雑談ラジオ 朝からカレー

2023年12月10日日曜日

#おうち時間 #食べもの

t f B! P L

  朝からね。

 お腹すいたな、なんつって。なんか食えるものあったっけって。そんな時にみなさん、どうしてますかっていう。問いかけスタートですよ。斬新。無駄に斬新な始まり方ですよ。

 まあまあそんな身構えなくていいんです。いつもの。いつものやつですから。

なんにもない朝

 普通のお宅なら、一般的なご家庭ならね。昨日の残り物とかさ、朝ごはん用の食材とかさ、なんかあると思うんです。そうじゃなくても冷蔵庫を漁ればさ、なんかあるでしょうよ。

 なーんもないの。

 冷蔵庫にあるもので朝の5分で出来ちゃうカンタン超ウマクッキングー! みてぇの、あるじゃないですか。

 冷蔵庫にあるものがビールしかないんだから。ビール煮で煮るものがないんだから。飲むかプルタブ開けてそのままシンクに捨てるくらいしか、できることがないんだよ。

 そのまま捨てるのももったいないから、いっちまった老刑事の墓前でトレンチコートの襟をたてながらさ、

 「じいさんよ、生前好きだったやつだぜ。いつか、あの世で一杯やろうや…」

 的な空気を出しつつ、お墓にビールをかける空気感をまとってから、シンクに捨てるけどさ。

 いや、捨てんじゃねぇよ。そもそもプルタブを開けるなよ。朝っぱらから飲むわけにもいかないからさ。これから仕事なんだって。

食材はあっても

 いや、ホントになんにもないかっていったらあるんですよ。馬鹿にするんじゃないよ。いくら料理下手な上に克服するモチベーションも上手くなろうとする心意気も、とっくに無くしっぱなしとはいえですよ。

 コメだってありますよ。去年の暮れに、冬休み中ならワンチャンご飯を炊こうと思ったりするかもと思って買った無洗米が、未開封のままありますとも。そろそろ一年経つやつがあるんですよ。

 

 パスタだってありますよ。袋ラーメンだってありますとも。

 でもないんだって。パスタだのラーメンだのを茹でる気持ちがどっか行っちゃったまま帰ってこないんだって。

 まれにですよ。まれに、フーテンの寅さんくらいのペースでまれに帰ってきたって、すぐまたどっか行っちゃうんだから。

 

 でも今朝は違ったね。

 いつもなら飲み物しか入ってない冷蔵庫を開けたら、「オクラと長芋のネバネバサラダ」みたいなのがポツンと置いてあったんだもん。

 んー…

 えーとねぇ…

 入れた覚えがない。ないよ。ないない。え、こんなの買ったっけ?

昨日のことを思い出せ

 …しばらく考えるわけ。昨日なにしてたっけ。

 冷蔵庫をいったん閉めて。冷気が逃げるじゃん。せっかく冷え冷えなのにさ。オクラのなにかとビールが冷えてるのに。

 えーと。

 全然起きれなかったよね。朝っていうかお昼くらいまで、全然。休みだったからいいようなものの、前の日に調子が悪くてフリスクくらいの感覚で頭痛薬飲んでたしね。

 で、夕方あたりにもそもそっと起きて。なんか大荒れの天気で、このあたりも初雪どころか積雪するんじゃないか説が流れてて。

 だからって家にあるものでなんとかしのげばいいか、っていうほど食材なんかないからさ。料理をしようって気になるだけのものがないんだから。

 今日だって、努力すればパスタくらい茹でられたかもしれないけど、体調面でも気持ちの面でも一切そっち方面へいかないわけ。

 

 おふとんの中で。おなかすいたなーって、でも動けないなーって。お腹すいたままでいっかーって。

 そりゃ、そうなるよね。去年買ったコメがほぼ一年手つかずであるような暮らしぶりなんだから。そうなるよね。

 

 だから買い物に行こう。できれば仕事で必要な消耗品も買いたいし、ガソリンも入れておこう。ついでにメシも買えばいいじゃないか。

 こんなですよ。

 身体をふとんから出すのに、あれやこれやと三つも理由が合わさってようやくなんです。

 それも野面でさ。アイラインも引かずですよ。リップも塗らず。コロンも叩かず。ましてやいつものデーモンのメイクもせず。あったかい格好だけして、家を出たんです。

 昨日ね。これ昨日の回想シーンね。

いいレジかかり

 んで、消耗品やらを買い足してガソリンも入れてってなると、その仕事で使う消耗品ってのを売ってる店が限られてるせいで、ちょいと遠くまで車を出さなきゃならないのね。

 ただ、都合のいいことにガソリンスタンドも大きめのスーパーマーケットも近隣にあるので、要はそのエリアに行けば用事はすべて事足りるんです。

 で、必要な物を買ったりして、いよいよメシになりそうなものをとスーパーに行くんですけど。

 これが夕方の混み合う時間帯ってことで、その人だかりを遠くから見るだけで、そこに入っていこうとするだけで、すでに体力が大幅に奪われていく感じがすごいんだ。

 さらに言うと、そんな時間帯に値引きされてお安くなってるお惣菜も少なければ、美味そうなものはもっと早くから来てるお客がゲットしていってるのか、食べたそうなものがないわけ。

 それに加えてもうひとつ言うと、これはもう老化なのかも知れないんだけど、何を買ったか覚えてないの。自分で買ったからには自分で食ってるはずなんだけど、一切覚えてない。

 これが食べたい! っていう気持ちがあって選んだものならもうちょっと記憶に残ってるかもだけどさ、とにかく人混みから出たいみたいなのもあるし、置いてある中から食えそうで値段もそこそこでってものを雑に掴んで買い物カゴに入れるから、食べるってことにほぼ向き合わずに買い物が終わってる感じなんです。

 

 で、混雑を抜けてレジへ向かうと、当然そっちもそこそこ混んでるの。比較的大きめなスーパーだからさ、客もまぁいるんだわ。

 しかも、あたし個人の勝手なイメージなんですけど、接客態度っていうか声にすごく圧を感じるレジ係の人がいるお店でね。良く言えばハッキリしてるというかサバサバとも違うけどキビキビ系の、声の大きいおっかさんがいてね。

 その声がなんかしらないけど、苦手なんです。理由なんかないよね、こういう時って。

 加えて具合悪い中を押して人混みを抜けて、ちょっと買い物しただけでもうヘトヘトなの。

 で、もうひとり、こっちはホントに所作がいいっていうか当たりの強くない、なんにも過不足ないレジの人がいるんですけど、そっちに並んで。そっちの方が時間はかかりそうだったけど。

 なんかそういうのありませんか。レジでこの人がいればそっちに並ぶ、みたいなの。

空いてる店の居心地の

 で。

 多分、この店で買ってると思うんだ。オクラとなにかのネバネバサラダ。多分ね。多分。

 というのも、この日はもう一軒、スーパーに寄ってるんです。

 インフルエンザのワクチンも打ったとはいえ、今年は相当流行してると聞きますよね。他にも収まってない流行り病もあれば、ただでさえこんな有り様な自分がせめてできることはマスクを着けたり手洗いをするくらいじゃないですか。

 そのマスクも、相性というかずっと着けてても耳とかが痛くなりにくいものを自分なりに見つけていまして。その商品は、ドラッグストアとかスーパーとか色んなお店で取り扱いがあるんですけど、今買い物に来ている地域のとあるスーパーは他店より安く置いてるんですよね。

 そりゃ10円20円だったら、そこへ行くまでのガソリン代とか考えればトータルで安くならない、みたいな知恵も働きますから近所で買えばいいんですけど、そのスーパーはなぜか他店より数百円安い価格でずっと置いててくれるんです。

 

 せっかく来たんだし、ついでにそのマスクを売ってるスーパーへ行こうと。

 その2軒目のスーパーはチェーン店ではあるものの規模は普通クラスで、客もさっきのに比べたら少ないし、なんかホッとしちゃって。

 店員さん的にはいいイメージがないし、なんならさっきの大手スーパーよりは若干高い商品が多いんだけど、気持ち的にはかなりラクで。ゆっくり店内を見て回れそうっていう。

 この時点ではさっきのスーパーで何を買ったかなんて、まるっと脳から抜けてるのね。一切覚えてないの。なんか買ったよな。でもまあ、今夜食いきれなくても明日の朝ご飯にすればいいや、っていう感じでそこでもお惣菜を買いましてね。

 

 グッタリして帰ってきて、とりあえず冷やしといたほうがいいものだけ冷蔵庫に突っ込んで、なにかを食べてその日は終わったんです。

 そうだ。

 ここでオクラのネバネバなにかを冷蔵庫に入れたんじゃないか。そうに違いない。よかった、座敷わらし的なのがイタズラで入れたんじゃなくて。自分だ。自分で冷蔵庫に仕舞ってるっぽいぞ。

素敵な朝ご飯 

 でね。

 ようやく今朝ですよ。戻ってきたよ。回想シーンから戻ってきたよ。

 とりあえず、今オクラのやつを食わないとまた忘れるから。冷蔵庫から出して、テーブルに置きましてね。

 それで、昨日の買った残りの、白いご飯だけをパックに詰めて売ってる、あれがあるから。これでもう素敵な朝ご飯じゃないですか。

 ホントのことを言うと肉じゃがもあったんだけど、夜中に小腹がすいて食べちゃったから。急にビールも飲みたくなって、アテにしちゃったからさ。肉じゃがはないの。残念です。色んな意味で残念ですね。

 

 しかし、あれだよね。オクラのネバネバサラダとご飯ってのも、なんかちょっと、あれだよね。肉じゃがとかあれば最高じゃね? 完璧な朝ご飯じゃね?

 でもまさかあんな時間から肉じゃが食べちゃうとは思ってないから。自分でも思ってないからさ。分かってたら朝用の肉じゃがを別に買っておくもの。むしろ、急に夜中に食べたくなる用の肉じゃがってなんだよ。コントロールしなさいよ、色々と。

 

 白いご飯とネバネバサラダでも全然いいんだよ。でも微妙に本当は肉じゃががあったはず、っていうのが脳裏にあるからさ。なにかちょっと物足りないような気がしてきちゃうっていう。

 だからって他になんにもないし。

 いや、待てよ。

 確かレトルトのカレーがなかったっけ?

 あー、あったあった。これ確か、5月に東北旅行に行った時に買ってきたやつだ。しかも特に東北限定でもなんでもない、どこでも売ってるやつ。これを白いご飯にかければいいじゃん。朝カレーってやつじゃんね。

 なんかあれだな。去年買ったおコメとか5月に買って11月の末にようやく食うレトルトカレーとか。なんなの? 非常食なの?

超最新型カレーあたための儀

 しかもそのカレー。よく見ると、電子レンジであたためられるんだって。中身を耐熱容器とかそういうのに開けずに、売ってるパックのままあっためていいんだって。

 すごくない? 世の中こんなのもあるんだね。湯煎でもいいけど、今からお湯を大量に沸かすのも大変じゃん。ご飯はもうレンジであたため中だしさ。

 

 んで、レンジからご飯を出して、パッケージに書いてある通りにタイマーをセットしようとして、ふと気がついたんだけど。

 うちの電子レンジって、750Wなんです。一般的なやつって500Wくらいじゃない。なんだかしらないけど、うちのは基本は750Wなの。

 で、カレーのパッケージには500Wで1分半とかかいてあるわけ。750Wのことは書いてないの。

 これはもう慣れっこで、コンビニのお弁当とかも500Wとコンビニに置いてある1500Wの業務用レンジのあたため時間は書いてあるけど、750Wについては書いてないんだ。

 だから1500Wと500Wの中間が1000Wだから、時間も1500と500の中間よりやや長めとか適当に加減してやればだいたい大丈夫ってのには慣れてるのね。

 

 それがね。カレーのパッケージにはさ、700W以上は使用しないで下さいって書いてあるんだよ。

 え?

 いやでも、短めにタイマーで調整すればいけるんじゃないの?

 そう思うじゃん。でも、万が一、700W以上のレンジにかけるとパックが溶けるとかさ。ありそうじゃん。耐熱的にそこまでですよっていう。

 あとは、急に黒ずくめのスーツを着た屈強な男たちが家に入ってきて、700W以上のレンジを使った罪で連行されたりするかもしれないじゃん。もしくはスニーカーの紐がほどけやすくなったり。目の前で美味しいパンが売り切れたり。そういうのがあったら嫌じゃん。

 で、うちにあるレンジは基本750Wなんだけど、解凍モードみたいなのがあって、それは500Wらしいのね。

 じゃあこっちでやるかと。それでいいやと思ってあたためたんだけど。

おそるおそる朝カレー

 結構な音がするの。レンジの中から。

 破裂音みたいなのがスイッチを入れて数秒後から、パシューン! みたいな音がするんだよ。

 怖くね?

 レンジの中を覗いてみると、そのカレーの入ったパックがパンパンに膨らんでるわけ。バルーンアートだったら、ひねり次第破裂すんじゃねっていうくらいにパンパンなんだ。

 それでも数秒はそのまま見てたんだけど、またパシューン! ってなってるから。怖いから。

 レンジの中でカレーが破裂したのを想像してみてよ。怖いって。しばらく見なかったことにするって。絶対そうだって。あきらめて吉野家で朝定食うよ。食ってから考えるよ。今後の身の振り方だよ。

 それでさ、あたためはもうよしってなって。レンジを止めましてね。

 おそるおそるパックを触ってみると、まあまああったかいわけ。もう充分だよと。ご飯はあたためてレンジの横の台に置いてあるし、そこにかければ適温だろうと。

ごちそうさまでした

 んで、こっちは慣れてないからさ。

 多分、レンジでレトルトのパックをあたためていいパターンのカレーって初めて食べたと思うんだけど。あとで調べたらそういうの結構あるのね。あのパシューンも蒸気穴みたいなのがあって空気が抜ける音みたいで。

 パックにはここを持てば熱くない的なのまで書いてあって、なんかもう至れり尽くせりだなと思いながらパックを切って、スーパーで買ってきた白いご飯にかけたんだけど。

 

 こちとら、棚から茶碗出してきて、スーパーで売ってるままの、惣菜のパックに入ってるご飯を茶碗に移すなんてやりゃあしないわけ。売ってた容器のままあっためて、そこにカレーをかけるんだけど。

 その容器がカレーをかけるふうにできてないからさ。カレーライス前提じゃないから。またそのご飯の盛りがそこそこいいんだ。

 カレーを半分かけたあたりでもう限界なの。こぼれる限界なの。で、とりあえず左手にカレーの残りの入ったパックを持ったまま、右手にスプーン持ってカレーライスになったご飯をその場で食べて。

 食べて食べて、これならもう半分入れてもいいだろうってところで、残りのカレーを足してそのまま完食ですよ。キッチンで。立ったまま。

町中華で飲ろうぜ
案外美味かった


 またこのカレーがなかなか美味いんだよ。なんとかってテレビ番組が監修した、町の定食屋とかでメニューにありそうなカレーっていうことらしくて、確かにそういう感じのやつで。ルーの色味も茶色っていうよりは黄みがかってて辛すぎないのね。

 朝カレーを、キッチンで立ったままだけど食べ終わって。

 でもむしろ、朝カレーとかって駅とかバスターミナルの脇でやってる、立ち食いのちょっとしたところで食うようなイメージじゃない。立ち食いそば屋に、そばうどん以外にメニューとしてカレーがあるようなさ。

 だからキッチンでそのまま立って食べたって別に全然いいっていうか、むしろ旅先の朝ご飯っていう感じさえしてすごく満足だったんだけど。

 

 レトルトカレーにパックに入ったご飯に直でカレーかけちゃってるぶん、洗うものはスプーンだけだから、ちゃちゃっと洗って。で、モーニングコーヒーでもとテーブルに目を向けたらあったんだよね。

 オクラとなにかのネバネバサラダ。

 誰だ! っていう。お前誰だ!

 

 …食ったよ。カレーのあとに。もう朝ご飯終了って自分の中でなったあとに。オクラとなにかを食ったよ。

 

 そんなだよ。そんな朝だよ。

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