たいした話じゃないけど、そんなことなんです。
ちょいちょい具合が悪いってのと、ちょっと悪化してるよねって出来事があったので、念のため検査しますかってことになって。
頭を。
1年ぶり2回目のMRI
一年ちょい前にもやったんです。MRIってやつ。あの、ベッドに横になって、トンネルの超ちっちゃい版みたいなやつの中に入っていく、あれあれ。
その時は異常はないということだったんだけど、今回そういう脳部分の異常があり得る症状だったんですよね。
で、二回目のMRIを受けたんだけど、あれが相当苦手だってのをあらためて思ったのね。結果から言うと今回も異常はなかったんで、受けてよかったんだけど。
MRIについて詳しいわけじゃないんだけど、説明によると磁気で撮影すると。で、動いたりすると上手く撮影できないと。
あと結構な音がするのね。今回は脳の検査だから、当然頭の部分があのトンネルの中に入っていくんだけど、相当うるさい。
でもその音の問題については、アシッドハウスとかも聴くし、ガッキンガッキンピープーペーみたいな、電子音の繰り返し的な音がずっとすること自体は、そんなにつらくはないんです。
あれは、工事の音がうるさくて眠れないみたいな人には苦痛かもだけど、まあそんなにキツくはない。
問題は狭さというか、圧迫感でね。
動いちゃだめだってことで、頭の周囲を固定されまして。腕も軽く拘束されましてね。
もう格好が、拷問用のベッドに縛りつけられたあわれな子羊って感じですよ。
で、動いちゃいけないっていわれると、意識しちゃうじゃない。動かないようにしてるつもりでもさ、ちょっと油断できないっていうか。
そんな状態でベッドが動き出して、低いトンネル的な装置の中に頭から入っていくんですけど。その中じゃ、年中無休24時間続く解体系工事現場でシンセサイザーが爆音で鳴ってるみたいな状況になってるの。
その入っていったトンネルがすごい低いんだよね。目の前にトンネルの天井がある感じ。その狭さからくる息苦しさがすぐ襲いかかってくるんだわ。
そこに動いちゃいけないってプレッシャーがあるから、イコール逃げ場がないっていう思いが強くなってなおさら具合が悪い。
さらにいうと、仰向けに寝たままで、頭の方向に水平移動するってこと、あんまりないじゃん。カーフェリーとか寝台車とか、そういうことでしょ。救急車もあり得るか。ともかく、そんなに頻繁にそうならないじゃない。
で、ここ数年で三半規管が相当弱っているらしく、耳の血行をよくしたいからその手のリラクゼーションに行ったみたいな話もブログに書いたけど、それくらいヘンな動きに弱くなってるんです。
ひどい時は一日で頻繁に震度2くらいの揺れを感じて、立ってればぐっと足を踏ん張ったりしてんの。目の前にゆらゆらするものがあると、平衡感覚がおかしくなって倒れそうになるんだから。
で、MRIの中に入っていくベッドの動きが気持ち悪いわけ。プラスしてさっきも書いたような圧迫感とプレッシャーがあるから、吐き気がすごいんだって。
MRI自体は一応、2回目なんだけど、まったく慣れない。むしろひどくなってるの。
一応、手に非常用のスイッチみたいなのを持たされて、何かあったらそれを押せば多分中止してもらえるんだろうけど、こっちは別の症状で検査を受けに来てるわけじゃん。
MRIを中止して検査が受けられないとなると、それはそれで問題があるわけ。
考え事をしてやりすごそうとするも
だから、かなり我慢するんです。それも限界があるから、なにか考え事をして気を紛らわそうとするの
とりあえず検査が終わったら、ご褒美になにか食べに行こうかとか。なにがいいかな。お寿司かな。やっぱりお寿司かな。いやでもなぁ、回転寿司、一昨日行っちゃったんだよなぁ。ご褒美でもないのに行っちゃったんだよなぁ。
ラーメンは特別感ないじゃん。肉とかもあんまりだし、デザート系もそこまで魅力的じゃない。
なにより今は吐き気がすごいから、食い物ののことはもういいやってなって。
じゃあ、なにか買うか。奮発してなにか買っちゃうか。なにがいいかなぁ。
でもなぁ、無駄な買い物すると、あとで後悔するんだよなぁ。それにこの検査でもしも何か変なものがみっかったらさぁ。そんな買い物しても… ってなるじゃん。
あれ、まずいまずい、トーンダウンしてるって。
買い物じゃないか。じゃああれだ、パーッと飲みに。
いやでもまだ流行り病があれな状況だし。なにより、知ってるお店はもうつぶれちゃって、酔ってもいい店がなくなっちゃったんだよなぁ。寂しいなぁ。むかしはあんなに、飲み屋に入り浸ってたってのになぁ…
ほら、だんだんダウンしていくから。思考がダウンの方向に入っていくから。そりゃそうだよ、検査なのに超絶具合悪いんだもん。
仕方なく目を開けると、天井に上下に一本ラインが入ってるの。模様っていうか合わせ目みたいな感じで。
それがゆっくり下がってくる、つまり自分の体がトンネル状の機械の奥の方にゆっくり移動してるように感じに見えるわけ。
これは錯覚だなって、直感的にわかるんです。冷静になってみると、ベッドが動く時はモーターの動作音がしてたのが今はしていないし、無限に奥に入っていくように感じるんだけど、そんなわけはないじゃん。
でも、ゆっくり奥に入っていく感覚はある。錯覚だとしても、それが起こるくらい、今の自分の感覚は相当キテるってのは間違いないという現実ね。
一切関係ない写真でお茶を濁す |
狭いのイヤイヤ系
どんどんダウンしていく気持ちの中で、狭いところは今後もう入らないようにしようと誓ったりして。
そんな時にふと思い出したことがあるんです。10年ほど前に東京にいた時に、駒込でカプセルホテルに泊まることになって。それもひどい仕事でそうせざるを得なくなったんだけど。
で、カプセルホテルって無意識に避けていたんだなって、その時に気がついたのね。今までさんざん、野宿だの車中泊だの、旅しながらやってきたのに、カプセルホテルって避けてたんだってその時になって気がついたの。
狭いの、ダメなんだわ。いつからだろう。そういうトラウマめいたものも、全然思い浮かばないんだけど。
カプセルホテルも、最近のは結構広いみたいだけど、頭の方向が閉ざされてるのが、どうも苦手みたい。だからって入口側に頭を向けて寝ればいいかというと、電源とかスイッチ類とかさ、そういうふうに作られてないし、頭の向こうが即通路ってのもまぁ落ち着かないわけ。
それを思い出して、ますます弱気になっていくんです。
あ、MRIの検査時間は10分ね。これも長く感じるんだ。時計もないし、体感的に判断するしかないんだけど、その感覚ってやつが船酔いみたいになってて、まったく信用できないからさ。
で、あとは錯覚を避けるために目を閉じて、考え事をするしかないの。ドッキンドッキン金属系の音が延々と鳴る中で。吐き気と戦いながら。
こんなに考え事に向かない環境っていうか状態、ないよね。色んなことを考えてみるけど、まとまるものもまとまんないわけ。
動いちゃいけないから、ある程度は身体を制御するというか緊張してなきゃいけないんだけど、目を閉じてると浮遊感も出てきて、目を開けるとゆっくり頭上に向かって移動していくしさ。
巡り巡って辿り着いた癒やし
それで、ようやく検査が終わって開放されて、冷や汗とかなんか色々ぐったりして、もうなにもかも嫌になって病院から出たんです。
さすがに疲れた。異常なしの診断をもらってとりあえずはひと安心したんだけど、じゃあこの具合の悪さはなんなのよってなる。原因がわからないわけだからね。
プラスしてMRIでの疲れも、どっときて。
具合が悪くて仕事を休んで病院にきてるから、家で大人しく休んでるのが正解なんだろうけど、こっちはMRIのつらい検査から生還したっていうか。シャバに出てきたぞっていう。
だからなにか、ご褒美がほしいの。自分になにかいいことがあってほしいっていうかね。
で、あんだけ色々考えてあれもいいなこれもいいなとか、MRIの機械の中でさんざんやったのに、結果プリン買って帰ってきたっていう。おうちでプリン食べてるっていう。
プリンで癒やされる、プリン体。プリン体質。プリン隊。
そんなだよ。そんな。