この世には二種類の人間がいます。
竜巻チョッパー。この言葉の響きに心躍る人と躍らない人なわけですが、バッチリガッツリ前者な私がお届けする、竜巻チョッパーとはなんぞやというお話です。
竜巻チョッパー
この7文字が私の視界に飛び込んできたのはTwitterのタイムラインだったと記憶しております。そんな名前の商品があると。
竜巻チョッパー!?
見た瞬間、瞳孔ガン開きですよね。竜巻の直後にチョッパーですよ? そんな単語並べたことありますかって話で。
この世には星の数ほど言葉があって、創り出され生まれては、したためられ伝えられて、いつか忘れられて消えていくわけです。
そんな言葉の中から、よりによって竜巻とチョッパーを選び出して、さらには並べてしまうだけに飽き足らず、商品に命名した上にそれを世に出す、販売するというある意味奇跡。
奇跡っていうか、見ようによっちゃあ事件が起こっていたなんて。
その企画会議っていう。
これを売って儲けるぞ、名前は竜巻チョッパーで決定ー! っていう。承認印バーン! っていう。
でもいいんですよ、この名前。
竜巻という強さ荒々しさ、渦巻き吹き上がるイメージ。ヒーローの必殺技チックな匂いも乗った言葉に続くのがチョッパーってのがいいんですよね。
パンチキックがどうしても主流、打撃系の技の中ではやっぱり握った拳と蹴りってのは人間の身体の構造上、そうなっちゃうわけでしょう。
そのパンチとキックという双璧に食い込めるのが手刀。チョップ。これですよ。
さっき書いたように竜巻という自然現象を表す言葉には、ゲームやアニメのヒーローとかが使う技のモチーフになっているという、本来の竜巻の意味や用途とはまったく別の香りがほんのり付いているんです。
同じくチョップにも本来の英語の意味や語感、言い換えれば「Chop」にはないが「チョップ」にはあるイメージやニュアンスがあるわけです。
竜巻とチョッパー。
どちらもかっこよさや力強さ、ある種の鋭さを帯びた言葉でありつつ、漢字カタカナという並び方だったり、語尾が長音なことでの響きの良さも相まって、これはもうロマンしか感じません。
読んでるかたがついてきてるかどうか、一切確認しちゃおりませんが、ともかくひとりで俄然盛り上がっちゃいましてね。
なんだそれ、一体なんなんだと早速ググってみたところ、どうやら調理器具らしいというのがわかってきたんです。
ジャケ買いならぬネーム買い
竜巻チョッパーは、パール金属という会社が出している商品の名前で、要は野菜などをみじん切りにするための器具でした。
ミキサーみたいな電源が必要な感じの、いかつい物ではなく、丸いタッパの中に刃がついているようなイメージです。
パール金属の商品といえば、かなり前にコンビニコーヒー用のマグカップの記事を書いた記憶があります。
パール金属は新潟県の企業で、食品まわりのちょっとしたアイテムを製造している会社だという認識ですね。
そしてその竜巻チョッパーなんですけど、実際の商品がなんというかアナログな、動かしてみたい系のいい意味でおもちゃ感のあるシロモノでしてね。
お値段も700円切るくらいで手頃ですから、ちょっと欲しいなということになったんです。
とはいえ、買うのはいいけどじゃあ実際にこれを使うのか。
Twitterやブログに書いたこともありますが、色々理由があってここ最近は特にモノをあまり増やさないことにしています。とにかく買う前によくよく考えて、不要なら買わないことが多くなりました。
この竜巻チョッパーもね。
冒頭から意味のわからないことを延々と書いちゃいますが、要はみじん切り器なわけですよ。
基本的に料理が苦手で、生まれてこの方みじん切りなんて一度もやったことがないんです。
ぶつ切りだっておぼつかないような人間が、何かをみじん切りにするタイミングなんて、あと何年生きるつもりかわかりませんけどね、あるのかって話ですよ、今後。
今まで一度もなかったんですから。
そりゃ、みじん切りにされたものは食ったことがありますよ。
でも自分で食材を、わざわざみじん切りしてまで食べるなんてことは、今のいままで一回もなかったわけですよ。
いる?
竜巻チョッパー、いる?
…ぶっちゃけ、いらないってのが答えなんですけど、そしてこれはよくない考え方なんですけど。
最悪、ブログのネタにすりゃいいかっていう、背中の押し方というか財布の紐の緩め方みたいなの、あるじゃないですか。
あとはもう、名前のスゴさかっこよさに、実際の商品をちょっと触ってみたいってのも加わって、ちょっと迷った末にポチポチと通販で買っちゃいました。
知育玩具に似た匂い
パッケージから写真を載せていきますね。
ヒモビュン |
丸いタッパ的なものの蓋にギミックがあって、白い三角の取っ手を引っ張ると紐が伸びていて、それによって器の中央にある段差のついた3枚の刃がくるくると回る感じです。
ただこれだけなんですけど、この紐を引っ張る動作がベーゴマ感というか、こういうおもちゃあったよね、っていうなんかこう懐かしい動きなんですよね。
アナログなおもちゃで遊んだことがあるけど最近そんなもの触ってないなってかたなら、この動作感だけでもなにか思い当たるものがあるかもしれません。
あとは子供に与えるのも悪くないのかなと。
刃がついていますから、小さなお子さんのいる家庭では取り扱いにもちろん注意がいります。
家事のお手伝いをしてくれるような年齢になってきたら、これを使ってみじん切り担当をお願いするとちょうどいい道具じゃないのかな、なんて。
こうして… |
…こうだ! |
器が透明なので、刃で中の野菜が切られていく感じが目で見えますし、手の力で紐を引っ張ることで動かす物ですから中身を入れすぎると切るのが大変だったりして、ある種の知育玩具的な使い方もできる気がします。
もちろん、ちゃちな道具というわけではなく、モノとしてはしっかりしていて普通に使えます。
作業としては、器に入るくらいに一旦カットする必要があるので、包丁の魔術師的な、みじん切りなんて息をするかのごとくできるってなかたなら、カットした流れでそのままみじん切っちゃえばいいんでしょう。
ただ、私みたいに料理が苦手な人でも、食材によりますがキッチンバサミでザックリ切ったのを入れて、紐をグイグイグイと何度か引っ張るとみじん切りができちゃうのはラクですよね。
切ったら刃だけ取り出して、使いきれなかった分はそのまま冷蔵庫に保存するなんてことも可能ですし、使い勝手は悪くありません。
買った時から絶対そうなると思ってましたけど、とりあえずみじん切りしたものを使うレシピを探すという本末転倒なこともやりつつ、写真のネギは半分が卵焼きの具に、もう半分は冷やしたうどんの薬味としていただきました。
ネーミングに惹かれたら
人によっては必要ないアイテムかもしれませんが、まずはネーミングが良すぎて困ります。ここにビビッと来た人はもう買っちゃえばいいんじゃないかという、そんな物です。
どっちが先があとかは知りませんが似たような製品もありまして、そっちもネーミングはちょっといいんです。いいんですけど、格が違うというか。竜巻チョッパーって言われたらかなう気がしません。
価格も使い勝手もお手頃といった感じですし、このご時世で家で料理を作る機会が増えた人もいるでしょうから、なんかちょっと楽しそうな感じがするアイテムがあっても悪くないなと思うのです。
竜巻チョッパーの7文字が本記事で3千文字くらいまで膨らんだところで、そろそろ食べとかないといけないネギがまだありますから、ちょっとチョッパーしてきます。