ウォシュレット怪事件

2019年4月13日土曜日

#雑記 #道の駅 #旅

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 あちこちと出歩いていると、当然のように色々な「事件」に出くわすものでしてね。事件といってももちろん、致命的だったりあるいは犯罪や事故などのシャレにならないような話ではなく、旅の小ネタ的なものと言えばいいでしょうか。
 今回はそんなお話のひとつを書いてみます。事件が起こった現場はトイレなのです。

道の駅とトイレ



 道の駅と認定されるための条件に、24時間利用できるトイレがあることというものがあるのをご存知でしょうか。まあ、知らなくたってかまいません。入学就職のテストに出るわけじゃありませんし、役に立つこともないと思いますから。
 
 利用する側としては、きれいなトイレがある場所というのはありがたいものです。一般的にはコンビニの存在が大きいわけですが、高速道路のPAやSAに加えて一般道にある道の駅というのも大変助かるわけです。
 
 例えば公園のトイレって、イメージ的にちょっと利用しにくいというか色々と大丈夫かなと思っちゃうじゃないですか。清潔かどうか、壊されてないか、紙はあるか水は出るか。気になることって多いでしょう。特に女性はそうなんじゃないですかね。
 駆け込んだトイレが使うのが嫌な状態だった時の絶望感ったらないわけで、そういう時に比較的安心できるトイレがある施設というのはやっぱり大切なんですよ。
 
 比較的新しい道の駅なんかは、暖房シートやウォシュレットが完備されていたり、手を洗うところで温水が出たりしてね。
 整備して清掃して維持していくのはホントに大変だと思うのですが、安心して利用できる状態に保たれているというのはすごいことです。一部にマナーの悪いやつがいるのは事実ですが、道の駅のトイレっておおむねちゃんとしてる場合がほとんどじゃないかと思っています。
 

早朝、腹痛で目が覚める


 どこでどうなってその場所に辿り着いたのかは、もう覚えちゃおりません。ともかく流浪の果てに行き当った道の駅の隅っこに車を停めて、日付が変わるか変わらないかのうちに眠りについたんです。
 
 どこでも眠れる体質というほどではないし、こんなことを延々と続けているものですからハッキリと思い出せるわけじゃありませんが、その日はたぶん気を失うように寝たんだと思います。
 目が覚めたのは確か朝の6時ころでした。
 お腹が痛いなと。それもそこそこ尋常じゃない痛さだなと。
 
 昨夜なにを食ったかなんて基本覚えていないタイプのダメ人間です。なんか悪いもの食ったかな、と思っても記憶を辿るのが大変なわけです。ましてや寝起きですし。

 やけっぱちな値札の付けられた見切り品の刺し身がいけなかったかな。
 それともまるで私が買うのを待っていたかのように、ひとつだけ残ってたデミグラスソースハンバーグ弁当に、欲張ってこれもひとつだけ残ってたほっそいエビフライも食べたのがいけなかったかな。

 刺し身にハンバーグにエビフライとか、小学生ならドリームメンバーな夕ご飯のメニューでしょうが、食べ合わせとかそういう細かいことは一切気にしない私にだって素敵なディナーですよ。どれも普通に美味しくいただけますから。ええええ。
 
 そんなどーでもいいことを寝ぼけた頭で考えている間にもお腹の痛みは増すばかりですから、とりあえずモソモソと起き上がって車を這い出し、トイレへと向かいました。

口直しに桜
お口直しに桜の花をご覧ください

リモートコントロール


 使用中のものもあったのですが、さいわい空いている個室に駆け込んで着席することに成功しましてね。セーフセーフ、危ないところだったとホッとしたのもつかの間、事件が起こったのです。
 
 ウォシュレットが作動したんですよ。
 もちろん何も操作しちゃおりません。着席して間もなくですよ。ウォシュレット、動いてるんです。
 
 まだ寝起きでボンヤリしてますから、事態がよく飲み込めませんでね。頭の上にクエスチョンマークを4つくらい浮かべてたんですけど、どうもお隣からもウォシュレットが作動している音がするんです。
 
 ふと個室内の壁を見ると、操作パネルが付いています。トイレそのものに操作ボタンが付いているタイプじゃありません。リモコン式といえばいいのか、ともかく操作パネルとトイレ本体が分離しているタイプでした。
 
 …これって、もしかして隣の操作パネルがこっちのトイレにも影響してる?
 隣のリモコンにこっちのトイレも反応してるってこと?

 そんなことある?
 
 その間もウォシュレットは作動しっぱなしですとも。
 止めようか。でもお隣は今、おそらくハッピータイムというかそんな感じでしょう。
 仮にリモコンが隣のトイレにも干渉してるとしたら、こっちがウォシュレットを止めれば向こうのウォシュレットも同時に止まる可能性が高いってことで。

 例えば停止ボタンを押すじゃないですか。
 そしてもしもですよ、向こうのウォシュレットが止まったとしたら。
 薄い板一枚隔てたお隣さんは怪訝に思って、また発射ボタンを押すと思うんですよね。
 さらにこちらが停止ボタンを押して、止まって、またお隣さんが発射ボタンを押すみたいな流れになった場合のことを考えて見てください。
 
 そんなふうに考えていたら、どうしたらいいかわからなくなりまして。しばらくそのままです。
 ただただウォシュレットに身を任せているしかないという時間が、まあ長く感じたこと。

口直しに夕陽と風車
お口直しに夕陽をご覧ください

大惨事を回避せよ


 そのうち、隣のウォシュレットが止まる音がして、ほぼ同時にこっちのウォシュレットも停止するに至って、疑惑が確信に変わりました。
 そんなことある? あったんですよね…
 
 でもこれって、タイミングが悪ければ大惨事になる気がするよね。
 ウォシュレット砲がいつ飛んでくるかわからないわけでしょ? 個室のドアを開けた瞬間に一斉射撃されようもんなら、けっこう悲惨なことになってもおかしくないじゃないですか。
 
 ともかくサッサと出てしまおうと、急いで身支度を整えて個室のドアを開けようとした時でした。
 おそらく一番奥のトイレでウォシュレットが作動する雰囲気がありまして、まさかと振り返ってトイレを見るとウォシュレットキャノンが起動しつつあったのです。ヤマトで言うところの波動砲発射準備状態、エネルギー充填中ですよ。
 慌ててバタンとドアを閉め、一目散にトイレから出たのは言うまでもありません。
 

普通に旅をさせて


 他に言うことはございません。ええええ。
 
 そんなに高望みじゃないと思うのです。確かにあちこちウロウロしてますし、そうなれば家でジッとしてるよりも何らかのアクシデントに出くわす可能性もあるでしょうよ。
 でも、なくてよくない?
 ブログのネタとか要らないから。こういうネタは求めてませんから。
 
 普通に、何事もなく行って帰ってくることがどうしてできないのかと。
 
 きれいなお話ではない、こんな駄記事を最後までお読みいただいたかたがもしもいるのなら、ありがとうの他に言いたいことがあるのです。
 隣のウォシュレットには気をつけろ、と。

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