どこから話すのがいいか、今年の冬のある夜のことを書こうと思ってるんですけどね。その日のことだけを書いてもあれだし、ある程度は順番に書いてったほうがよさそうなのかな。
自分の時間をどう割り振ろうか
仕事の忙しいシーズンというか、繁忙期ってやつが、ちょいとは過ぎ去りつつありまして。
だからってその、まだまだ流行りの病気はおさまってるわけでもないし、雪だとかで交通状況もよくはないとなれば、たまさかの休みの日にちょっと遠出しようかとはなりにくいというのが、本音だったりしてね。
本音っていうか、じゃあ休みがあったとして、例えば土日の二日間休みですよと。
その二日の間になにをしようかってなった時に、パッと思いつくのが部屋の掃除とかさ、消耗品の買い出しとかさ、要は日々の暮らしの補填だよね。
毎日毎日、なにかを消費して生きてるわけで、そのなにかを休みの日にメンテナンスというかフォローしておいたほうがよさそうだっていうことが、どっかに行こうとかなにかしようってことよりも、先に思い浮かんだりするんですよ。
仕事で相当のダメージを負って帰宅して、それじゃあつまらない人生じゃないかとばかりに、お酒をたしなんだり、みかん食べたり、音楽聴いたりして、消費して暮らす。
そしてそれは、睡眠時間を削ることになるの。一日は24時間しかなくて、そのうち仕事の忙しさで8時間を超えて働いたりすりゃあさ、残った時間の配分ってことになるじゃない。
入浴とか食事はさ、シャワーでわーっと済ませるとかメシも義務的に済ませるみたいに能動的に時間短縮することは可能だけど、睡眠時間ってそういうコントロールが難しいでしょう。
加えて食事はやっぱりもうちょっと時間かけて美味いもん食って、なんらかの満足感を得たいとかね。お風呂だって湯船につかって身体をほぐさないと疲れが取れない、みたいなこともあるわけで。
眠れない夜、寝てしまう夜
で、その中で睡眠って、調整が難しいと思ってて。眠気がやってきたらなかなか抵抗できないし、逆に寝付けないなって時もあったりして、思ったとおりにいかない。
だから一期一会というか、その日その日で今日は眠くないやと思えば、無理に寝ようとせずに自分の時間のために使うほうが自然なんじゃないかっていう思いがあるのね。
だから、結果的にだけど睡眠時間が少なくなるってことは、あたしにはよくあることだったりするんです。
眠れないこともあるんだけど、すぐ寝ちゃうことも同じくらいあってね。
若い時はどこでもいつでも眠れる体質なんだろうなって思ってたくらい、寝たいって思った2分後にはスイッチオフ的な感じで眠ってたし、長時間睡眠も得意技だったんです。
今はスイッチオフがかなり強力になってきてて、仕事を終えて帰宅後にもう無理マジ無理絶対無理と思って、半ば気絶気味に寝る時があって。
メシも食わないで、そのままバツンとブレーカーが落ちたみたいに寝ちゃうことが増えてきた気がしてます。
で、もう眠気のコントロールはあきらめちゃってる部分もあって。さっきも書いたように、眠れる時は寝る。眠れない時は仕方ないみたいな。それでいいやと。トータルすれば一日平均6時間とかそのくらいにはなってんだろと。
それでいいよ。そういう身体なんだから、そうしたいならそうするのが、無理をしてないってことなんだろうと。
ある意味開き直りというか、悟りに近い感覚なんですけども。
で、何の話だよと思う向きもあるでしょうが、前フリです。ある日のことを書こうと思ったら、その前フリから書かないとたぶん伝わらないんじゃなかろうかと。なかろうもんと。
人間だった
その日も、仕事自体は早めに終わって、一旦帰宅したのはいいけど、眠くて。
着替えて横になって、ああもうこのまま寝てしまおうと。
羊とか数えるまでもねぇし、睡眠導入剤だの睡眠の質を改善だの七面倒なことをする必要もない。寝たいなら寝るべきっていう、もう動物的な本能丸出しで。
意識もふわーっと遠のきつつあったんですけどね。
でもね、人間だった。あたしゃ人間でしたよ。
…今日のうちにガソリン入れないとマズくね?
っていう、理性が最後の最後の力を振り絞って、半分以上ドリーミィワールドに、イッツ・ア・ワンダフルドリーミンワールドに連れてかれかけた頭にメッセージを送ってきたんです。
明日早いから、朝出勤時にガソリンを入れている暇はちょっとないぞと。
で、記憶が確かならマイカーのガソリン残量がそんなになかったはずだぞと。
確かに雪は落ち着いてきたけれども、なにかの間違いで一晩の間にわっさわっさと降られた日には、朝っぱらから渋滞なんかも起きうるし、そうなったら燃料が少ないのはマズいんじゃないの?
人間だったよね。
眠いを通り越して、物理的に布団に吸い付いてるんじゃないかっていう身体を嫌々ベリベリとひっぺがして、ノロノロと身支度したもんね。たしか、18時くらいに家を出たんじゃないかと思います。
人間だったっけ
一桁台の気温の中を、車でちょいと走ってガソリンスタンドに辿り着いたのが18時半とかそのくらいだった気がするんだけど、そのスタンドの店員さんが真面目というか仕事熱心と言うかさ。
洗車のサービス期間ですと。
今なら安いし空いてるし、いかがですかと。
給油口にノズルを突っ込んだまま、寒いなぁ眠いなぁが脳細胞のほぼほぼ占めてるあたしに向かって話しかけてくるわけ。
そりゃあ向こうだってお仕事だからさ。客が来たらそういう案内をしろって言われてるから、特に明らかに眠そうにしてて顔全体が「ツラい」で覆われてる残念なやつがきたら積極的にサービスの案内をしろって言われてるから。
誰が残念フェイスだよ。ほっとけよ。
だから、気温2度とかの、洗車した端から凍りそうなさ、どうみても洗車なんかしなそうな日でもガソリンスタンドの店員のオジサンが話しかけてくるわけですよ。
そりゃしょうがない。向こうだって商売だから、仕事だから。それに対してどうのこうのってのはないわけ。なにより眠いし。
でもやっぱりさ、あたしゃ人間だからさ。思っちゃうのは仕方ないじゃん。
ちょっと遠くのスタンドにすればよかったかな。
尋常じゃない数のピアスをつけてて耳が北斗七星みたいになってる、かわいらしいけれど愛想はお母さんの体内に置き忘れてきたであろうギャルのいる、セルフじゃないスタンドのほうに行けば、逆になーんにも会話しなくてよかったかな。
むしろセルフスタンドに来てんのに、なんでこんなに話しかけられてるんだろう。気温2度なのに。
人間とは言え睡魔に支配されかかってるから、こっちは。もうそろそろ人間かどうかもあやしいんだから。
だからなんか相槌打ったか適当に返事したんだったかもう覚えちゃいませんけど、洗車については丁重にお断りして給油だけを済ませましてね。もう帰ろうとしたんです。
ただね、18時半ころじゃないですか。帰宅ラッシュなんですよ。そのガソリンスタンドが面している道路との位置関係的なこともあって、家に帰る方向になかなか出られないわけ。
で、それが面倒になって自宅の方向とは逆に一旦出ちゃって、どこかでグルっと回って帰ればいいかとなり、とりあえず逆方向に車を走らせたんです。
睡魔 vs 人間
で。
せっかく外に出たんだし、今夜のエサくらい仕入れて帰ろうと。
今の状態で、帰ってからご飯作るとか正気の沙汰じゃないから。睡魔をとりあえず追いやって無事に帰るだけでもかなりのパワーを使うってのに、帰ってから自炊とかもってのほかですよ。
それに、帰ってすぐ泥のように眠ったとしても、どうせ夜中に起きておめめパッチリになって、おなかすいたってなんだから。なにか食えるものがあったほうがいいに違いないわけ。
じゃあコンビニに寄ろうか。
でもな、コンビニのお弁当もちょっと飽きてきてるし、それに今ならスーパーに行けば値引きされててお得なんじゃないかな。
じゃあスーパーに寄ろうか。
でもな、近くのスーパーは今の時間だと、そんなに値引きになってないんだよね。惣菜もそんなに好みのやつが置いてないし。
だからって、遠くのお店まで行くのはけっこうダルいよね。さすがにダルいよね。
じゃあ近くのコンビニでいいか。
でもな、コンビニのお弁当もちょっと飽きてきてるし、それに今ならスーパーに行けば値引きされててお得なんじゃないかな。
じゃあスーパーに寄ろうか。
でもな、近くのスーパーは今の時間だと、そんなに値引きになってないんだよね。惣菜もそんなに好みのやつが置いてないし。
だからって、遠くのお店まで行くのはけっこうダルいよね。さすがにダルいよね。
…
…
…繰り返すよ?
これをあと7回は繰り返すよ?
文章的にはコピペすればいいだけだけだからやってもいいよ?
いいけど、さすがに7回はやりすぎでしょうよ。読んでる人も瞳孔ガン開きになるよ。
でさぁ、気がついたら遠くまで来ちゃってるの。
家からどんどん離れてってるの。遠くの店まで行くのがダルいって本気で思ってるくせに、遠くまで車で行ってんだから。
なんなのもう。
それで、睡魔だよ。
やつがピッタリくっついて離れないわけ。さすがに運転中は危険だからとにかく睡魔を払おうとするんです。
最初は悪魔の顔をしたコウモリの翼とかはやした、見るからに悪い格好してんの。睡魔だから。そんなの相手にしませんよ。どうやったって悪人面だし。明らかに悪いやつだし。
でも、信号待ちとかするじゃん。止まってるとやっぱり眠気はあるわけ。でも悪人面の睡魔とかは負けられねぇから。そんな極悪人には負けようがないから。
負けるとしたらそうだなぁ、かわいいネコとかがふにゅーって抱きついてきて、おなかすきましたにゃーとか言われたら負けるよなぁ。おい、エサくれにゃ、おなかすいたんだにゃ、とか言われたら…
で、ハッとなるわけ。悪人面だった睡魔がちょーかわいいネコになってるんだよ。あぶねぇあぶねぇ、騙されるところだった。
こちとら、すぐ現実と妄想を行き来できちゃうんだから。どっちがどっちかわかんないんだから。居もしない睡魔の話をもう何行書いてんだっていう。なんだよ、悪人面の睡魔って。
第2駐車場にて
それでもう、とにかくどこでもいいから、スーパーでもコンビニでもいいから一旦車から降りて眠気を覚まそうと。すでにまあまあ家から離れてっから。買い物して眠気覚ましのコーヒーでも買って帰ろうと。
それで、通りがかったスーパーの駐車場に車を停めてね。ちょっと歩いて眠気を覚まそうと思って、駐車場の中でも店の入口から一番遠いところにわざわざ停めて。
…いや、だから。
気温2度なんだって。第2駐車場のいっちばん奥じゃなくてもいいだろうよ。なんでも極端なんだよ。店内に入るまでにガタガタ震えてんだ。
またそのスーパーの店内も寒いんだわ。
生鮮品とかがあるからぬくぬくなスーパーってのはほとんどないのはわかってるけど、業務用冷凍庫が開けっ放しなんじゃないだろうかっていうくらい寒いの。レジのおばちゃんとかもっふもふの上着着て足元にハロゲンヒーターみたいの置いてんだもん。
こんだけ寒いと長居もしたくなくなってきて。さらに言うと惣菜はエビの天ぷら以外はほぼほぼ全滅だしさ。口にできそうなものがないっていうね。
でもう、なんでもいいやと適当に買い物して、お会計をすませてさ。最近じゃ、エコバッグ推奨なのかレジ袋が有料になっちゃったけど、そういう洒落臭いの持ち歩いてないからさ、買うよね5円だったか3円だったか出して、レジ袋買って。
それに詰めてるのが、エビ天でしょ。ヨーグルトでしょ。あとツナ缶。
とりあわせはどうなってんの。その買い物の仕方はなんなのっていう。
んで、またトボトボと無駄に広いスーパーの駐車場を歩いてさ。気温2度の中を歩いて、車に戻ってきて。
なにやってんだろう。あたしなんで抱きしめたいんだろう。あたしなんで真冬のスーパーでエビ天買って途方に暮れてんだろう。CHARAいわく、そういう状況になって。
で、缶コーヒー買い忘れてっから。
あったかい缶コーヒーを買うって言ってたのに忘れてっから。そりゃそうだよ、居もしないCHARAが歌ってんだもん。忘れるって。
行きゃあいいんだよ、店の入口に自販機があんだから、そこまで行きゃあさ、あったかいコーヒーが売ってんだよ。
そりゃ、店の中に入ればおんなじコーヒーが70円とかで売ってますよ。でもそれはなんか負けじゃん。負けてるじゃん。
だってまた寒い店内をウロウロして、もっこもこのレジのおばちゃんにまた来やがったコイツ的な目で見られですよ、しかも缶コーヒー1本持って。
それはダメだろう。人間としてダメだろう。
だから歩くよね。また第2駐車場のいっちばん奥から店の前の自販機まで行って、あったかいコーヒーを買って、車まで戻ってくるよね。往復するよね。気温2度なのに。
そりゃさすがに睡魔もどっか行っちゃうって。コーヒー美味いし。寒い日の缶コーヒーってなんであんなに美味いかね。ビックリするくらい美味いよね。
それで、なんとなくお腹空いてきちゃって。
あれ、さっきなんか買ったよね?
もうね、完全に忘れてんの。寒かったことと缶コーヒーうめぇで、完全に忘れちゃってんの。
で、往復から戻ってきて助手席に置いたレジ袋をのぞいてみたら、缶詰とひじきとエビ天がいてね。
エビ天食うよねー
エビ天、食っちゃうよねこうなったらね。
ノー箸、ノー醤油で。
だって缶詰は無理じゃん。ひじきだって素手では無理だよ。指をチョキの形にして箸に見立てたって、ひじきは無理だって。
エビ天なんてあれだ、尻尾をつまんで食えばさ、箸なんてなくたっていいんだよ。ワンハンドメニュー。
流行ったのあれ。ワンハンドとかちょっと前にあちこちで言ってた気がするけど、片手で食えます的な謳い文句のなんかそんなのあったよな。あれなんだったの。
エビ天だってワンハンドだよ。ワンハンドどころかツーフィンガーあればさ、なんとか食えるんだって。
だから、あれだよね。第2駐車場で正解だったよね。みんなやっぱりさスーパーの入口近くに停めるんだよ。そっちのほうはまあまあ車がいるわけ。
でも第2駐車場のいっちばん奥なんか誰もいやしないんだから。車内で、素手で、ノー醤油でエビ天をもさもさ食ってたっていいんだよ。誰も見ちゃいなんだから。
あのね。
別に回るやつなら寿司くらい普通にいけますよ。なんなら焼肉だっていけますよ。いきなりじゃないステーキ屋だって構いませんよ。
うなぎの美味い店でさ、特上とかないの。
ウチのはいいやつしか出さねぇんだってポリシーのある大将がやってる鰻屋だからさ。だから並も特上もない、値段も書いてないような老舗の鰻屋にふらっと入ってうな重頼んで、焼いてもらってる間に冷酒でも飲んで待つみたいなやつをやったって、全然払えますよ。
なのになにを、その、何度も言いますけど外気温2度のスーパーのほぼほぼ真っ暗な駐車場のすみっこで、半額になったエビ天を素手でつまんで食ってるの?
なにしてんの?
ランダム再生の罠
考えるよね。そりゃあ考えますとも。
なぜ、こんなことになったのか。ここに辿り着くまでにどこをどうやって、物理的にも思考回路的にも、どうやってきたのか。
そして、なぜすでに五千文字をオーバーしているのか。ガソリンスタンド行ってからスーパーに寄ったっていうだけの話をだよ。
考えますよ。右手に缶コーヒー、左手にはエビ天。そりゃ、考えざるを得ませんよ。
その間は、エンジンつけっぱなしは近隣の方々に御迷惑ですから、やめてたんですけど。だんだん窓ガラスも曇ってくるしさ。
なにより寒い。こんな日にやることじゃないっていまさら思うよね。
もう、帰ったほうがいいだろうと。さすがに帰るべきなんじゃないだろうかと。エビも食ったし。
それで、エンジンかけて車を走らせたんですけどね。
もう完全に眠くないの。睡魔を撃退しちゃってるの。なんだっけ、悪魔顔だっけ悪人ヅラだったっけ、あいつあいつ。
とりあえずここから家までは車で30分くらいだろうと。じゃあちょっと音楽でもかけて、まあ色々あったけれど、ちょっと気晴らしにドライブしたってことでいいじゃないかと。
半ば洗脳だよね。自分を言い聞かせてね。
車で音楽を聴く時は、スマホをカーステレオに繋いで聴いてるんです。この時も自作のプレイリストを選んで、ランダム再生にして帰路についたんですけどね。
ランダム再生、シャッフル再生の方が正しいのか、ともかくそれってCDプレイヤーの時代にも機能としてあった気がするんですけど、今はデータだったりサブスクリプションだったりするじゃないですか。
だから、昔はアルバムを買ったらその曲順通りに聴く方が普通だったけど、今はランダム再生で聴くことの方がずっと多いと思うんですよね。もちろんアルバムの曲順通り聴くっていうのも、今でも正しいというかそうしていいんですけど。
昔も自分で選曲してカセットテープなりMDなりにまとめる、なんてことはやってたんですけど、今はその行為が、要はプレイリストを作るのがすごく簡単だもんね。
オリジナルの選曲の順番にもこだわって意味をもたせるって場合もあるだろうけど、とにかく気に入ったらリストにどんどん追加していってシャッフルして聴くっていうのが、当たり前になってる。
で、そうなった時に、シャッフルなのにランダムに再生してるはずなのに、すごくいい曲順になってるってこと、ない?
この曲の次がこれか! っていう。無作為なのにその時の状況とか心理状態にすごく合ってる順番で流れてくると、なんかこう嬉しくなるというか。お前わかってんなっていうか
あと、これはわかるかなぁ。
シャッフルなのに、次に流れる曲が頭に浮かんで、さらにその通りに流れてくることない?
今流れてる曲がもうすぐ終わりそうな時にたまになるんだけど、次の曲の始まりが頭の中で鳴ってる時があるの。
で、本当にその曲が流れてくることがあるんだって、マジで。マジだって。妄想とかじゃないってマジで。
その瞬間の、おおーっ! っていうさ。
超能力感というか、ランダム再生と自分がシンクロした感じというか。あの不思議な感じなんだろうね。説明できないけどあるんだよ。
でね。
その、エビ天の帰りがまさにそうで。もうエビ天食いに行ったことになってるというか、しちゃってるけど。
シャッフルの曲順がすげぇいいの。ずーっと聴いてたいくらい、いい流れなわけ。もちろん自分で選んだプレイリストだからさ、好みじゃない曲は入ってないんだけど、並びがいいの。
だから通り過ぎるよね。自宅の前を。
通り過ぎてさらに小一時間くらい走って。
何年かぶりにきた道の駅まで来ちゃってさ。ひじきと缶詰持って。
…21時だって。明日も朝早いんじゃなかったっけ。これからまっすぐ帰ったって22時にはなっちゃうよね。ド平日に、明日も仕事だってのに、なにをやってるの。
数年ぶりの道の駅からまた徘徊へ
とりあえず車を降りまして。道の駅の施設自体はとっくに営業が終わってるけど、自販機コーナーみたいなのはあるわけで。
寒いからあったかいコーヒー買うじゃん。寒い日に飲む缶コーヒーはなぜこんなに美味いかね、ってなるじゃん。本日2回目。
で、なぜかお腹がすくんだよ。そりゃそうだよね、エビ天とコーヒーしか口にしてないんだもん。エビ天丼ならわかるよ。単品だよ。エビ天もほぼ衣の、身のほっそいやつだよ。腹もへるっての。
それで思い出したのが、この近くに確かまだ営業時間内のスーパーがあったはずだと。そこでなにか買って帰ろう。いやまずは入り口付近に停めよう。そこから始めようと。
そこから車を出して、そのスーパーに行って。
このスーパーに寄るのも何年ぶりだろうっていう感じで、近くの街並みはちょっと変化があったりしたんだけど、スーパー自体はまだちゃんと営業しててね。
店の前の駐車場は全体の三割くらいが除雪でできた雪の山で埋まってて、高い雪山に囲まれるようにしてお店があるような状態だったな。だから、必然的に入口付近に停めるしかないという感じで。
深夜に近いスーパーって、なんかいいよね。客もまばらだし店員さんも棚の整理とか補充とかレジの精算とかしてたりして、要は対客向けじゃない動きしててさ。
客と売り物であふれかえってる活気のあるのもいいけど、静かなその日の終わりに向かっていく感じの店内も嫌いじゃないの。
で、期待はしてなかったんだけど、お惣菜とお弁当にいくつか売れ残りがあって、寄せ集めれば一食分には充分なくらいはあってさ。
それをカゴに入れて、店の中をぐるぐると眺めて回ってたら沖縄フェスのすごく小規模なやつをやってて。沖縄ゆかりの食べ物とかが並んでるちょっとしたエリアがあって。
北海道フェアとか東北うまいもん祭りとかはたまに見かけるんだけど、案外沖縄とかはやってないイメージだったから物珍しさもあって、いくつか買い物をしたりして。
高い土産物みたいなのをここで買ってもと思うけど、千円もしないちょっとしたものなら手も出しやすいし、こうやって話のタネにもなるし、仮にそんなに口に合わないなってなってもダメージが少ないしね。
だからちょっとした旅に出ても、自分へのお土産はこういうのが多くなっちゃう。ちょっとしたものって、なんか楽しいじゃん。ね。
そこで時間をつかっちゃって、帰宅してから広島県産牡蠣のフライが乗ったお弁当を食べ終わったら、もういい時間で。
次の日の朝は眠くて仕方がなかったっていう。自業自得の見本みたいな。
そんなだよ。そんな、沖縄に行った気がしなくもない話だよ。そんな。