その際、ちょっとやり残した感というか後ろ髪引かれ感がありまして。それを解消するべく、日をあらためて散歩にでかけたというお話。例によって何も決めてない、いきあたりばったりな一日のことです。
今度こそ路面電車に乗ろう
鉄道マニアでも乗り物好きでもありません。
でも路面電車って、ちょっと惹かれませんか?
当たり前にある地域で生まれ育っていればそんなことは思わないのでしょうが、日本国内で見てもポピュラーなものではない路面電車。一回は乗ってみたいと思っていました。
旅が始まる感 |
そもそもは、以前富山県を旅した時に乗りそこねていたんです。
電車関係に無知なもんですから、富山県に路面電車が走っているというのも知りませんでね。
富山駅近くで宿をとって、たまたま駅まで歩いていった時に初めて路面電車を見たのでした。
これはちょっと乗ってみたいなと思ったものの、その時も時間がなかったりしたせいで結局乗りそこねた、なんてことがありまして。
前回の記事をお読みいただければわかるかもしれませんし、ここまで書いてきたように、やり残した感のみでまた高岡市に来てるわけです。
こうなってくると、リベンジするために旅してるような気すらしてきますし、それもあながち間違っちゃいないということですかねぇ…
前回の記事はこちらから
高岡市にも路面電車がある
万葉線ロゴ |
旅の動機はともかくとして、市街地の道路を鉄道が走ってる風景というのは、見慣れていない者からするとやっぱり独特に感じます。
全体的な雰囲気としてはバスに近いのですが、道路を走っている車のすぐ隣に線路があって電車が通っているってのは、ユニークだなと感じてしまいます。
先述したように富山市内を路面電車が走っているのは知っていましたが、高岡市にもあるというのは知りませんでした。万葉線というようです。
調べてみると高岡駅から北、富山湾へ向かって走ったのちに東へ折れて、富山湾沿いにある越の潟というところが終点になっていました。
富山湾に向かう途中までの道は、この前記事にした道の駅 雨晴へ向かうルート沿いと重なる部分もあって多少は見知っていますが、路面電車に乗って見る景色はまた違って見えるかもしれないなと、ちょっとした期待もしています。
前回の記事で訪れた高岡大佛の帰り道に見かけた、高岡駅周辺のアーケード街の雰囲気がいいなと思っていたこともあり、ひとまずは始発の高岡駅に向かうことにしました。
ワークマンでインソールを買う
駅から少し離れた場所にある駐車場に車を入れて、靴を履き替えます。実は高岡大佛を訪れた後でワークマンに寄って、インソールを買っておいたんです。
運転中や普段使いにしている雑に履けるいつもの靴とは別に、徒歩で移動する距離が長そうな時はそれっぽいスニーカーを履くようにしています。特にウォーキング用の靴というわけじゃなく、底の薄い靴やサンダル履きよりはいいかな程度のものです。
その靴もそろそろヘタりつつあるのでいっそのこと靴を買おうかと思ったのですが、このタイミングで買い替えていきなり歩き回ると靴ずれが心配ですし、それならインソールを変えてみようという作戦です。
買ったのはこちら。
ソルボライトという、インソールにしては少々お高めのやつなのですが、クッション性と反発力もあって使ってみた感じではなかなかいいものでした。
これで多少歩き回っても足が痛くなるってことはないんじゃないの、などと思ったものです。今思えば、買っておいて正解だったわけですが…
高岡駅前でお祭りに遭遇
インソールも買ったことだしと、駅からは少し離れた駐車場から徒歩で高岡駅に向かったのですが、駅に近づくにつれて通りの雰囲気がどうも騒がしいのに気がつきます。
連休中だし、なにかイベントでもあるんだろうかと思いつつ近寄っていったら、駅前の道路を歩行者天国にしてお祭りが行われていました。
そう言えば、前回の記事に書いた床屋さんで、お店の人が「お祭りをやっているはず」と言ってたなと。でも、もうとっくに終わってるだろうと思いこんでいたのですが、まだ開催中だったようですね。
…あれ、駅前に歩行者天国が設置されてるってことは、高岡駅前から出ているはずの路面電車はもしかして運行中止かい?
気になってあちこち見回してみると、どうやら歩行者天国になっている区間だけは運行していないようで、その境界線にある駅というか停留所から始発になっているようでした。
とりあえずは路面電車が動いているらしいことにホッとして、あらためてお祭りの会場になっている駅前を見て回ります。
高岡駅前に広がる商店街のアーケードの下ではあちこちに屋台ができていて、たこ焼きや焼きそばなどといったお祭りに欠かせないフード類が売られていました。
ただまぁ、パッと見の印象ですが、人出の割には実際に買っているお客さんは少なかったような気がします。
歩行者天国になっているせいか、人混みをかき分けてみたいなぎゅうぎゅうのお祭り感ではなく、どちらかといえば比較的のんびりした空気が休日の街に流れています。
混雑嫌いの私は人が多いとゲンナリしちゃうので、お祭りとかイベント会場には普段からなるべく近寄らないようにしているのですが、おかげを持ってどうにか気持ちが萎えることなく普通にしていられました。
道路上では獅子舞が行われています。近くの看板を見ると「高岡獅子舞大競演会」とありますから、これの真っ最中なんでしょう。
その向こうには古めかしく見える路面電車が展示してありました。新元号である令和の文字も書かれていて、記念写真を撮る人たちもいてなんとなくいいムードです。
後で調べたところ、こちらは令和記念のラッピング電車のようでした。
秋吉発見にスタジオ騒然(スタジオ?)
街の一角にある、普段は駐車場らしき場所にステージが設置されていて、獅子舞などを披露する会場になっている様子です。
その脇にはお祭りの屋台ではなく仮設のテントが設えてあって、ジャンクフードの販売をやっていました。こちらの方は街角の屋台に比べてお客さんがついている感じです。
それよりも何よりも私の一番目を引いたのは秋吉。秋吉の移動販売車があるじゃないですか!
秋吉は福井県が本店の焼き鳥チェーン店です。ここの焼き鳥は美味しいんですよねぇ…
実は前回の記事で高岡大佛を見て回った帰り道に、秋吉の店舗を見つけたんです。
…いい匂いがしましてね。
店の前まで行って。吸い寄せられるように行きまして。
一杯やろうかどうしようか散々迷ったのですが、車で来ているしと泣く泣く諦めたんですよ。お持ち帰りもやってるようでしたが、そこも何人か並んでましてね。
泣く泣くですよ、ホントに。
その秋吉の移動販売車が来てるじゃないの。
これはもう買うしかないなと、移動販売車のあるイベント会場に入っていきます。
会場ではちょうど獅子舞の披露が始まっていて、椅子席やブルーシートに座った見物客の皆さんが歓声を上げているところでしたが、そっちのけですそっちのけ。
店員さんが手慣れたふうにガンガンと鶏を焼きまくっているところに声をかけて、純鶏とねぎまを注文。秋吉ときたら純鶏は外せません。
焼き上がるのに時間が必要とのことで、その間に獅子舞でも見ながらと思っていたのですが、隣りのテントでも焼きたて出来たてなフランクフルトやらポテトやらビールやらが並んでいたもんですから、さぁ大変。
ここでも迷いに迷い、そういえば昼飯がまだだったなと思い出したことと、久しぶりにお祭り会場にいてその熱気にちょいとほだされたのもあって、とりあえずフランクフルトをお買い上げ。アルコールは止めておきます。
買い食い楽しいね
こういう雰囲気の中で食べるジャンクフードってね、まぁ美味いんだ。行儀は悪いかもしれないけど、買い食いするのも旅の楽しみってもんでしょう。
そしてメインディッシュの秋吉の焼き鳥を無事に受け取る頃には人が増え始めてきたので、一旦会場を出ることに。
この雰囲気だし、そのへんの歩道で食っても怒られなかろうと良さげな場所を探すと、同じように会場からあふれでた家族連れがかき氷なんぞを頬張ってましてね。
その隣にさり気なくお邪魔して、ひとり焼き鳥パーティー開始です。
純鶏! |
最後に食べたのは、確か本場福井の秋吉本店だと思うので数年ぶりのご対面。
それもその時は、焼き鳥を食べている最中に口内炎に気がついてあまりの痛さに短時間で店をあとにして、その後すぐに高熱を出すという残念な思い出があるんです。
移動店舗でお店で焼いてるのとは違うだろうし、味はどうかなと若干の不安があったものの、当然のように美味くてですね。
よかった。祭りと知って尻込みしなくてよかったよホント。
リベンジというと軽薄に聞こえますけど、何度も書いてるようにやり残した感の解消というか、ホントうらみつらみで旅をしてる感じですよね。
それでもいいよ、動機とか初期衝動なんてなんでもいい。
真っ昼間から街の片隅の路肩に座り込んで焼き鳥食っちゃってる感じとか、旅してよかったなとしみじみ思っちゃうんです、私。
路面電車にとりあえず乗ろう
やってやった感と小腹を満たした感で、もう帰ってもいいかなという思いがチラリとよぎったのは事実ですが、まだ路面電車に乗ってないよね。タイトルに偽りありだよね、このままだと。
で、路面電車に乗っちゃうと、こっからまた話が長くなるけど書く? このまま書く?
でも長いと思うの。
だって、秋吉のくだりでこんなに書く予定じゃなかったし。でも削る気もないし。
…じゃあ、とりあえず乗りますよ。路面電車には乗ります。
で。
お祭りで歩行者天国になっている通りの端っこというか、通常の道路と歩行者天国との境目あたりに路面電車の停留所があって、今日はそこが始発になっているようです。
誘導する地域の方がいて、路面電車が来ると一旦歩行者天国内に入っていって、そこにある停留所でお客さんを乗せる感じですね。
ちょうどお祭り会場への直通みたいな感じになっているせいか、乗り降りするかたもそこそこ多いようで、私もその列に混ざります。
普段は車移動が圧倒的に多いので、こうやって乗り物が来るのを待ってるだけでも楽しいんですよね。トラベラーズ・ハイでしょうか。
やがて軌道をきしませながら2両編成の赤い電車がやってきて、目の前でゆっくりと停車しました。これに乗ってどこまで行こうか。旅はまだ途中です。
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