雑談ラジオ クリスマスに神様が

2023年12月26日火曜日

#食べもの #旅

t f B! P L

  「思い立ったが吉日」を擬人化してスニーカーを履かせて後ろから思いっきり蹴っ飛ばしたようなのが、自分を表現するのに合ってなくもないというか。まあ、急になんかおっぱじめるわけです。ほら、急にブログとか書いてるから。たいして更新しないやつを、急にだよ。

 てゆーか、後ろから蹴るんじゃないよ。例え話だとしても急に蹴られたら痛いでしょうよ。しかもスニーカー履いて靴紐を結んでる時に後ろから蹴るんでしょ。危ないから。ごろごろ転がってくから。

行こう行こうと思ってた

 前から考えてたことではあるんですけど、とある物を買いに行こうと思ってたんです。ちょっと遠いのがネックなんですけど。

 店頭で買えるお店の中で、一番近い場所でも自宅から100km以上離れてまして。

 

 今どきさ、通販でなんでも買えるじゃんね。しかも速けりゃ翌日にはもう届いたりするじゃん。

 通販サイトで買えばいいの。わざわざ出向かなくたって、家にいながらスマホなりパソコンで買えるんだしさ。送料払えば、お届けだってしてもらえるんだから。なーんにもしなくていいじゃん。

 でもそれでいいのかと。

 そんなことで果たしていいのかと。

 あたしゃ問いたい。問いかけたい。そんなことでいいんですかと。

 なんでも便利になって、それを享受しまくって、その便利さに慣れきって、べろんべろんになって夜中に急に思い立って讃岐うどん5kgを注文するようなことがあっていいのかと。

 あたしゃ問いたい。

 讃岐うどん5kgをどうやってひとりで消費しろというのかと。そりゃ酔ったシメにうどんは美味かろうよ。恋しかろうよ。

 でも通販で頼んだって今すぐは来ないだろうよ。出前じゃないんだから。届いた頃には酔いも覚めてるっての。しかも麺だけだよ。5kgも。

 

 そもそもさ、やっぱりお金を出すにあたっては、現物を見て買いたいってのはどっかにはあるんです。

 いつも手にとって買ってる商品を、たまたま通販で買うのはいいと思うけど、やっぱさ、モノを見たいじゃないですか。

 画像じゃわかんないことも多いわけ。質感とか色味とか味や匂いもわからない。

 あと、このブログでもツイッターでも何度も書いてるけれど、スーパーマーケット巡りをしてて陳列を見たいっていう部分もあるんです。この商品をこの列に並べる意味はなんだろうとか、レイアウトを見て妄想するのが楽しいみたいな。

 

 だから、ずっと行こうと思ってたんです。100km以上離れたそのお店に。

 ただねぇ、100kmは遠いって。いくらあたしが長距離運転するのにそんなに抵抗がないとはいえですよ。100kmはさすがに遠いと感じるの。

 事前にナビで確認してみたりしてさ。高速道路を使うパターンと下道で行くパターンとで、最短ルートはこうでとかやってみたりして。

 

 でもね、むしろそんなことしちゃダメだった。事前にルートとか確認したら、遠いって頭で理解しちゃうもの。

 思い立ったが吉日で、とりあえず行ってあーやっぱ遠いなぁでもこんな道があるんだ、こんな店できたんだ、こんなところに味わい深そうな神社があるんだとか、すれ違う街並みを楽しんでれば案外遠いっていう感覚は薄くなっていくもんでね。

冬になる前に

 それを、前から行こうと思ってたぶん、色々調べたりしちゃったもんだから、なかなか行こうと思えなくなっちゃってて。

 おふとんにもぐってダラダラしてたほうがいいんですにゃーとかなって。おひるねむにゃむにゃとかなって。

 そんなだったの。ずーっと。

 

 それが急に行くかってなったのは、これから冬がくるから。雪が降るから。積もるから。

 今年は暖冬だとか言われてるけど、だからって積雪しないって保証はないじゃない。もし普通に雪が積もっちゃったら、100kmもかけて行くのは相当ハードルが上がることになると。

 行くなら11月中に行くしかない。なるべくなら3連休の11月3日から5日の間に行くのが一番いい。そんなことを思ってたんです。

 

 それがその3連休がどうも出勤になるんじゃないかということになり。それを回避すべく、10月の終わりから11月になる週はまー忙しくなってしまったってのがもう、つまずきで。

 おかげさまで3連休は確保できたんだけど、寝るよねぇ。連休初日の11月3日は丸一日ぐったりしてて。なーんにもする気が起こらない。100kmどころか1ミリも動きたくないわけ。

 人間かな、泥の塊かな、人間かな、ああたぶん人間だったみたいな。そんなの状態だったの。

 でもめったにない連休だし、なんでも急に始めるからさ。家の掃除とか突発的に始めてみたり。ゴミ捨てに行ってきたり。でも体力はそこまで回復してないからすぐ電池切れになって寝てみたり。

 そんな感じで、ずっと行こうと思ってた件のお店まで今日こそ行くぞとなったのは、11月4日のお昼近くだったと思います。

ネットを見るな

 年を取ったってことなんですかね。

 「昔はね」 っていう枕言葉が増えてんじゃないかと思うこともあるんですけどね。

 昔はね、ここ行きたいなと思ったらもう行ってたの。そんな気がするの。むしろ、行きたいなと思ったらもう着いてたくらい。

 浅草神社行きてぇなと思ったら、ハッと気がついた時には浅草神社の前にある立ち食いの寿司屋で中トロ食って境内の鳩と仲良くなってたもの。

 ハッ! 福井でカニ食ってる… とかあったもの。

 ハッ! 名古屋を過ぎてる… とかさ。あったもんね。それ、新幹線で寝過ごしただけじゃねぇか。

 

 それがどんどん思うだけで実行できなくなってきてるんです。それには色々要因もあって、体調面とか金銭面とか休日のタイミングとか様々なことが重なってるんだけど、昔と違うのは行く前に入ってくる情報量だと思うんですよ。

 なんでもネットで調べられちゃう、いや調べようというか深く知ろうとする前に目に入っちゃうようになってるじゃないですか。視界に入ってくるっていうか。

 例えばそうね、ラーメン屋。気になるラーメン屋とか定食屋とか、そういうのがあるってなにかで知って。行ってみたいということになり。

 とりあえず場所が知りたいと。

 まず場所でしょう。どのくらいの距離感なのか。行きたいなって思ったんだから、どうやって行こうかってなるよね。

 で、知りたいのは場所だけなのに、ネットなり地図アプリなりで検索すると、なんか知らないけど口コミの星みてぇのが目に入るじゃない。別に見る気はないよ。見る気はないけど、星3.1とかなってるのが目に入るよね。

 そりゃ他人様の評価がどうだとか知ったこっちゃないよ。何点だろうがさ、どうでもいいことですよ。でも、3.1ってのが見えちゃったらなんにも予備知識無しの状態にはもう戻れなくね?

 意識的に消そうとしても、心のどっかにあるわけですよ。3.1? あれ? ってなった印象。SNSに載ってた写真、美味そうに見えたうまうま五目ラーメンに、星3.1って要素が足されちゃったのはもう修正不可能なわけです。

 

 昔はさ、国道◯号線をずーっと行ってなんとかって橋を渡った先から左手をずっと見てるとデカく「餃子」って書いてあるボロ家が見えてくるから、って知り合いに言われて。そこ行ってみろと。美味いからと。

 それだけを頼りに行ったりしたわけですよ。その時だって余計な知識を入れたくないから。バイトの女の子が浜辺美波似の美人だとかしゃべろうとする知人の口をタオルで塞いでですよ。

 そうやって、とりあえず行ってみるってことのほうが圧倒的に多かったんです。

 

 それがさ、今の御時世なんでも先に知っちゃうじゃない。知りたくないことまで知っちゃうでしょう。下手すりゃ美人のバイトが店長とデキてることまで、ウソかホントかは別としてネットに載ってたりするじゃないですか。

 で、それでもと思って現地に行ったとしてね。そうすると予備知識の確認作業みたいなことになっちゃうわけ。

 事前に確認した通りの道を行って、事前に確認した通りに食券制で、事前に確認した通りにちょっとぬるいけどコクのあるスープと細縮れ麺が絶妙に絡み合って。強いて言えば、浜辺美波は言いすぎじゃね? ってことくらいしか事前情報との差異はないっていう。

 そういうことになるじゃないですか。

 ましてや、現在三千文字使ってますけどね。まだ冒頭に書いた100km離れた店に行ってもいないっていう。ありもしないラーメン屋の例え話で延々と文字数を消費するようなやつなんですよ、あたしゃ。妄想ばっか広げられるわけ。

 浜辺美波にたいして似てないバイトの子と店長がデキてるデキてねぇみたいな、どーでもいい丸っきり妄想の、いもしないありもしない話を延々とやれますよ。

 そのくらい、ちょっとのことで脳内で色んなことを膨らませちゃうような人種のあたしには、今の時代は情報過多もいいところなんです。能動的にそれほど調べはしないのに勝手に入ってくる話だけで、行った気になっちゃうっていうかお腹いっぱいになるの。

成仏のさせ方

 もちろんネットで情報を事前に得られることが悪いとかデメリットが多いとか、そういう話でもないわけ。

 例えば実はもう閉店してるとか、事前に知ってれば空振りしないわけでしょう。行ってみたものの目標を見失うみたいなことにもならないわけですよ。

 でも、行ったら定休日だった、みたいなことが面白さだったりもするじゃないですか。怪我とかしない程度の不測の事態が面白いっていうか。

 例えば有名な花火大会に行ってみたけど、晴天で何事もなくすごい花火を見たよっていうことよりも、大雨でずぶ濡れになって結果花火大会も中止でさぁっていうことのほうが、思い出としては印象が深くなると思うんです。

 

 ブログなんで時事ネタみたいなのは書かなくていいと思うんですけど、高島屋のクリスマス用ケーキの配達を頼んだら崩れて届いた、みたいなニュースあったじゃないですか。

 あれだって、考えようによってはいいネタもらったなっていうか。

 いや、そりゃ実際にそうなってたら気分はよくないでしょう。でも、そうなる可能性は、頼んだ時点でゼロじゃないってのはわかりきってることで。近所のラーメン屋の出前だって、スープがこぼれてることもあるでしょうよ。

 ウーバーイーツの置き配指定だって、取りに行ったら頼んだ寿司がシャリとネタが裏返しなくらい思いっきり片寄ってたってことがないとは言い切れないんです。

 

 そういう時に、けしからんクレーム入れたる! みたいな感じの成仏のさせ方より、いい話のタネになるじゃんっていう方向性のほうがいいと思うんです。泣き寝入りと紙一重だったとしても、健全なのはそっちかなと。

 

 だから、前もって調べすぎてある程度知識を持った状態で行っちゃう、確認の連続的なつまらなさより、最低限のことだけ持って行ってみてからグダグダになって、でも後で思えば面白かった笑える話になったっていう、そっちのほうが好きなんですよね。

東北名物

 でね。

 その100km離れたお店に何があるかっていうと、「味どうらくの里」っていう、あれはなんていうものなの。調味料というかタレというか。めんつゆ的な感じで希釈して煮物とか肉じゃがとかに使うやつなんですけど。

 秋田の会社が作ってるんだよね。東北では有名っていうか。

 で、それが美味いっていうか、美味いって言うとちょっと変か。あたしみたいな腐れ泥舌な上に料理が一切無理っていうような、およそ生活に向いてないダメ人間でも、味どうらくの里を適当に入れておくだけでちゃんと食えるものになるっていうのがすごくて。

 何倍に希釈とかあるんだよ? あるんだけど、やらねぇんだから。こちとらそんなふうに出来てないっていうか。

 だから、やらない以上はちゃんとしたものになるわけがないんだけど、理屈から言えばそうなんだけどそれでも、ああこの味でいいなっていうふうになるの。それが不思議っていうかすごいんだ。

 

 で、また話が繰り返しになるけど、通販で取り寄せたっていいんだよ。いいんだけど、つまんないじゃん。

 東北名物だってんだから、東北に行ったら買おうっていうか。そういうのも大事っていうかさ。

 色々足取りが重くなってきて、それでもそのハードルを越えて、ハッ! 旅に出てるってなるためには、そういうのを残しておかないとダメだと思ってて。旅の動機になりそうなものを。

 そういうのが心の中に沈んで積もってるから、色んなものを振り切って、よし行こうって。自分の背中を押せるっていうか蹴り飛ばせるためのものとして。

 

 で。

 今年の、2023年のゴールデンウィークに東北一周してきたんです。

 さっきから書いてるように深く調べてないから。味どうらくの里ってのがあるらしい。それも東北名物だ、じゃあ買ってこようくらいのノリだから。

 最初、福島から東北一周をスタートしたんだけど、たまたまなのか売ってないわけ。立ち寄ったスーパーのそれっぽいコーナーを探しても置いてないの。

 次のスーパーにもない。次にもないってなって。

 もうスーパーに寄るたびに、味どうらくの里はどこだー! っていう。やってることはもう、なまはげだよね。

 

 で、あったんですよ。そりゃ東北一周しましたから、ある店にはちゃんとあるの。それも、確か最初に見つけたのがスーパーじゃなくて道の駅のおみやげコーナーみたいなところて、比較的小さい瓶のやつで。

 こっちはもう、なまはげチックだからさ。なまはげ気取りだから。泣く子がいたぞー! っていう。アルミホイルで作った包丁持って追いかけ回した末に。

 

 でも、なまはげとかチャカ・カーンを気取ってても、理性って一応は残ってるのね。

 瓶か。

 割れるんじゃね? っていう。

 その旅はオール車移動だったから、多少荷物が重くなってもいい。でも、割れる可能性はあるよね。荷室にただ置いといたら、何かの拍子に割れちゃうことがありそうじゃん。

 そうなったら高島屋のケーキどころじゃないから。割れちゃったら最後、旅の間中ずっと車の中が肉じゃがの匂いでいっぱいになるわけでしょ。

 だから、100円ショップで緩衝材の、プチプチの袋みたいなのを買ってそれに包んでさ。着替えの入ったバッグを上に置いて動かないようにしたりして。

 

 そしたら、1.8リットルのプラ容器に入った徳用サイズみたいなのが売ってんだよ。そりゃそうだよね。道の駅のみやげものコーナーじゃなくて、スーパーには特大サイズがあるんだよ。だって東北地方じゃ有名な調味料なんだもん。そんな小瓶しかないわけないじゃんね。

 買ったよ。買いましたよ。割れねぇし。こっちのは割れっこねぇし。これがもし割れたら肉じゃが工場みたいな匂いに包まれて東北の津々浦々を回りゃいいんだよ。

 で、車の中に小瓶の味どうらくの里が数本と1.8リットルのやつを1本積んで、東北一周の旅から帰ってきたんですけどね。

仕入れに行こう

 さっきも書いたように、適当に入れてもちゃんとそれっぽい味になるわけ。料理なんてほぼしないんだけど、せっかくだからと色々やってたらまあまあの勢いでなくなってきて。

 料理下手には魔法みたいな調味料だからさ。味どうらくの里がないと、今後自炊するたびにひどい目に合うのはわかりきってるんだから。

 

 じゃあ買いに行くかと。秋田まで行かなくても手前の山形で売ってるのは旅してきたなかで確認済みだし。1.8リットルのやつを3本いや4本くらい買いに行こうじゃないかと。

 業者だよね。そうなったら。輸入業者。代理店かっていう。

 

 いや待て待てと。

 東北以外で本当に売ってないのか。そりゃ通販はあるでしょう。多分あると思うの。でも、東北まで行かなくてもどこかに売ってるなら、実際に買いに行ったほうがなにかしら楽しそうじゃないですか。

 一番近い販売店とか調べられないかな。

 そう思って検索してみたら、その味どうらくの里を作ってる、東北醤油株式会社の公式サイトに取扱店舗が載ってたの。なにその、至れり尽くせりなやつ。

 

 んで、見てみたら、今いる家から100kmほど離れてるけど東北まで行かなくても買える、それもちゃんと1.8リットルの徳用サイズが売ってるのがわかり。

 輸入に頼らなくていいんだと。密売価格で、売ってくだせぇお代官様、味どうらくの里を売ってくだせぇ。病気のおっかさんがどうしてもって言うんです、みたいなやり取りをしなくて済むと。

 臓器と引き換えにですよ。血を売って味どうらくの里をっていう時代がようやく終わるんだっていうね。

クリスマスに神様が降りてきた

味どうらくの里煮
味どうらくの里煮


 でね。

 行ってきましたよ。買ってきましたとも。

 あれは11月だったんだな。

 もともと、買ってきたその日にこの記事の2千文字付近まで書いて、止めてたんです。

 基本、ブログって理詰めで書いてないっていうか、なにかが降りてきて憑いて書けるので、降りてこないとそうやって書きかけで放置することもけっこうあるんですけどね。

 降りてきたよね、クリスマスに。年末に。しかも今、4時10分ですけどね。真夜中に神が降りてきたよ。ブログ神が、いや味どうらく神が舞い降りてきたよ。サンタだってもうお帰りのころだってのにさ。

 あのね。

 寝たいんだ。年末忙しいんだわ。雪も降ってるしさ。明日ももちろん仕事だしさ。寝たほうがいいに決まってんの。なにしてんの。神は。あたしは。降りてくんじゃないよ。降ろしてくるんじゃないよ。

 

 そんなだよ。そんな。

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