その時は、いえその時も特に計画性のある散歩ではなく、いつもの調子で行きあたりばったりに歩き回ったのですが、その日だけでは回りきれないということで散歩を一旦切り上げたのです。
今回はその続きということで、三重塔のあるお寺さんへお邪魔したお話。
秋晴れの中、目指すは三重塔
前回書いた海沿いの史跡で、親鸞聖人が流刑になった際の上陸地点の居多ヶ浜記念堂というところがあります。
そこに小さな公園と駐車場がありまして、今回はそこに車を停めて町歩きすることにしました。
寒いなと感じることが少々増えてきたものの、ひとことで言えば秋晴れのスッキリした空模様です。時刻は15時を回ったころだと記憶しております。今回は諸事情でちょいと遅めの時間帯からです。
天気がいいのは、誰かさんの日頃の行いがいいに違いありません。いいことは自分のせいで悪いことは他人のせいというのは、他人様が聞いたら鼻白むかもしれませんが、たまにはそんなテンションの日があってもいいじゃありませんか。
誰に知られるでもない、誰にとがめられるでもないポツポツと歩くだけの道行きです。
そこから目指すは三重塔。
国分寺というお寺があり、そこに三重塔があるのです。
別に三重塔マニアでも神社仏閣が好きなわけでもありません。むしろ好きでも嫌いでもないからこそ、三重塔という見た目にわかりやすいものがあることがいい、という感じすらあります。札幌に行ったら時計台、みたいなノリですね。
などとわかったようなわからないようなことを思いつつ、前回同様に静かな町を歩きます。
歩くための言い訳が必要
Coke ONというコカ・コーラ社のアプリがあるのですが、自販機で飲み物を買うと1スタンプ、15スタンプで飲み物と交換できるんです。
それに歩数計機能がついていて、週に35,000歩以上歩くとスタンプがひとつもらえるもんですから、「歩く言い訳」になっています。
むしろスタンプをもらうためというよりも、35,000歩に微妙に到達しないことがもどかしくなるんですよね。
散歩に行こうなんて、ただでさえ普段の生活で消耗してる身としては本来はけっして思ったりしないのですが、その反面では旅をしたいし旅するなら歩いたほうが発見が多いという主義でもあるのです。
そうなると、動き出すモチベーションがないのは論外、できれば複数あってくれないといけません。なんたってベースがダメ人間なんですから。アメとムチどころか、アメにケーキにパフェのひとつも付いてきて、ようやく動こうかなと思えるわけです。
なので、
「あと1万歩でスタンプ貯まっちゃうよ?」
「おもしろそうな場所があるよ?」
「ブログのネタになるじゃん、ね?」
みたいな感じで、不順な動機が3つも4つも重なってようやく重い腰を上げることができるんです。この人、我ながらめんどくさい。
目的地までは遠くない
そんなこんなで、人も車も通りが少ない道をトボトボと歩いています。
そんな通りでも、いかにも運動好きですという雰囲気の、オサレなサングラスなんかをかけたかたがランニングやウォーキングをしている人とすれ違ったりします。ここ数年くらいで、見かける頻度が増えてきたような気がしますよね。私だけ?
振り返ってこちとらは、ド普段着でいつものボディバッグひとつといった格好です。スタスタなんて歩きません。トボトボと行きましょう。
件の国分寺までは、車を停めた位置からはすぐそこと言っていい場所です。それじゃあ散歩の意味がないじゃないと言われそうですが、本ブログをチラ見していただいたかたならご想像いただけるかもしれません。
辿り着かないから。
目的地まで延々と歩くような感じにしちゃうと、寄り道脇道迷い道で辿り着かないから。そうするとまた、『上越散歩ふたたびアゲイン』みたいなタイトルの記事を書かなきゃいけなくなるから。ね?
越後国分寺と三重塔
日の落ちるにはまだ少し早かろう、といった時間には国分寺付近に到着しました。もしかして毎回こうすればいいのか? などと出来もしないことを考えてみたり。
到着はしたのですが通り道の都合上、こんな看板を見かけましてね。
五知国分寺とも言うようですね。こういうのを見かけると、どうも読みふけってしまいます。
そしてその脇にいい感じの脇道を発見します。
この先はもしかして… |
そうです。通じていました。そんなわけでまた正門ではなく脇道から入ってしまいました。どうも神社仏閣へ行くと正門から入らない風潮があるようです。
敷地内は結構広くて、夕暮れも近い秋の陽射しでやや暖色に染まった景色に足が自然と止まります。
寺社特有の厳かさや静けさといったような空気感は嫌いじゃありません。かといってすぐに信心深くなるわけもないのですが、やはりちょっと背筋が伸びるような感覚はありますよね。
お目当ての三重塔は見回すまでもなく、かなりの存在感でそこに在りました。
見るからに立派な塔です。
調べてみると県指定文化財に指定されており、このあと載せている写真にもありますが1865年に建て直したものとのことですから、おそらく改修などをしつつ実に150年以上の歳月を経て今に残っているということになりますか。
無事に1年過ごすのもヒイヒイいっている私などからすると、想像もつきません。
境内でしばし時を過ごす
境内を見回してみると、芭蕉に縁があるのか句碑などがありました。他にも鐘つき堂などなかなか風情がある景色になっていましたから、何枚か写真を載せておきますね。
営業してはいませんでしたが、正門の近くには売店と思われる建物がありました。うどんそばやところてんといった文字が見えますから、参拝にしに来た方々が食べて帰るのでしょうかね。
営業再開は4月とありますから、気が向いたらまた来るための言い訳のひとつになりそうです。
変則的に脇道からお邪魔してしまったので、帰りは正門から。
案内図などを見ていると書いてある先に行きたくなるのですが、本日はそこまでの時間がありません。
ふたたびアゲインリベンジ的なタイトルのブログが書きたくなったら、またお邪魔することにして陽の傾いた通りをゆっくりと戻りはじめました。
上越散歩には実はまだ続きがある
やがて海の匂いがしてきたころには、例の車を停めた公園に帰ってきました。
私だって寄り道ばかりしているわけじゃありません。
今日のところはここまでにしておいてやろうかと、なぜか上から目線な気分で車を走らせたのはいいのですが、実を言うとさらに後日、同じく上越市の別の地域を性懲りもなく散歩していましてね。
その話を先に書かないと、ふたたびアゲインリベンジリターンズな記事を書くわけにはまいりません。
いつになるやらわかりませんが、例によっていつもの調子ですから、お暇なときにでも読んでいただければさいわいです。