なぜか富山城、なぜか抹茶パフェ(富山県富山市)

2019年7月7日日曜日

#GW10連休富山旅 #散歩 #食べもの #旅

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 ゴールデンウィークの10連休に富山県での旅の続きです。
 今回はタイトルの通り、富山城へ歩いて行ってみようというお話。連休中のある日の午後、ちょいと遅いお昼を食べようと富山市内をさまよっているところからスタートです。

旅先のお昼は何にしよう?


 10連休の真っ最中。
 朝早くから活動開始するほど勤勉じゃありませんし、マイペースな旅モードに身体も心も切り替わっているせいで、スタートもゆっくりです。
 
 ですが、そんな気分とは裏腹に、休みの日なんてのは時間があっという間に過ぎるもの。慌てることもないやと、適当にコーヒーでも飲みながらダラダラしていたら、いつの間にか正午を回っていました。

 そういえばお腹も空いてきたし、とりあえず移動しながらこれからどうするか決めようということで車に乗り込みます。

富山城
最終的には富山城まで行ってきました

 富山県某所から特にアテもないまま車で移動し、富山市内に入ります。この10連休中は、気が向いたところにハンドルを切ってばかりいたものですから、富山市も何度出入りしたか定かではありません。
 
 市内の大きめの通りを走りながら、遅めのランチをと思いつつ、良さげなお店がないか探していたんです。
 ですが、やはり連休中とあって、ピークタイムは過ぎたといっても通り沿いの目立ったお店は、パッと見にもお客さんが多い様子。
 
 私は、旅先だからといってその土地のものを無理矢理食べることはないという主義でして、普通に吉野家だのマクドナルドだのに行きますし、この旅でもそうしていました。

 そうは言いつつも、そういうご当地モノを食べる楽しみがまったくないってのもどうかと思いますし、タイミングがあれば食べてみたいという気持ちはあるんです。
 
 そんな微妙な心境のまま車を走らせていたところで見つけたのが、チャンピオンカレーでした。

チャンピオンカレー


チャンピオンカレー

 富山県のお隣、石川県は独特なカレー屋さんが多いことで有名です。いわゆる「金沢カレー」というやつです。
 有名店の中には、北陸地方を中心にチェーン展開しているお店もあります。
 
 アルミのお皿に盛られて提供されるのが特徴で、個人的にはあれがちょっと苦手だったりするのですが、カレーそのものは嫌いな味ではありません。
 以前、北陸地方を旅した時に食べて以来、機会があれば比較的近くにできたチェーン店に足を運んだりもしています。
 
 チャンピオンカレー。名前くらいは聞いたことがありましたが、まだ食べたことがないなと思うのとほぼ同時に、駐車場に車がそれほど停まってないなと認識。
 これならそれほど混雑していないだろうと判断するかしないうちに、吸い込まれるように車を停めました。タイミングってやつですね。

チャンピオンカレートッピングあり

 初めて食べたチャンピオンカレーがこちら。
 乗っかっているウインナーが細くてイメージしてたのとは違いましたけど、ちょっととろみのあるカレールーが美味しくてね。この旅ではもう1回チャンピオンカレーを食べに行ってると記憶していますが、ともあれペロッと完食しました。
 

気まぐれに散歩でも


 店の外に出ると、辛いものを食べてちょっと汗ばんだ額に心地よい風があたって、なんだかとっても気持ちがよくてね。
 
 そういえば旅ゆえに仕方ないとはいえ、このところちょっと食べすぎてるし、それに天気もいい。
 ここは、ちょっと散歩でもして腹ごなししとく? なんて、気まぐれが顔を出してきたんです。
 
 食べたら寝る、が先祖代々DNAに刻まれた家訓モットー座右の銘じゃないかと思うくらい基本的にぐーたらなのですが、気まぐれとはいえそんな気分になったのはやっぱり、旅ってやつのせいでしょうか。
 
 適当な公園にでも行って、軽く散歩しておけばいいんじゃないかとグーグルマップを見ると、それほど離れていない場所にちょうど良さげな公園を発見したのが、15時を過ぎたあたりだったと思います。
 

稲荷公園


 富山駅から見てほぼ東の方向に、「稲荷公園」という、まあまあ大きめの公園があります。
 北陸新幹線や在来線の線路に挟まれるような場所で、すぐそばに稲荷町駅もあります。

稲荷公園〜富山駅周辺地図
位置関係はこんな感じ(グーグルマップより)

 実際に行ってみると、思ったよりも広い駐車場が完備されていました。
 車を停めて降り立つと、春から初夏になったんだなと思わせる午後の太陽と時折吹いてくる風が、なんとも言えないふんわかした気分にさせてくれます。

 旅先の、どこに行って何をしてもいいという自由感と、ちょうどいい気候。そして見知らぬ街の見知らぬ公園にいる放浪感が心の中でブレンドされて、もうね。楽しすぎる。
 
 足取りも軽く園内に入ってみると、地図上で受けた印象よりもずっと広々としていて、野球ができそうな広場や大型の遊具もあるような立派な施設でした。
 連休中ですから家族連れも多く、走り回る子どもたちや、ビニールシートを広げて一日ここで遊ぶんだという態勢になっている大人たちが、休日を過ごしています。

稲荷公園パノラマ
グーグルフォトが生成したパノラマ

ツツジ

稲荷公園

 広すぎてちょっと大変だけど、せっかくだから隅々まで探検したいなという気持ちに引きずられて歩き回っていると、なにやら絵が書いてある大きな立板が並んでいるエリアに行き着きました。

フリーアートキャンパス

フリーアートキャンパスの説明

 どうやらフリーアートキャンパスというようで、誰でも書いて良さそうな感じ。絵心も道具もありませんから眺めているのが関の山ですが、こういうのも面白いですよね。

急に富山駅に行くと決意


 そうこうしているうちに公園を縦断して外に出てしまいました。公園の外は閑静な住宅街といった雰囲気です。位置的には富山駅からそう遠くはなく、人が集まっているエリアであろう場所に、こんな大きな公園があるんだなと思ったんですよね。
 
 富山駅といえば近くで宿泊したことは何度があるものの、駅の北側をちょろっと歩いたくらいで駅周辺はよく知りません。
 別の記事にも書いたように、高岡市の駅周辺ではお祭りに出会ったりして街の様子もいい感じだったので、富山駅周辺も機会があったら歩いてみたいと思っていたんです。
 
 今ならこのまま行けちゃうんじゃないの?
 そういえばこの公園の近くに駅もあったよなと、グーグルマップを開いてみることにしました。
 
 最近はホント便利ですよね。
 スマホでマップを広げて現在地から駅の方向をチェックして、ついでにマップ上で駅をタップすると、そのまま時刻表まで確認できちゃいます。
 あと何分で次の電車が来るというのがわかりますから、初めて来た土地で乗る予定なんて一切なかった電車に乗るという行動も、スムースにできるんですからね。
 
 で、時刻表を見てみると、富山駅行きの次の電車まであと13分。ここから最寄りの稲荷町駅まで現在地から徒歩で5分と出ました。

時間が決まっていると焦る


 私が苦手なことのひとつに、時間に合わせて移動するってのがあるんです。その時間までに間に合うように到着しなきゃってのが、ちょっと苦痛に感じるんです。
 
 公共交通機関を利用する旅がまさにそれに当てはまって、電車一本で行けちゃうようならまだいいんですが、例えばローカル線をタイトに乗り継ぐみたいな行程の旅はできれば避けたい人なのです。
 
 近くの稲荷町駅まで歩いて5分。次の電車が来るまで13分。
 冷静に考えたら余裕のはずなのですが、もし道を間違ったりホームを間違ったりどっかで転んだりしたらヤバいなマズいなとか考え出すと、もういけません。
 
 小走りですよ小走り。
 よくよく考えたら別にね、乗る電車を一本遅らせたっていいんです。もっと言えば、そもそも行かなくたっていいんですから。

 何をそんなにあせったのかわかりませんけど、まあまあ前のめりで歩きましてね。駅までわずか徒歩5分の距離をスマホ片手にハアハアいいながら、どうにか無事に稲荷町駅に到着です。

富山駅からお城を目指す


 富山駅までの切符を買って、ホームに降りたところでようやくひと息つきまして。
 それと同時に、いったい何してんだろう感も押し寄せてくるわけですが、午後の静かなホームに立っていたら妙な強迫観念と自己嫌悪みたいなものも風に乗って消えていくようで。
 
 スーツに身を包んだ、つい最近まで学生さんだったんじゃなかろうかという感じのキラキラした若い女性たちがホームで談笑していたり。
 佇まいも上品なおばあちゃんが、風呂敷包みを抱えてホームのベンチにちょこんと座ってたり。
 そんな何気ない風景が気分を落ち着かせてくれたような気がします。

稲荷町駅にて

 やがて富山駅行きの電車が来て、それに乗り込んだころにはすっかりテンションも上がっていました。我ながら単純で助かります。
 
 富山駅までは一駅ですから旅情を感じる間もありませんでしたが、サクッと電鉄富山駅に電車が滑り込み、ホームへと降り立ちます。

 富山駅は、北口側には過去に行ったことがあります。
 意外となんにもないなという印象だったのですが、今回降り立った南側は人も多いし主要駅周辺らしい都会感もあるしで、富山駅の印象がすっかり変わりました。北陸新幹線が通ったのも影響があるんでしょうね。

富山駅

 さて、どこへ行ったらいいのやらと、ごった返す駅前でちょっとしたエアポケットのようになっている片隅に退避し、あらためてグーグルマップを確認します。
 
 すぐに思いついたのは富山城。
 この旅の間に何度か富山市内をウロウロしていたのですが、通りすがりにお城の姿を見かけていました。行ってみたいと思ったものの、駐車スペースの問題から断念していたんですよね。
 
 駅前からそんなに遠くないしと、富山駅から南へと走る大通りをお城に向かってのんびり歩き始めます。
 
 夕暮れの気配がする、自然と伸びをしたくなるようないい空気でね。
 ここまで結構な距離を歩いていますし、さっきはちょっと小走りしちゃいましたけど、気候もいいし気分的にはまだまだいけるなという感じです。

塩倉橋
この橋の話はまたあらためて

 適度に写真を撮りつつ進んでいくと、やがて駅を背にして右手に緑に囲まれたお城のシルエットが見えてきます。富山城です。
 

富山城抹茶パフェに心を奪われ、そして


 通りから公園のようになっている敷地内に入ると、すぐに目に入るのが遊覧船乗り場とカフェが一体になった建物。松川茶屋というようです。

遊覧船の出る松川茶屋
遊覧船の出る松川茶屋

 木陰の多い園内を流れる川沿いに建っている茶屋に目をやると、こんな感じのメニューが貼ってありましてね。

富山城抹茶パフェ
左上の存在感

松川茶屋のメニュー

 パフェ食べたい。パフェ食べたいよ。パフェ食べたい。五七五じゃないけど五七五感ある。
 
 なんで食べたいかは知りません。そう思ったんです。
 しかも「富山城抹茶パフェ」ってのがあるじゃないですか。抹茶系は嫌いじゃありませんから、これは気になる。
 
 しかもパフェの上にちょこんと乗ってるお城。なにこれかわいい。
 富山城が乗ってる抹茶パフェのルックスは、今この目の前に広がっている光景、新緑の公園からそびえ立つお城という景色そのまんまと言っても過言じゃありません。いやそこまでか? それは言い過ぎか?
 
 でも気になるのは間違いありません。てゆーか食べてみたい。
 記念に食べておくにもそんなにお高い値段じゃなし、遅い時間にチャンピオンカレーを食べたけど、あんなものはここまで歩いてきてもうとっくに消化したはず。

 むしろこんなに歩いたご褒美に、ここはひとつパフェだろう。抹茶パフェだ。抹茶パフェを食べておこうじゃないのということに大決定です。わーい!
 
 早速店に入ろうと、貼ってあったメニューの右手にある、お店の入口の方へ身体を向けましてね。
 
 ちょうどそのタイミングで中から店員のお姉さんが出てきまして。
 それがおかしい。
 どう見ても外の看板を片付け始めてるようにしか見えない。
 こう、手際よく暖簾もしまってね。こころなしかお姉さんの表情も、今日も一日よく働いたなーって充実感とちょっとした疲労感が混ざったようなね。
 
 こっちも疲れてるのかな。
 見れば見るほど閉店の準備をしてるようにしか見えない。歩き疲れかな。旅疲れなのかな。
 
 スマホを取り出して時間を確認すると、17時を回ったあたり。後で調べたところ、閉店時間が17時のようでして。
 
 マジで?
 たった今、閉店なの? ウソでしょ?
 
 そりゃあこんなところでパフェを食う予定は、ここに来るまでこれっぽっちもありませんでしたから、口コミがどうの星がいくつだの、ましてや営業時間のリサーチなんざしちゃおりませんけども。
 
 でも現在ただ今は、口と舌と心がパフェを食う態勢になってるわけで。パフェ食べたいモードに完全に切り替わっているわけでね。

 パフェ…
 食べられないの、パフェ…

 あと1時間、いや30分早く来ていれば食べられたはずの、パフェ…
 
 全身の空気が抜けていくようにテンションが下がっていく感じ。夕暮れも近い緑豊かな富山城公園に置いてあるベンチに座り込んで、打ちひしがれるしかない感じです。

明日があるさ


 一応ね、一応この後、富山城内を散策してるんですが、まったく身が入らない。入るわけもありません。
 
 富山駅までトボトボと歩いて戻り、電車で移動して例の稲荷公園にトボトボと辿り着くまでに決めました。
 こうなったら、もう一回来るしかないでしょ。営業時間内に来るしかないでしょう。抹茶パフェのためだけに来るしかないでしょうよ。
 だってまだ旅の途中だもん。なんなら明日来ればいいんだもん。
 はい、色々あれども旅はまだ続くんです。

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