ブログってのは、なんかの役に立つような記事の方が、見てくれる人も増えるんでしょう?
みんなが気になってる新商品のレビューとかさ、あとは共感できる考え方とか有名人の生活ぶりとかさ、そういうのが人気が出るんでしょう。
うちのブログにもそういう記事は多少あるんですよ、これが。びっくりすることに。奇文怪文しかないと思ってるでしょ。
でも、これから話すことは一切役に立たない記事になると思います。要するに愚痴だよ愚痴。一番読むに耐えないやつね。それでも読もうっていう、残念な方々のためにぶつけますからね。
車が動かなくなっちゃった
先週ね。
ちょっとしたトラブルがあって。話せば長くなるんだけど要は車が壊れたんです。
でね。壊れたのが、家の近くではなくて。そこそこ遠い場所、距離にして30km以上は離れた某所で動けなくなっちゃって。
こりゃあもうレッカー車を呼ぶしかないということになり。
で、どうにか故障車を移動できたのが20時近くだったんです。
ここまでもまあまあ書きたいことはあるんだけど置いておいて。
問題は自分がどうやって家まで帰るかってことで。
すでに夜遅いとか色々あって代車も見つからず、かといって、こんなところまでこんな時間に迎えに来てもらえそうなアテもないわけ。
好き好んでやってることだから、嫌というほど理解しきってるんだけど、ひとりで生きてると全部自分でどうにかしなきゃいけないの。
じゃあ、いつも通りあたし通り、どうにかして帰ろうということになり。
まあそこらへんは慣れてっから。別に今に始まったことじゃないからね。とりあえず現金はあるしネットもつながるし、どうにかなんだよ。こんなことくらい。
遠い昔の真冬の夜の話
…あの、急に思い出したから書いていい?
昔さ、いつ頃だろう、もう15年とかそれ以上前だと思う。
そのころは、今よりひどい暮らしぶりでね。その日が暮らせればそれでいいやってなもんで、稼いだカネは酒と優しくしてくれる人に消えてった時代があって。
で、仕事も色んなことをやったんだけど、某県の某企業で夜間作業の仕事があったのね。
数日間の作業なのに事前の研修があるってんでそれに参加して、一応服装規定もあってチノパンとスニーカーで色指定まであってさ。持ってないのもあったから、仕方なく自腹で揃えてから研修を終えて、その夜間作業の日になったわけ。
で、集合場所から乗り合わせのバンで高速に乗って1時間以上走ったと思うんだけど、某地方都市に行ったの。
その時は真冬で、出発時点では雪なんか降ってなかったんだけど、現地に着くころには大雪で。土地勘とかはほとんどない地方都市のとある会社の前で降ろされて。
で、作業を始めたんだけど、30分もしないうちに事前説明にも研修にもまったくない作業が発生してね。初めてだからどうやるのか教えくれって、その現場のまとめ役的な人に言ったら、急に怒り出してさ。
昔のことだから詳細はまったく覚えてないんだけど、あたしがカチンときたくらいだからその人の言い方が結構理不尽だった気がするんだよね。
挙げ句、そもそもあたしの服装が規定と違うとか言ってた気がするな。そんなの研修の時に言えっての。
自分で言うのもなんだけど、そんなに怒らないほうだと思うんです。他人から見たらどうか知らないよ。
でも、その時はコイツとは仕事をやれないなってなってね。
で、しばらく言い合いになったあと、ここははっきり覚えてるんだけど、「帰れるもんなら帰ってみろ!」って言われたのね。
外は大雪ドカ雪の、家からは高速で一時間以上離れた街にいるからってことなんだろうけど。
あ、じゃ帰りまーすっていって、預かった仕事道具をポイしてその現場を出てって。
一部始終を見てた、さらに上役らしき人が心配して声をかけてくれたんだけど、ご覧の通りですお世話になりましたあとはご心配なく、って出ていって。
歩いたねぇ。真冬の大雪の中を。
もちろん服装は指定通りのスニーカーにチノパンだよ。上着だってうっすいやつだよ。大雪の中を歩くとか思ってないもんね。
伊達と酔狂で雪道を歩く
歩こうったって簡単じゃなくて、雪はどんどん積もっていくの。場所によっちゃ膝下まで雪があって。こっちはチノパンにスニーカーだから。
もうひとつ言うと、当時は携帯電話は持ってたけど当然スマホじゃなくて、今みたいに自由にネットに繋がるような時代じゃないんです。
だから、土地勘のない場所で現在地がだんだんわからなくなっていくんですよ。GPSとかないんだから。
真冬、深夜、大雪、知らない街でここはどこ? っていう。軽い遭難だよね。
そうなると思いつくのはとにかく大通り、できれば国道に出てその道沿いを行くこと。そうすればバス停とかがあって、上手くすれば最終のバスとかに乗れるかもしれない。なくても、看板とか標識とかである程度は位置が把握できるかもしれないし。
ただ、それも案外ダメで、市街地から外れていくと、多分雪がなかったら周りは田んぼとかが広がってるんじゃないのっていう道になっていくんです。
そうなると、家とかが減ってきて遮るものがなくなっていくから、吹雪がもろに当たるの。自分が雪だるま化していくんだって。
あとね、雪がなくたってこんなところを歩くやつはもともといないのか、歩道のない、ほぼ車両専用みたいな一帯がけっこうあるんだよ。
大雪だから車だって視界が悪いし雪で道は狭くなってるし、そんな中で普段歩いてるやつなんかほぼいない道路を歩いてたら、轢かれたって仕方ないじゃん。
もうひとつ、大きな通りを行きたくない理由があって。
これはもう意地みたいなもんなんだけどね。
一緒に仕事に行った連中が、仕事を終えて戻ってくる道筋に居たくないんですよ。
こっちが四苦八苦してどうにか歩いてるくらいだから、高速を使って1時間離れた家に辿り着くよりも、作業の終了時間の方が間違いなく早いのはわかる。
そうなると、その帰り道で見つかる可能性があるじゃない。どこを通って高速に乗って降りたかなんてわかんないけど、大通りは奴らが通る可能性があるじゃない。
あんだけ啖呵きって出てきたんだから。こっちは伊達と酔狂で、てめぇらと仕事するくらいなら、真冬の知らねぇ街を歩いたほうがマシだってなってんだから。
で、結果、国道を外れていくんです。
それでもなるべく昼間は通行量のありそうな広めの通りを選んで歩くんだけど、寒いし足は雪でぐっしょぐしょだし感覚はなくなってくるしさ。
だからって歩きやすい方へ行くと、どんどん迷子になっていくの。
さいわい、お金は多少ある。あるけど、こんな時間にやってる店はコンビニくらい。しかも大きな道から離れれば、そのコンビニに出会える確率も下がる。
…あれ、これもともとなんの話だったっけ?
車が壊れたって話だったよね。まあいいか、書いてるうちにどんどん思い出してきちゃったから続けるけど。
コンビニで地図をガン見
で。
どれくらい歩いたかは覚えてないけど、最初に目についたコンビニに入った時点で、雪でびっしょびしょなわけ。髪から上着から靴までぐっしょぐしょ。
で、コンビニに入るじゃん。コンビニの暖房で、血が流れ出すっていうか。じんじんとあったかくなってさ。あの人、雪だるまじゃなかったの!? っていう。
なにしてんだろう。真冬に。夜中に。
仕事蹴ってさ。なにしてんのっていう。でも後悔とかは全然なかったな。居たくないところに居てまで、生きてたくないよね。
で、とりあえずやることは、地図を見ること。
今じゃコンビニの本コーナーに地図とか置いてるの、ほぼ見ない気がするけど、昔はロードマップ的なやつが置いてあったんです。るるぶみたいな観光マップじゃなくて、都道府県地図みたいなのが普通に置いてあったのね。今もあんのかな。
で、コンビニの店名を確認するんです。そういうのってたいてい地名が入ってるじゃん。例えば桜木町店とかさ、倶知安通り十字路横左に入ったあたりにあるなぜか潰れない骨董品前店とかさ。知らねぇけど、あんじゃんそういうの。
それと、ここまで歩いてきた道沿いで見た看板とか道路標識とかを思い出しつつ、地図帳をめくって探して、どうにか現在地を割り出すわけ。
今考えたらこれ、よく店員も通報しなかったよね。ずぶ濡れなんだよ。入店時点で半分雪だるまなんだよ。
この真冬の深夜に吹雪の中、客が来たって100パーセント車に乗ってくるはずなのに、どう見ても歩いてきただろってやつが一心不乱に地図を見てんだぜ?
絶対不審者だって。いきなりカラーボール投げられてもおかしくないから。
で、ここからが大事。
現在地を見て、仕事を放り出した現場からこのコンビニまでかかった時間を考えて、これは今夜中には家に辿り着けないなってのがわかるんです。
そうなると、ひと晩の間、雪をしのげそうな場所はおそらくコンビニくらいだし、かといって長時間いるわけにもいかない。
じっとしてるのはさすがにマズいってのはわかってますから、とにかく歩くしかない。
なら、ここで地図を見て、次のコンビニまでのルートを記憶してそこまで行き、そこでまた身体を温めつつ次のコンビニへの道を覚えて向かうってのを繰り返そうと。コンビニ渡り鳥作戦ですよ。
で、翌朝までどうにか生き残れば、バスや電車が動き出すだろうから、それで帰り着けるだろうと。そこまで考えついたんです。
それでもいくつか問題があって、地図上の次のコンビニが遠いとか、色々あるんだけど。
一番の問題は、朝になってバスとか電車が上手く見つかったとして、運賃がいくらなのか検討もつかないと。当時の深夜のコンビニじゃ調べようもないわけ。とにかく、ある程度は多めにお金を残しておく必要があるなと。
理性と狂気と肉まんと
そこでようやく、使っていいお金がこのくらいじゃないかってな予測を立てて、コンビニで売ってるこの吹雪の中で役立ちそうなものを物色するんです。
けど、言うほどそんなに現金を持ってるわけじゃないから。
持ってりゃタクシーで帰ればいいんだから。カネがお酒と、カタチに残らないようななにかに消えてっから、真冬に知らない街の深夜作業とかに応募してんだからさ。
でもさぁ、肉まんが美味そうなんですよ。
わかるかな、美味そうっていうか、あったかそう。
こっちは0度近いであろう大雪の中を延々と歩いてきたし、これから朝まで歩き続けなきゃいけないわけ。そういう運命なわけ。自分で選んだんだけど。
そこに肉まんが売ってるじゃない。100円で買えるじゃない。美味いって。食ったら絶対美味いって。
でも、帰りの運賃が100円足りないってなった時のことを考えてみなよ。絶望だよ。その状態で100円足りないぶんを歩こうったって無理だって。
真冬の深夜にビショビショであらわれて、真っ先に地図を読みふけったかと思えば財布を見つめてるやつだからね。正確に言えば、財布と肉まんを交互に見つめてるやつだからね。
ホント店員も早めに通報したほうがいいような感じなんだけど。
結局買ったのは、ホッカイロと温かい飲み物と、あとはポンチョっぽい雨用の使い捨てに近いやつ。あれ。そんなの着ても雪にはほとんど意味を成さないんだけど、演技でもいいからなにか着てますよってのが欲しかったんだよね。そうじゃないと、明らかに不審者なんだもん。手袋も買った気がするけどハッキリしないな。
覚えてるのは自分のテンションがすごくて。
久々にブチキレたってのと、真冬に歩かなきゃいけないっていうことでの生存本能みたいなものとさすがに狂ってんなっていう思いと、今何ができるか冷静に考えなきゃってことが、頭の中で渦巻いてておかしなテンションだったのは覚えてる。
で、どうなったかというと、歩きましたよ。夜通し。
道を間違えたりしたせいもあって、コンビニ渡り鳥作戦はすぐに失敗したんだけど、当時まだまだあちこちにあった電話ボックスとかで休憩しつつ、どうにか夜が明けて。
明け方に見つけたコンビニの近くにバス停があって、そこから乗り継いで、どうにか家まで辿り着けたっていうね。
まだ若かった日のことで。急に思い出したから書いちゃった。
どうやって帰ろうか
で。
今も車がぶっ壊れて、どうにかして家に帰らなきゃいけないという状況なんです。
戻ってきたよ。話が無事に戻ってきたよ。
普通にピンチじゃないですか。家に帰る手段がない、みたいなのって。
でもね、麻痺してんの。さっきまでダラダラ書いてきた昔話みたいな経験もあったし、その他にも色々あってね。
どこか麻痺してんです。
今は冷静に考えたら超絶ピンチってことに、どっかで麻痺しちゃってんですよ。もっと慎重に冷静に判断しなきゃいけないんだろうけど、とりあえずなんとかなんだろってのがあるんですよね。
あん時に比べりゃあね、ネットに繋がるんだから。
近くのバス停とか電車の駅とか簡単に調べられるんだよ。深夜のコンビニで地図帳めくらなくていいんだから。楽勝だろ、そんなの。
調べてみると、現在地から一番近くの駅はここから歩いて一時間半ぐらいのところにあると。その間のバスとかはどうもないらしい。
で、その時間から乗れて家のある方面に行く電車を探すと、最終の電車にはギリギリ間に合いそうな感じ。
これで最寄り駅までは行けることがわかるんだけど、田舎あるあるで、最寄りの電車の駅から自宅までが相当遠いんです。
そして、調べた電車に乗って最寄り駅に着いたころには、そこから家の近くまでいくバスがもうないんです。
じゃあ最寄り駅から家まで歩いたらどうか。
おそらく2時間じゃ無理じゃないかな。そりゃ、スキップすればもっと早いよ。ルンルン気分でスキップすりゃあなお早いですよ。30秒ぐらいで家に着くと思うけど、お疲れですから。
こっちは車が壊れてね。
しかもいきなり壊れて、修理費もけっこうかかるであろうとか、とりあえずどうやって帰ろうとか色んなことが乗っかってっから。疲れ切ってんだから。
この疲労困憊のなか、現在地近くの駅まで1時間半、そっから家まで2時間とか、ルンルン気分で歩けますかっての。
別に歩くこと自体はいいんです。ドラクエウォークとかもあるし、こうやってネタにもなるし、よくわからない理由で知らない道を延々歩くっていうシチュエーションも、嫌いじゃないんです。
ただね、つらいの。
もう疲れてて、そこまで歩く気力はないんです。冷静に考えたら今週だって仕事が忙しかったじゃん。へっとへとな上に車がぶっ壊れてんだから。へこむって、そりゃあ。
なんなら、ちょっと雨が降ってきたし。本降りではないけど、どうみても雨だし。
なんか聞くところによると、真冬に薄着で夜通し歩くようなやつもいるみたいだけど、考えられないよね。バカじゃないの?
じゃあ、もうタクシーしかないなということになり。
なんならあの時よりはお金持ってますから。バカにすんじゃないよ。そりゃタクシー使いますよ。あの日買えなかった肉まんだって、売ってりゃ四個くらい買うよ。ついでにコーラぐらい買いますよ。
タクシーのお値段、7千円弱。つらい。
小学生50円
次の日。この日はたまたまお休みで。
とにかく代車がないので、行動する手段が乏しい。最悪、このまま代車が見つからないとすると、今度は通勤に差しつかえることになるわけ。
だからとりあえず、ネットでレンタカーなんかを物色したりして。
修理費がいくらになるかわからないのに、この上レンタカー代までかかるのかと。ニコニコレンタカーならちょっと安いな、なんつって。
そんななか、車屋さんから電話がかかってきて、代車が確保できたという連絡があってひと安心しまして。
でね。
今度は代車を取りに行かなきゃいけないということになり。
今日は本来なら休みの日で、代車を取りに来てほしいと。
で、昨日はアクシデントで夜遅くにレッカーで運ばれてったこともあり、その車屋さんが初めてやり取りする業者さんで。その車屋さんがまた、家から遠いんだ。
で、色々調べた結果、バスしかないと。
バスで大きなJRの駅まで行って、さらにそこから乗り換えて車屋さんの近くのバス停で降り、しばらく歩けば車屋さんに辿り着ける、ってな感じなんです。
今は便利でね。こういうのを、ネットでちょろっと調べちゃえるんだもん。
あの時ネットがあったらね。吹雪の中、かるい八甲田山みたいな状況でネットがあったら、もっとどうにかなったかもなぁ。
さて。
今からさっき調べたルートで向かった場合、乗り換えで小一時間ほどの空きができることがわかりまして。じゃあ、ついでだし待ってる間に、駅近くの喫茶店でも行ってみようということになり。
身支度を整えて家を出て、駅に向かうバスに乗り込みました。
乗るのが久しぶりなもので、走り出したバスの中でちょっとワクワクしたりしてね。何度も通ってる景色なのにバスの座席の高さで眺めると、街が違って見えたりして。
そんな時に、料金が表示される電光掲示板のあたりに張り紙があるのに気が付きます。
『小学生現金50円。8月31日まで』
すごくないですか。今どき50円でできることあります?
これたぶん、終点まで乗っても50円ってことでしょ? バス旅が50円でできるってすごくない?
想像してみてほしいんですけどね。
初めてひとりで切符買って、初めてひとりで知らない街に行く旅ですよ。お小遣いを、なんかかわいい財布あるでしょ。ドラえもんとかポケモンとかのさ。あんなのに入れてさ。
野球帽をきゅっとかぶって。事前に路線調べて。時刻表とにらめっこして。100円ショップの腕時計はめて。家から麦茶持って。
大昔はあたしだってそんな時代もあったんですけどね。
喫茶店で癒やされたいのに
そんな妄想をしつつ、駅前まで到着しまして。次のバスまで、予定通りどこか喫茶店で休もうということになり。
このへんなら、一度だけ入ったことのあるいい感じの喫茶店があるんです。
ただ、車での移動がほとんどなものですから、駅周辺に行く機会がないんです。だから、なにかの切っ掛けで駅前にいいお店を見つけても再訪するチャンスがなかなかなくてね。
だからこんなことになって。
なんだかんだあって駅前の素敵な喫茶店に行けることになったじゃないですか。悪いことばかりじゃないと。てゆーか、そうでも思わないとやってらんないから。
喫茶店に向かう途中で考えたのは、次のバスまでの余裕はあるけど、もしも注文が出てくるのが遅かったりすると、乗り遅れもありうると。
だから店内の混み具合を見て、混んでたらアイスコーヒーの一杯も飲んで終わりにしよう。たとえ空いててもナポリタンみたいなのはやめておこうかな。
そんな考えを巡らせながら件の喫茶店に着いたのですが、このご時世で時間短縮ということらしく、あいにくちょうど店仕舞いということがわかりまして。
もうね、つらいの。
車が壊れたりね、出費も増えたり。
いいことなんかない上に、色んな疲れも残ったままこの急遽やらざるを得なくなった強制バス旅のね。かたや小学生が50円で目をキラッキラさせて乗るバス旅があったとして、同じバスに乗っちゃいけないんじゃないかと思うようなやつをこっちはやっててね。
そんな道行きの、ほとんど唯一の楽しみみたいなもんだった喫茶店ですら、この有様ですよ。
アテが外れて、ぐったりしてきて。
だからって、まだ時間はあるし、なにかしたい。
このタイミングでの新規開拓は、外れた時の心のダメージの深さが想像を絶するものの、とにかくなにかで埋め合わせたい。そうじゃないととてもじゃないけど、やってられないわけですよ。
ひとまず、ざっと検索してみたものの、いまいちピンとこない。
そりゃそうだよね、弱ってんですから。カラダやらメンタルやらが弱ってんですから。そんな時にピンとくるものなんかあるわけがないっていう。
そうしてるうちにどんどん時間は過ぎていくんですよ。
もういいやと。
あきらめて駅の構内の片隅で膝でも抱えていようと。なにか声をかけられたら、力なく首を横に振るだけのダメ人間でいようと。
そんなことをぼんやり思いながら、なんとなく曲がった道の向こうに、もう一軒喫茶店を見っけまして。
灯りも点いてるし営業してるようです。
店の名はミチル
入り口を抜けるとお客さんは二組ほどで、カウンターで新聞を読んでいる、まだお若そうなマスターがひとり。
席について、注文してもそんなに待たずに済むだろうとメニューを眺めているうちに、なんとなくチョコパフェとコーラフロートを頼んでしまいました。
いいじゃないの、あたしだってパフェぐらい食うんだよ。女子だけの食いもんじゃないんだよ。食ってる様はアレかも知んないけどいいじゃないよ、なんだよなんだよ。
チョコレートパフェは、メロンをトッピングしてあってかかってるソースもメロンだと思います。けっこうめずらしい取り合わせのような気がしますけど、これがなかなか美味い。
つらいことしか降りかかってこない日々が続いていたせいもあったのかもしれません。コーラフロートもパフェも、インスタ映え狙い系でも奇抜で目立ちたいだけのやつでもなく、ちょうどいい感じで、すごくホッとしたのを覚えています。
その後、お会計を済ませて喫茶店を出てバスにも間にあい、無事に代車を借りて帰宅しました。後ほど修理も終わり、まぁまぁ高額な出費も払って、とりあえずひと段落といった気配です。
そして、偶然が重なりまくって来た喫茶店。時間に追われててゆっくりできなかったから、また行きたいなと思っています。今度は自分のタイミングで、ね。