前回の記事の続きみたいなことになりますけども。
今乗ってる車がかなり調子が悪いということで、買いかえることになったんです。だからといって、まだまだ落ち着く気配はないんです。
HAIKAIしたい
車ってさ、これくださいって言って、あいよっ! まいどあり! みたいなことに、あんまならないじゃないですか。
威勢のいい旦那さんの売り口上を皮切りに、仕舞いにはええい持ってけドロボー、って感じじゃないじゃん。
札束を出したって、むしろ車をポンと買えるようなお金持ちが買うような車のほうが、ナンバーを取得したり諸々手続きがあって目の前にある車をすぐに乗って帰る、なんてことは無理ですよね。
むしろ車検がまだ残ってる中古車の方が、すぐに乗って帰ることができる可能性が高いというか。
それだって色々やることはあるわけでしょう。
あたしの今度買う車もそんな感じで、納車までまだ日にちがかかるんです。
かといって、今の車は調子が悪い。そうなると代車はありませんかってことになるんですけど、ちょうどこの時期ってエアコンのトラブルが多いじゃないですか。
で、そういうので代車が出払ってて、あるにはあるけど代車の方もエアコンの調子が悪いみたいな状況らしく、結果どうにか応急処置的なことだけやってだましだまし乗るっていうことになってまして。
無論、走行に支障はないんですけど、なんせオンボロな上にやれ北だ西だとここ数年であちこち出かけていったツケが回ってきてるのは間違いなくてですね。
ともかく日常の足として最低限行くべきところにだけ行くことにして、日課の徘徊は控えなきゃってことになってるわけです。
んー…
えーとね。
徘徊が日課ってなっちゃうと、もはや回覧板に載るやつだよね。不審者あらわるって書かれてもおかしくないやつだけどな。地域の防犯メール的なやつで回ってくる感じの。
まあ不審者でしょうよ。今日も夜中のスーパーの駐車場でスイカ食ってたしね。アイスじゃないよ。スイカバーじゃないよ。
いやでも、今日見たオジサンもまあまあだったよ。スーパーのイートインスペースで、そこのスーパーで買ったやつなんだろうから悪いことじゃないんだろうけど、1リットルの牛乳パックをごくごく飲みながらおにぎり食ってたけどね。
そのとりあわせもすごいけど、イートインスペースで飲んでるのがパックの1リットルの牛乳ってすごくない? せめてペットボトルのお茶にしとけって。スーパー銭湯の休憩室だって、せいぜい瓶のちっちゃいやつまでだよ。
![]() |
毎度おなじみ、本文とは一切関係のない花です |
…なんの話してたっけ?
ああ、車か。車だ。
それでその車の調子が悪いとなればさ、平日に泥のように疲れてその謎テンションのまま仕事終わりに夜中まで車でアテもなくウロウロするような、いつものやつはもちろん、休みの日だって暑さも手伝ってどこにも行く気もしないしさ。
仮にその気になったって、運転しててもやっぱり落ち着かないの。すぐにどうこうならないとお墨付きをもらってても、あちこち走るのはやっぱりちょっと控えたいなと思うわけ。万が一ってこともなくはないからさ。
それで、最初はこの7月の三連休中に納車の運びだったんだけど、色々あって連休中は難しいということになり。
まあもう、そんなのしょうがないじゃん。どうしようもないからさ。
だからってこの三日間、いくらエアコンの効いた家だからって、ずーっと膝を抱えてさ、壁に向かって。
「…人類は何故争うのであろう?」
みたいなことを、一人三役くらいで、君と僕とペロリンゲール博士の三役をひとりでやりながらだよ。
まずいだろ?
そりゃまずいだろうよ。目が座ってっから。特にペロリンゲール博士の時に。ペロリンゲール博士あらため、葉加瀬・ペロリンゲールの時に、目が完全に座っちゃってるから。目が正座してっから。
だから、これはもう借りるしかないと。
代車がないなら借りればいいじゃないってことになりまして。
とりあえずネットで、レンタカーを探し始めたんです。
ちょっと特殊な事情につき
レンタカーにお世話になるのは今回初めてってわけでもなくて、過去に何度か利用したことがあるんです。
昔は、とりあえずレンタカー屋さんに電話してみて、希望の日時に車が空いてるか訊くっていう感じでしたけど、今じゃネットで空車検索も予約も支払いもできちゃう世の中ですもんね。
公共交通機関を利用して目的地の最寄りまで行って、そこでレンタカーを借りて目的地へ向かう、みたいなこともやったことがありますし、長期出張だけど社用車が空いてなくてレンタカーを借りるみたいなこともありました。
でも、今回みたいに代車として使おうってのは初めてなんです。なにが違うかというと、家の駐車スペースには今乗ってる車が停まってて、レンタカーを停めるスペースがないってことなんです。
レンタカーって、車がないから借りるっていうパターンが多いじゃないですか。当たり前ですけど。
だから駅の近くにレンタカー屋さんがあることが多くて、電車なりバスなりでそこまで行って車を借りるってことが大半だと思うんですよ。
要は、この三連休にレンタカーでどっかに出かけてしまって家に戻るつもりがないってことなら、借りるのになんの支障もないんです。
でも、仕事絡みやら色々ありまして、泊りがけで出かけるのはちょっと難しい状況でして。
それでも家にずっといるのもちょっと嫌だと。多少なりとも出かけたい。遠出というほどではないけどプチ徘徊くらいはしたい。じゃあレンタカーを借りようかってことなんです。
だから、昼間はレンタカーで出かけてても夜には家に帰ってくる。家の駐車場にはあたしの車が停まってると。そうなると、レンタカーの行き場がないよとなるわけで。
今回のあたしの場合は、車はあるけど諸事情によって車を借りたいっていう、ちょっと特殊なんですよね。
ただ、調べてみると似たようなことがあるのかどうか、レンタカー屋によっては車を預かってくれるところもあるというのがわかりまして。
その中でいくつかの候補の中から、とあるレンタカー店で予約をして、車を借りてきました。
女神さまがくれたもの
候補があると書きましたけど、予想外にレンタカーに空きがあったんですよね。
三連休に車を借りようっていう人がもう少しいるだろうと思ってたんですけど、店舗によっては空車がないところもありつつも探せばいくつも見つかる感じだったんです。
とはいえですよ。
曲がりなりにもこれから納車を控えてるってのに、なんかすごいグレードの高いレンタカーとか借りちゃったらさ。
大した事ないやつとはいえせっかく車が新しくなるっていう、滅多にないイベントごとを目の前にして、それが霞むくらいの高級セダンみたいなの、借りられないじゃん。
もうすぐ誕生日プレゼントにマジンガーZのソフビ人形を買ってもらうって時に、バンダイから出たばかりの超ハイクオリティ完全フル可動グレートマジンガーを友だちが貸してくれた感じっていうか。
交通量調査のバイト代を貯めに貯めて念願のニンテンドースイッチを買いに行く途中で、途中の池で、中から出てきた女神様がスイッチ2の予約引換券をくれるっていうか。
見ていましたよと。あなたが一生懸命、パイプ椅子に座りながら通り過ぎる車をカウントしている姿をそっと見ていましたよと。池の中から。
そんな頑張ってるあなたにスイッチ2をっていう。今ならあなたがその手に握りしめているバイト代全額で、この引換券をお譲りいたしましょう的な。
それはあれだ、女神っていうか転売しそこねた近所のババアだと思うんだ。
でもさ、そりゃスイッチ2があるんなら、2をやるよね。やりたいソフトが2で出てればやるじゃん。1と互換性がありますよって言われても、2持ってれば2でやるよね。
これから車の納車だってのに、もっといい車にレンタカーでも乗っちゃダメじゃん。
昔さ、当時乗ってた軽自動車を車検に出したら代車がBMWだったことがあって。ビビったよね。なんで代車のほうがいい車なんだよっていう。
で。
あんまりいい車を借りるのもどうよと。
あと、今度買う車に近しい車種も、納車の時の新鮮味を損ねる可能性があるなと思って。例えばSUVっていうの? なんかこうアウトドア感のあるやつ、あれを買う直前に同じ系統の車を借りるのも、新鮮味が薄れそうで。
そうなると、毛色の異なる車で空きがあって、なおかつ自分の車で借りに行ってその間自分の車を預かってくれるレンタカー屋さんっていうのが、今回の条件になるんです。
もうひとつ、まあその、こういう話を細かく書いてもしょうがないかもしれないんだけど。
その三連休の前日がちょー忙しい、仕事がかなりギュッとしてる予定になっててね。次の日から始まる連休の朝っぱらからレンタカーを借りに行く元気があるかどうか、っていうのもあって。
レンタカーだって借りる時間が長いほど、日が多いほどお金がかかるわけですよ。その絞り込んだ候補の中でネットで見積もってみると、借りてる時間が数時間違うだけで六千円とか変わってくるのね。
じゃあもうこうしよう。
三連休の初日は午後から借りて、連休三日目の午後に返そう。要は実質まる二日間借りるイメージ。これなら料金的にもそんなにかからないじゃないかと。
だって、これから大枚はたいて車を買おうっていうやつがですよ、なんでその前にレンタカーに何万も払わなきゃならないのって話ですよ。
そりゃこのブログ、今みなさんが読んでいる超人気ブログで得られる収入が2000兆円ありますから。レンタカーくらい借りたっていいんですよ。
レンタカー借りるっていうか、すいませんトヨタくださいっていう。そういうことですよね。トヨタに行って、トヨタのレジに行って、トヨタください! っていう。
ぺいぺいっ! っていう感じで。
…トヨタをペイペイ払いで買うのはダメだろう。人として。人としてダメだって。
だからもー、そんな妄言はもういいの! 話が進まねぇだろうがよ。
床屋ジプシー
それで、じゃあまる二日、48時間プランで車を借りることにしたんだけど、その間で行きたいところがいくつかありまして。
ひとつは今住んでるところからちょっと離れた場所にある理容室。
これがね、そのあんまり理解してもらえないかもしれないんですけど、床屋難民とでも言えばいいんですかね。
むしろ訊きたいんだけど、みんなどうしてるの?
髪を切るところって、どうやって決めてるの?
皆さん、馴染みの床屋とかさ美容室みたいなの、あるんでしょ? それってどうやって自分に合うところを見つけてるの?
もう長いこと、さまよってさまよい果てて、からのここにいるんですけど。そんなのたまたまなんだから。
偶然が重なって流れて流れて、たまたまここにいるんだもん。元々、今いる土地に縁もゆかりも無いわけ。
どうやって床屋を見つければいいのかわからないんです。マジで。
いや、そりゃあね、ネットで調べれば出てきますよ。でもさ、もう100%の確率で、おしゃれにしようとしてくるじゃん。
ネットとかさ、インスタとかやってる理容室とか美容室って、100パーおしゃれにしようとしてくるじゃん。
「デキるオトコの隠れ家的BARBER、東京の一流店で修行したトップスタイリストが貴方のカッコイイを応援します」
だの、
「貴男の理想のヘアスタイルはここにある! マルチな趣味を持つオーナースタイリストと気さくな会話を楽しみながら、新しい自分を発見できます」
だの、
「地域密着店。ニ代目店主がアットホームな空間でご来店をお待ちしています。得意なスタイルは角刈りです。チェーンソーで角刈りです」
だの。
だいたいこうよ。いや、そんなに盛ってないよ、これ。トヨタくださいとか言ってるやつがいうのもなんだけど、だいたいこんなだぜ? チェーンソーはいいすぎたけどさ、ネットのPR文とかそんなだよ。
行ける?
この店に行こうって思える?
あたしなんか、そんな、あれだよ普通のシャツとかを着てるから、かろうじて通報されないんだよ?
無難以外に言いようのない格好してるから見逃してもらえてるんだから。それが、理想の髪型とかないって。チョンマゲとボウズ以外ならなんでもいいんだって。聖子ちゃんカットでも別に通報されなきゃいいんだって。
伸びたから切ってっていうさ。それ以外になーんにもないんだ。このままほっとくとナマハゲそっくりになるから切ってっていう。
だからその、住むところが変わる度に床屋さんを探すんです。おしゃれにしなくていいんです。ツーブロックとか何がいいのかよくわからないんです。モヒカンもです。刈り上げてる女の人とかいるけど、普通にしてた方がおきれいだと思うんです。
あたしが異常なのか。みんな素敵になりたくて床屋に行くものなの?
そうやって、ここならいいんじゃないか、いややっぱ違ったおしゃれの押し売りやだやだ、ここはどうだ、あーいやダメだったをもう延々と繰り返すわけ。
そんな中で、ここならそんなに面倒な目にあわなくて、世間話程度で居心地も悪くはないっていう床屋さんを、家からはまあまあ離れてるけどようやく見つけたんです。
そこへ行きたい。
あと、これも家から何十キロも離れてるけど、いつもお願いしてるマッサージの先生以外ですごい上手な方に出会って、そこにももう一回行ってみたい。
…あれちょっと、冷静に考えたらすげー散財してね? これから車を買うってのに、え?
あれどういうこと、え、や、ええ?
さまよった挙げ句
で。
その床屋さんとマッサージのお店の二軒とも家からは遠いので、車を借りてるうちに行きたいんだけど、予約できる日が三連休の最終日しかないということがわかり。
つまり、車を返す日に遠方の床屋に行って、さらにマッサージを受けるという感じで、スケジュール的にあんまり余裕がない。ないというより、車を返す時間帯をかなり遅めにしないといけないということになり。
レンタカーの料金システム的に区切りのいい時間、24時間とか48時間を越えて例えば49時間で借りると途端に数千円とかの単位で金額が跳ね上がるわけ。
それはちょっと。さすがにそれはちょっとでしょうよ。
てゆーか、なんなの? 節約したいの? 散財したいの?
いや、その、髪なんか切らなきゃいいんですよ。車なんか借りなきゃいいんです。納車になるまで待ってりゃいいんですよ。
でも徘徊したいんだもん。髪だって切らないとそろそろ通報モノなんだって。肩も腰も人間以上岩盤未満くらいにはなってるんだって。
マジな話、考えましたよ。なんにもしなきゃいいの。部屋で黙って膝を抱えて、大宇宙と交信してればいいんだよ。銀河ってればいいの。
でも、今できることで、許される範囲で、何かしたいっていうか。行動したい、そっちのほうが自分の本心に近いんだと思って。
で、レンタカーと床屋とマッサージとを一気に予約しまくりまして。そんなギュッとしなくてもよくね、と思うけど、その日しかないんだから。
それで、まずはレンタカーの引き取りに行ったんだけど、格安系のレンタカーの割には思ったよりきれいでちゃんとした車で、手続きもわずらわしくなかったし、かなりよかったんです。
そのまま三連休の初日は買い物とかをして終わりまして、翌日は朝からふらふらと久しぶりの徘徊モードで。
なんですかね、なんでこんな感じなんでしょうね。なんでこんな、適当に気の向くままに出ていくのが楽しいんですかね。
写真の一枚も撮らず、SNSに書くこともなく。
だって徘徊だからね。ただただ徘徊してるだけだから。
で、夕方になって。特にメシも食ってねぇってことに気が付きまして。パンでもおにぎりでもいいと思ってたんですけど、今思えばちょっと調子に乗ってたんでしょうね。
回転寿司に行きまして。
17時ちょうどくらいに入店したら、家族連れみたいな団体さんが数組、席が空くのを待ってる感じだったんですけど、カウンター席はまだいくつも空きがあって受付したらすんなり入れたんです。
今日最後の曲を聴いてくれ
こっちもそういうものだとわかってて、この時間なら三連休ど真ん中といえども、そこはそれ、おひとり様の強みってやつで。
とはいえこれからもっと混むのはわかってますから、ちゃちゃっと食べてサッサと出てしまおうっていう気持ちと、朝からなんにも食べてないってのが相まってあまり考えずにタッチパネルでバンバン注文していったんです。
お店の方も、多分三連休のど真ん中のピークタイムってことで、きっと熟練の店員さんを揃えてたんだと思うんです。自分以外にもカウンター席には何人かいたにもかかわらず、注文してほとんど待たずにお寿司が来るような感じで。
もうね、ちょっとしたわんこそば状態ですよね。
あら汁 タッチ 注文確定 レーンに乗ってシュッ!
ハイ!
サーモン タッチ 注文確定 シュッ!
ハイハイ!
店長おすすめマグロ タッチ 注文 シュッ!
ハイハイハイ!
そのグルーヴ感。
ステージとフロアの一体感。まさにコール&レスポンスですよ。
それがちょっと崩れてきたのは、カウンターの一番はじっこにお持ち帰りのお客さんかなんかが座ったあたりからなんです。
今まで、あたしと寿司職人とのセッションが続いていたのが急にパッタリ止まりまして。
タッチパネルにはしばらくお待ち下さい的な文面が流れてきましてね。
気がついたらカウンター席も満席になってて、チラっと見ると待ってるお客さんの数も段違いに増えてるんです。もちろんテーブル席も満席パンパン。
タッチパネルで、注文中になってるお寿司を見るとあと四皿になってまして。
そのあとすぐ、あたし宛てにお寿司が流れてきましてね。それはもう、ここまで見事なライブを魅せてきたあたしと寿司職人ですから。信頼関係が違うんですよ。アンコールはちょっと待たせてからっていう。
流れてきたお皿は三皿でね。
食いますよ。三皿くらい、あっという間ですよ。
タッチパネルはというと、少々お待ち下さいになったままですよ。
これがねぇ、待てど暮らせどあと一皿が来ないの。あと一皿、それがなんかしらないけど一向に来ないの。
この感じ、伝わりますかね。
こっちはやることがないから。あと一皿待ちなんだもん。正直お腹いっぱいだけどさ、グルーヴってもんがあるから。頼んじゃったんだもん。そりゃ食べますよ。待ちますよね。
だからって、その待ってる間にスマホ取り出して見てるわけにもいかないんだよ。
なんでって? カウンター席の後ろには、ずっと待ってる人たちが下手すりゃ何十人単位でいるんだもん。
待ってる側からしたらさ、あのカウンターの客、呑気にスマホとか見てんじゃねぇよ、サッサと食って席を空けろよって、思うよね?
違うんだって、注文したのがこないんだって。あとたった一皿食えばとっとと会計して帰るんだって。
多分、厨房が一時的にパンクしたんだと思うんだ。お持ち帰りの客もあたしの隣に座ってきたカップルも、バンバン注文入れてる感じなんだもん。
もちろんテーブル席だって同じだよね。みんなそれぞれドンドン頼むよね。
もうね、一切。タッチパネルは一切動かない。なんかコマーシャル的なのは流れてくるけど、その他は少々お待ち下さいの一点張り。アンコールで出てきて次は最後の曲だぜって言ってから、ステージの上でずっと動かない感じっていうか。
こっちはさ、普段から人が大勢いるようなところに行くこともないし、ましてや並んで待ってまでメシを食う習慣がないわけ。
今なら並ばなくていいギリの時間だと思って、回転寿司屋に来てるってのにさ、まさか着席してから、それもけっこう食ってからこんなに待つことがあると思ってないから。
あとね、背後からの待ってる客の視線がすごい。グッサグサくるの。子供とか待ちくたびれて泣いたりしてんだよ。
そういうのが苦手で嫌で、避けて生きてるんだから。もう一秒でもここを離れたい。お寿司を食べてすいませんっていう。
一皿余計に頼まなきゃよかったって。
お寿司一皿なんてさ、そんなの、寿司ネタのキーホルダーみてぇなのあるだろうが。あの誰が得するんだかわかんねぇやつ。あれでもくわえてりゃそれでいいんだよ。なんで一皿頼んでんだよっていう。
今、想像するに地獄みたいになってるであろう厨房の寿司職人さんにも申し訳ないし、後ろで待ってる、やっぱりサイゼに行きたいってぐずってるお嬢ちゃんにも申し訳ないし、その一皿のせいでどんだけの人を苦しめてるんだと思ったら居ても立っても居られなくなっちゃって。
で、もう一皿こないけど事情を言ってお会計しようと思ったんだけど、これがタッチパネルでキャンセルできないしお会計もできないのな。店員さんを呼んでくれってなってて。
呼べる? この状況で、呼べる?
回転寿司と言う名の修羅場だよ。戦場だよ。
呼べねぇって。
流れてきた最後の一皿が来るまで長かったと思ったんだけど、お会計を済ませて時計を見たら色々考えるに多分5分も経ってないっぽい。
でももう久しぶりにいたたまれない感じ、この感じだったな。
目的は果たしたよ果たしたけどさ
翌日、予約した床屋さんやらマッサージやらは無事に終わりまして。
レンタカーもスムースに返し終わりまして。
なんですかね。
いやいいんですよ、結果やりたいことはできましたからいいんですけど、なんですかねこの、なにか起こるよねぇ…
なんなの? 普通にレンタカー借りて床屋に行きたいってだけなのに、なんなの?
そんなですよ。なんなのかは、あたしにはわかりませんけども。そんな。