酔い止め薬 アネロン ニスキャップで冬の日本海を越える旅

2018年2月4日日曜日

#グッズ #レビュー #旅

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 乗り物酔いをしてしまう人、そうでもない人がいますよね。
 私の場合は、子供の頃は車酔いしましたが、大人になって自動車を運転するようになったら乗り物酔いは治まりました。
 そんな中、この真冬の日本海を航行する船に乗らなくてはならなくなったものですから、さあ大変。
 そこで、生まれて初めて酔い止めを服用したというお話。相変わらずドタバタです。

乗り物酔いは克服したのか


 子供の頃の乗り物酔いも、不思議な事に自動車にのみ酔うだけでバスや電車などの他の乗り物は大丈夫だったような気がします。
 なにぶん古い話なのでハッキリ覚えちゃおりませんが、今ではほぼ大丈夫です。ただし、ごくまれに新幹線で、乗り物酔いの前触れっぽいちょっと変な汗が出る時はあるんですよね…

 あとは今流行のVRや、3D的な動きのあるゲームはダメですね。人のプレイを見ていても気持ち悪くなることがあります。
 元々立ちくらみをしやすい体質らしく、お医者さんに三半規管の機能が弱い可能性があるなどと言われたこともあって、たまにしか乗らないような船や飛行機に乗るのはどこか不安があるんですよね。

大寒波による最悪な道路事情


 新潟県新潟市と離島である佐渡市間を航行するカーフェリーに乗る事が決まったのは、金曜日の事。よんどころない事情により、急遽決まった感じですかね。

 その週は、今季最強クラスの寒波が日本列島に襲来中でした。どこもかしこも雪、雪。

 金曜日にはピークを越えるとの予報でしたが、なんのなんの。連日の大雪で除雪も間に合っていないところに、気温は上がらず積雪が凍りついて、その上にさらに雪が降ってくる状況ですから、道路はデコボコだらけです。
 
 道の悪さに積雪で車線が減っているのも手伝って、普段空いている道も軒並み渋滞中とあっては、ちょっとした買い物に出掛けたが最後、到底目的地に辿り着けないような状態でした。
 
 必要な物を買いだしてから、佐渡へと渡る船が出る新潟市へ行こうと考えていたのですが、逃れようのない渋滞と、圧雪と氷のサンドイッチでできた悪路だらけで、さすがに嫌気が差してきましてね。

 聞くところによると新潟市の方は、道路の雪はほとんどないそう。
 となれば、今いる辺りよりは数段マシっぽいわけで、ここはもう買い出しは後にして新潟市方面に移動するしかなさそうです。
 

アネロン ニスキャップ


 移動の前に、さすがに手ぶらで日本海を渡航するのは無鉄砲だろうということになり、現在地から一番近くのドラッグストア酔い止めの薬を買い求めることにして、ネットで良さそうな薬の情報を探します。
 
 その結果、タイトルにもあるとおり、エスエス製薬のアネロン ニスキャップという薬が良さそうに思えました。
 
 同社の乗り物酔いについて書かれたページです。
 
乗り物酔い|症状・疾患を知ろう【エスエス製薬】https://www.ssp.co.jp/condition/motionsickness/

 また、このページも参考にしました。
 
長距離ドライブや船酔いに!酔い止め薬の正しい使い方|【ココカラクラブ】ドラッグストアのココカラファインhttp://www.cocokarafine.co.jp/f/dsf_howto201309003706

 乗り物酔いで発生する嘔吐はヒスタミンが脳から放出される事で起こるそうで、アネロンには抗ヒスタミン作用のある成分が入っているそうです。
 また揺れや加速での自律神経の乱れでの嘔吐感を和らげたり、胃粘膜への麻酔作用のある成分が入っていて、乗り物酔いで起こる嘔吐感に効きそうな感じがします。
 
 昔から乗り物酔いは、心理的な部分も大きいのではないかと思っていました。
 酔わないという思い込みもその一端ですが、眠る事ができるか、音楽やラジオなどで気が紛れるかどうかなんてのも、心理的な余裕があってこそ。

 ですから、「酔い止め飲んだもんねー」という事実は心の支えとして強いはずです。

アネロンニスキャップ

 ドラッグストアでアネロンを探してみると、内容量が違ういくつかのパッケージがありました。もっとも少数のものは3個入りから買えるようです。
 少量から買えるのはいいですね。今回は船で約二時間半の航海を一往復しますから、2錠あれば足りるはずなので、あまり大量に買っちゃうと使い切れません。
 そんなわけで3個入りを購入。600円程度で買えました。

雪国の冬の大変さ


 その後、ガリガリデコボコの国道を一路新潟市に向かって北上。
 そのまましばらく走っていると、徐々にきれいに除雪されたデコボコのない白い道になり、やがてはアスファルトが顔を出し始めます。
 外気温は氷点下ですから油断は禁物ですが、デコボコの道を運転するよりは多少はマシになったことで、多少は運転の緊張が緩和されました。こっちに来て正解かな。
 
 除雪でできた道路脇の雪の壁も、車高ほどの高さだったのが北へ進むにつれて低くなり、あらためて雪国の冬の大変さと、それでもそこに住んでいる人達のパワーに驚かされます。
 
 どうにか新潟市に辿り着いたのが、23時を回った頃だと記憶しています。スーパー銭湯がやっていれば立ち寄りたかったのですが、間に合いませんでした。

 こうなったら、明日は朝イチ6時に出港するカーフェリーに乗る都合もあるので、ちょっとしたアテを使って駅近くに宿と駐車場を確保。ここまでずっとバタバタしてましたから、ようやくひと息つける事になりました。

バックドロップ炸裂


 明くる日。午前5時。
 長くなるので細かい事は端折りますが、ほとんど寝てない事だけは書いておいた方がいいですよね。
 ちょっとだけとYou Tubeを見ていて、ハッと気がついたら3時半で、そこからウトウトっとしたら5時だったとかも書いた方がいいですよね。ええええ。
 
 サクッと身支度を終え、いざチェックアウト。
 タクシーを呼ぶという手もあったものの、おそらくこの時間にこの天気ではタクシーが来るまでに時間が掛かるであろうという想像できます。
 そうなると歩いた方が結果的に早いんじゃないか、徒歩でも出港時間にはギリ間に合うだろうと言う事で、歩いて佐渡汽船へ向かうことにします。
 
 佐渡汽船は信濃川河口にあるのですが、近づいていくと思ったよりも雪が少なく、そして思ったより風が強いなという感じです。
 積雪自体は確かに大した事はないのですが、この風で道路も歩道もギラッギラのテッカテカのツルッツル。見渡す限りのスケートリンクになっています。
 
 道路脇に設置されている電光掲示板を見ると、気温マイナス3℃だって。誰だよ、こんな中歩くって決めたの。
 
 今日は手荷物が多いので相当慎重に歩いているのですが、朝イチの船の出港時間が6時ちょうどという、結構ギリギリなこともありまして。若干気の焦りは隠せないわけです。
 そうは言っても、マジもんのスケートリンクを歩いて渡れって状態ですから、急ぐったって限界がありますけど、みたいなこともあり。

 双方の事情の真ん中で慌てたり落ち着いたりしながらも、もう淡々と歩き続けるしかありません。
 
 ですが。
 ついにというか、それが突然にやってきたわけです。
 
 右足を踏み込んだら、前ではなくなぜか右方向にズルーっと持っていかれ、左足の踏ん張りも効かないまま、若干バックドロップ気味に横転してしまいました。
 
 ビニール袋に入れていた左手の荷物は散乱し、分厚い雪が凍りついた道路の真ん中で転ぶという。
 まだ真っ暗な5時半というね。
 
 ああ、目の前に道路があるって不思議だなぁ。
 
 圧雪の上に氷が張っているとちょっと透明感があって不思議な色になるんだなぁ。
 
 強打してしまった、最近調子の悪い左腕が猛烈にビリビリ痺れ、腰もしたたかに打っていますし、左足はひねってるしで、あちこちがだんだんと痛くなってきて現実に引き戻されます。
 不思議だなぁ、じゃないから。道路の真ん中だから。轢かれるから。ね?
 
 じんわりと全身に行き渡り始めた鈍痛に堪えつつもどうにか起き上がって、とっ散らかった荷物をまとめると、コントに出てくる老いぼれ爺さんのような歩き方でその場を離れます。冷たい唇は痛い以外の言葉を発しません。
 

痛む身体を引きずって歩く


 そうそう、船に乗る30分前にアネロンを飲んでおく必要があります。酔い始めてから飲んでも効果はあるそうですが、事前に予防として服用しておくほうがいいでしょう。この風では間違いなく時化でしょうし。
 
 歩きながら、痛む手を使って転んだ拍子に若干箱の潰れたアネロンを取り出して飲むってのは、結構辛い作業でした。個包装自体もカプセルにピッタリくっつくような感じになっているせいもあり、飲むまでにひと苦労。
 もちろん落ち着いた環境であれば何の問題もないはずです。今回はちょっと特殊すぎます。
 
 身体を引きずるようにして、何とか佐渡汽船ターミナルまで到着。途中から連絡通路になっていて、凍っていない道を通れるのはありがたかったですね。
 
 すでに改札が始まっている中、片道2,250円の2等切符を購入。
 乗船したのは「ときわ丸」という船。前回もこの船だったかもしれません。
 ゆったりとした造りでの船内は、ブラウンを基調にした落ち着いた雰囲気。早朝の船ということで船内の食堂はまだやっていませんし、どのみち胃の中に何か入れるのはよろしくないでしょう。
 どのみち身体が痛くて、何か食べるといった状態じゃないんですけども。

 しばらく荒天で欠航が続いていたと聞いていますから混み合っているかと思いきや、お客さんはまばら。遅めに乗船したにもかかわらず、横になれるスペースを確保できました。助かった…
 
ときわ丸のロビー
ときわ丸のロビー

船内のポスター
船内に掲示してあったポスター

酔わないための知恵を総動員


 出港後、しばらくはスマホを見たりしていたのですが、おそらく港内を出たあたりから波が船体にぶつかる重い音がして、寝転がっている床面がふわーっと片側から持ち上がってはゆっくり沈んでの繰り返しが始まります。
 
 こうなったらもう寝るしかありませんから、せめてもの抵抗で耳栓を装着し、まぶたの上あたりにタオルをかけて明かりを感じにくくして、三半規管をできるだけ遮断しにかかります。

 ほとんど寝てない事もあり、転んだダメージで横になりたかった事と、もともと寝付きがいいのも幸いしたんでしょう。
 何より例のアネロンが効いているのか「酔い止め飲んだもんねー」の魔法が効いているのか、意外と大丈夫だなと思えてきて、いつの間にかそのまま寝入ってしまいました。
 
 途中一度だけ目覚めたものの、新潟〜佐渡間の2時間半の航行はどうにか乗り切りました。
 おそらく生まれて初めて酔い止めを飲んだと思いますが、波の高さが当時5メートルとのことでしたから、結構な時化の中でも船酔いせずに済んだのはかなりすごい事じゃないでしょうか。
 

雪でとんぼ返りせざるを得ない


 だいぶ長々と、主に寄り道ばかり書いているのでちょっと端折りますが、佐渡島内も「滅多にないくらい降った」という雪のせいで道路状況も悪く、野暮用を足す以外にほとんど出歩く事ができませんでね。
 特に書くネタもないまま、帰路に着く事になったのです。
 
 帰りは「あかね丸」という、ちょっと変わった船。双胴船のような感じで真ん中に車両を乗せるスペースがあり、カーフェリーにしてはスピードが出るんだそうです。
 行きに乗ったときわ丸は2時間半かかりましたが、このあかね丸は2時間で着くとのこと。

 いくら酔い止めがあるとはいえ、早く着くには越したことはありませんから最初は喜んでいたんですが、どうも聞くところによると、かなり揺れるらしいのです。マジで?
 
あかね丸の船内
あかね丸に乗り込むとすぐにある車両格納エリア

 いざ客室に入ると、新幹線の座席のような椅子が、新幹線の倍くらいのスペースに並んでいます。行きと同じく2等席にしたのですが、乗務員さんに聞いたところ2等は席の指定はないので空いているところに座っていいそう。
 
 酔いにくそうな中央付近の席に陣取ってから周りを見渡しますが、やはり冬の日本海を渡ろうという人は少ないようで、他のお客さんもチラホラとしか見かけないまま、佐渡両津港を離れていきます。
 
 えーと、揺れます。
 若干時化ていると船内放送が流れていたのですが、椅子席に座っている事もあり、揺れ方はときわ丸よりも大きく感じました。
 周囲に誰もいませんからシートを倒して足を伸ばし、極力ラクな体勢のままでいたのですが、行きと違って眠くはありませんし、どうしても姿勢が起きているぶんだけ、揺れを感じやすいんですよね。
 
 もちろんアネロンは服用していましたが、ここまで条件が悪いと効き目を上回ってしまうのか、乗り物酔い特有の嫌な汗をかき始め、欠伸を連発するようになりました。
 耳栓はしていましたが、天井からの明かりが角度的に視界に入ってしまうのが、かなりキツかったのを思い出します。
 
 それでもちょっとの時間ですが眠る事に成功したこともあり、航行時間の短かさにも助けられてどうにか新潟港に到着しました。
 

お守り代わりに酔い止めを


 乗り物酔いするかもしれないというのは、移動を憂鬱にしますよね。乗り物酔いというのは能動的に避ける事が難しいものです。

 そんな時にアネロンを持っていると、実際の効き目もあるようですし、それを飲むという行為で自分から克服に向かうイメージを持てます。
 少量から販売していることもあり、今度からお守り代わりとしてカバンに忍ばせておく事にしました。

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