桜と温泉 道の駅 国上で春を満喫(新潟県燕市)

2019年4月27日土曜日

#グーグルカレンダー #道の駅 #日帰り温泉 #旅

t f B! P L
 「道の駅 国上」は新潟県燕市と弥彦村の境界付近にある道の駅です。
 昨年秋に行った際に、桜の季節になったらまた来てみようと思っていたのを唐突に思い出しましてね。
 「思い立ったが吉日」を座右の銘にするかどうか散々悩んだ挙げ句に「果報は寝て待て」という対抗馬を思いついちゃったもんですから、結果ダラダラと暮らしている私ですが、それでもなんとか桜が咲いているうちに辿り着いたというお話。

秋、冬、春と訪れた彼の地


さくら

 昨年、道の駅 国上に初めて訪れた際の記事はこちらです。


 この時は紅葉の時期で、道の駅周辺を散歩したり併設の温泉に入ったりしました。
 その後、すぐ近くの弥彦村にある「さくらの湯」に入るために来た際に立ち寄った記憶があります。雪の気配が色濃くなった年の瀬だったと思います。
 
 さくらの湯についてはこちらの記事をどうぞ。


 それに続いて三度目の訪問を思いついた、正確には思い出したのはリマインダーのおかげでした。昨年この道の駅に来た時に、こんな看板を目にしていたのです。

さくら回廊

 さくら回廊というくらいですから、さぞかしきれいな景色が広がってるんじゃないか。これは桜の季節になったら来てみたいなと思ったのです。
 そこで、春になったら忘れないようにと、グーグルカレンダーに予定を入力して通知されるようにしておいたんですよね。
 そんなことはもちろんすっかり忘れていたのですが、ちゃんと通知されましてね。そうだそうだそうだったとなり、今回のちょっとした旅へとつながったということです。してやったり。
 

桜は見たいけれど


 もともと、桜の開花が聞かれるようになってきて、どこかへ見に行きたいなとは思っていました。
 ですが例によって、人がいっぱいいるというだけで、すべてのやる気が萎えてしまうという残念な体質ですから、桜で名高いような場所へ行くのは気後れします。
 
 桜なんてのはどこで咲いていたって美しいものですから、近所の見捨てられたあばら家の片隅で細い影を地に落としている、古木の枝先で律儀に毎年咲いているやつだって構いやしません。
 こちとら何枚か写真を撮って、あとは触れもせず離れもせずにただ風に揺られる桜を眺めていられたらそれで満足なんです。

夕日と桜

 ただその、もしもそれほど混雑しなくてまだ見たことがないような景色を見ることができるなら、そりゃあ見てみたいわけですよ。わがままなのはわかってますとも。
 ですからそんな折に、自分でセットした通知に気がついて道の駅 国上のことを思い出したのは渡りに船というか、自分で船を用意してなんなら自分で漕ぎますけど? 的な状況でした。

早起きというハードル


 行き先は決まりましたが、さすがに私が理想とするようなほとんど人がいないなんて場所ではないでしょう。むしろ駐車場も広いし温泉施設もありますから、どちらかというと人が集まってくる場所のはずです。
 
 ですが何度か行ってみた感触では、観光客や地元の方々がこぞってやってくるような感じでもないなと。
 それなら道の駅の施設や温泉がオープンする時間帯よりも、ずっと前に到着するようにすればいいんじゃないかということになったんです。
 
 そうなると必然的にまあまあ早起きになるのですが何を隠そうこの私、超絶朝に弱いんです。どのくらい弱いかって、犬が吠えながら駆け寄ってきた時のオバQくらい、レベル35の勇者御一行の存在に気がついていないスライムベスくらい弱いのです。
 
 それがまた偶然が重なって、前日によんどころない事情によって件の道の駅からそれほど遠くない地域で一泊することになっておりまして。
 そんな諸々の事情によって、ようやくハードルを越えて行ってみる気になったというわけです。

朝は無理だと言いつつも


 朝。モーニング。
 休みだというのに、目覚ましまでかけて早起きするほどのことか。そこまですることじゃないんじゃないのと、スマートフォンのアラームを止めながら本気でそう思いました。無理だって。
 
 ですが、忘れてたならともかく「春になったら来よう」というのを思い出しちゃったし、ブログのネタにもなるし、いつまでもこの地域に居るとは限らないしと、例によって理由をいくつもいくつも付け足して補強したりして。
 結局は、行ける時に行ってみようという気持ちが怠惰な気分に僅差で上回り、のそのそと起き上がることに成功しました。
 
 で、道の駅 国上まで来てみたら、朝から道の駅の建物側の駐車場は思っていた以上に車が停まっていまして。
 なんでしょうね、春ですからみなさん考えることは同じなのか、それとも冬の間はおとなしくしていた方々が解き放たれたのか。ここに来てみるまでは車なんかほとんどないだろうと思っていただけに、一抹の不安がよぎったんです。
 
 とはいえすぐ脇に大きな駐車場がありますから、車を停めるのに困るほどではありません。ここまで来ちゃいましたし、とりあえず駐車場の隅っこに車を入れて外へ出てみます。

桜まつり


 駐車場からは「てまりの湯」という温泉施設までの緩やかな坂道が伸びているのですが、その坂に沿って桜が咲いていました。
 私が訪れた時は八分咲きから満開一歩手前といった感じでね。あたたかみのある白い花びらに包まれた桜の木が並ぶ坂道のきれいなことといったらありません。

坂と桜と

 そんな光景をぼんやりと眺めていると、いくつも理由を考えてどうにかここまで来たことと早起きのつらさによる、これ以上ないくらい低かったテンションも持ち直してきましてね。
 朝早いとはいえ、人っ子ひとりいないわけでもなくて、カメラを持って写真を撮っているかたもいましたし、ランニングやウォーキングの途中で足を止める人もいました。
 私もスマホを取り出して、あちこちで写真を撮ってみました。

てまりの湯への坂道

 坂を彩る桜の木のそばには「桜まつり」と書かれたぼんぼりが飾られていて、夜になると点灯するようでした。

桜まつり

 先ほども書いたように、坂の上には温泉施設のてまりの湯があるのですが、さすがにまだ開店前です。
 ひとしきり写真を撮り終わったので、坂を下ってとりあえず道の駅の裏手側、道の駅の名の由来であろう国上山のある方に広がっている公園へ行ってみることにしました。
 
 公園内の桜の木はまだ蕾が目立っている感じ。品種が違うのか遅咲きなのかわかりませんが、もう少し後で来ても楽しめそうな雰囲気でした。
 公園のさらに向こうには、前回も行った酒呑童子神社があります。遠目に眺めてみるとそちらの方の桜は、満開には遠いもののそろそろ見頃といった具合のようですよ。

公園

神社の入口

結びたい縁はありますか


 酒呑童子神社へ足を踏み入れると、人の気配は皆無。神様と、愛でられるための木々と花と、池を泳ぐ鯉だけの空間です。
 ここは神社というよりも日本庭園的な趣のある、境内といっていいのか敷地になっています。植えられた桜の木の間を川のような感じで池が配置されていて、その片隅に神社と三重塔が要のように建っています。
 ちょうど国上山のふもとにあり、神社の裏手からトレッキングコースのように細い道が山の上まで続いているようです。

酒呑童子神社

敷地内の桜

 そんな静かな世界に、まるで異物のように彷徨い込んだ我が身の心細さといったらありませんが、その反面、場違いな人間がひとりくらい居ても許容してくれるような雰囲気も感じます。
 
 酒呑童子神社は縁結びの神様を祀っているそうです。縁といっても良縁もあれば腐れ縁だってあるでしょう。結びたい縁があるならば、お願いに来てみるのも悪くないかもしれません。

縁結びの神

 私はといえば、桜の花びらが揺れるのに誘われて迷い込んだ挙げ句に、ついでのように何か願い事をするというのもどうなんだと思いますし、そもそも信仰心というものを持ち合わせておりませんから、今回も写真を撮らせてもらったお礼だけをつぶやいてそっと立ち去ることにしたのです。
 

桜を眺めて温泉につかる贅沢タイム


 いかにも日本らしい物事って色々あるじゃないですか。
 クールジャパンじゃないですけどもマンガやアニメだってそうですし、渋谷の交差点も地震も富士山も、他にも数え切れない事象がありますよね。
 
 桜と温泉も、そういったもののひとつだと思っています。桜の名所じゃなくたって春になるとどこに行ってもあちこちに咲いている桜と、同じく秘湯名湯でなくともあちこちで湧き出ている温泉。ね?

日本の桜

 素晴らしいとかおすすめですとか、ハードルを上げて書き立てるつもりはありません。
 ですが、桜と温泉が楽しめる道の駅 国上は、気負わずふらっと行ってみるとなかなかいい場所だと思います。
 
日帰り温泉 | 道の駅国上ホームページ - http://www.michinoeki-kugami.com/furo.html

 なにより温泉の料金が安い。17時までは大人一名500円、17時以降は300円ですからね。けっして広い浴槽じゃありませんが、国上山を望める露天風呂もありますし悪くありません。
 また、建物脇にはひっそりと、源泉を汲めるようになっている場所があったりします。

温泉スタンド

 道の駅の建物側には足湯があって、歩き回った足をほぐしつつやわらかな春の風景をぼんやりと眺めたりして、ひとことで言えば贅沢以外のなにものでもありません。
 そんなこんなで色々とふわふわしたまま、余韻を引きずりつつ道の駅をあとにしたのです。

QooQ