労省のサイトです。

深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防について |厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121802.html

 リンク先でダウンロードできるPDFにも書いてありますが、長時間同じ姿勢でいないようにし、足を動かすこと、また水分補給をこまめに行う事が必要です。
 
 寝る事ができない車内でも、運転席ではなく助手席にいたほうが足元が広く、仮眠中に知らずにペダルを踏んでしまう事もありません。
 後部座席など、足が伸ばせる位置に移動するのもいいと思います。
 
 毛布などが余分にあれば、シートを倒した状態でできる段差を埋め合わせるのに利用できます。
 シートを動かしてなんとかスペースを確保しても、段差があると身体を伸ばす事が難しく、ゆっくり休む事ができません。

このわずか10センチの段差がデカい

 車中泊前提で旅をするなら睡眠による休息は不可欠ですし、そうでなくてもいざというときのために、事前にシートアレンジをしてみるといいかもしれませんね。


 冬の車中泊について書いてみました。
 好きこのんで冬場に車で寝ちゃおうというのは、あまり一般的な考え方ではないでしょう。
 ですが、そういう事をしなくても、災害時の備えとして考えてみるのもアリかなと思います。
 
 自分の話をすれば、勝手気ままな旅をする以上、車中泊というのは避けては通れません。
 冬場の旅はなにかと移動に気を使いますし、他の季節に比べてストレスも多くなりますが、そんな気苦労が吹っ飛ぶような冬にしか体験できない情景に出会えるのも、冬旅の魅力です。

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