年末年始に旅に出るつもりはあったんです。
このブログにも書いたけど、去年の、2024年の暮れに伊勢崎かなんかに出かけて。
その旅だってあいも変わらず、アテも動機も目的もないわけ。何しに行ったか何をやったか、ほぼほぼ覚えてないっていう。
でも、雪国にいて、冬の間は太陽がほとんど出ないような街にいなきゃいけなくて、それじゃ気が滅入るだろうと雪のない街に行ったら結構よかったっていう、いいイメージが強く残ってて。
じゃあ今年もそうしようじゃないか、というのがそもそもの始まりなんです。
旅の前にやるべきこと
太平洋側だろうと。
行くんならそっちだなとは思ってましたけど、太平洋側っていったって広いじゃないですか。その気になればアメリカ西海岸だって太平洋側でしょう。イカダかなんかでがんばれば、海を渡ってなんとかなるでしょうよ。
…みんなよかったね、一応その漂流記的なことにはなってませんよ。ネタバレですよ。ブログの冒頭からネタバレです。今回はイカダで漂流はしてません。
で。
一応、正月休みってことで、土日休みに比べれば日程的な余裕はあるんだから、ちょっと遠いところへ行こうじゃないかと。
ただその、実際に休みが近づいてくると、仕事のからみも出てくるんです。
どうやら明けて2026年すぐに、万が一のことがあると出勤しなきゃならない。なんにもなきゃいいよ、なきゃいいけどあったら出なきゃならないということになりまして。
じゃあいっそ、大掃除みたいなことはその日にやればいいじゃないか。もしくは長期連休で1日くらいゆっくりするなら、その日ってことでいいだろう。
結局、旅に出るなら年末だってことになったんです。
これがまた、もうひとつ制約があって。
制約っていうか、そこまで重いことでもないんだけど、仕事納めの日にかるく忘年会をやろうという話が持ち上がりまして。
例えば、会社を挙げての忘年会とかは、特に流行り病があって以降は恒例行事とかそういう感じでもなくなちゃったんです。だからって積極的に復活させようとも思わないわけ。
他方、ごくごく身内でのやつ。
ふたりとか三人規模のやつはさ、特に誘ってもらったりしたら。
言うほど普段から仲良くってわけでもない、そこそこの付き合いがあるくらいの間柄でもさ、少人数でちょっとやりますかっていうその中にあたしを入れてくれたんなら、じゃあってなるじゃない。
よっぽどメンツがアレじゃなきゃ断る理由がないというか。強いて言えば旅に出たいからってのは、なんかちょっと言いづらいじゃん。
それも綿密に組まれた日程とかない旅なんだもん。いつ行ったっていいやつなんだもん。なんなら行かなくたっていいやつなんだもん。
で。
仕事納めの後にちょっと飲むとなると、業務終了即旅立ちってわけにはいかないと。ラメラメのスーツを脱ぎ捨ててシルクハットをちょいと掛けてね、くるんってなってるつけ髭も外して、ステッキも置いて。桜木町のチャップリンの名も捨ててですよ。仕事終わりでそのまま旅に出るわけにもいかないなってことになったんです。
なんの仕事してんだよ。
鍋の美味い店
待てよ。
前の日、旅に出る前の日に飲むのか。
それって朝、起きられるの?
だって、年末にしちゃあそこまで値も張らなくて、ちょうどいいホテルがあったからさ。
予約しちゃったぜ?
浜松で。
連泊で。
いやまぁその、チェックインの予定時間は夜遅くにしたけどさ。
移動だけで8時間くらいかかるよ?
いつもの旅の感じでいくとあれだよ、途中でいい形の石とか見っけちゃったら、小一時間は眺めてる可能性あるんだよ?
書体が素晴らしい場末のスナックの看板とか見っけたら、しばらくその前を動きませんよ?
いいの?
あとさ、ホテルの予約完了してからルート検索するのやめたら? どうやって行くんだろ、だって。予約する前に見とけよ。
だってさ、遠くない? 8時間は遠くない?
もっと近くにさ。古民家を改装どころか古々々民家くらいのままでがんばってる、刺身が自慢の民宿みてぇなところ、どっかにあんだろ。知らねぇけどさ、もうちょっと近くにあるでしょうよ。
なおかつ、前の日に飲むんでしょ?
しかもなんか、忘年会に誘ってくれた人から連絡が来てさ、真冬だしあったかいものがいいからって鍋の美味い店を予約したよー、っていうの。おでんもあるんだからー、っていうの。
しかもさ、多分なかなか空いてる店もなかったんだろうね、夜遅めのスタートだっていうの。
翌朝までに抜けるの? アルコール、分解できる?
そんな感じになっちゃって。
もちろんこっちは、次の日から旅に出ますとか言わないからさ。そういうのはいいじゃん。その宴の場には無関係なことじゃん。言うのはカッコ悪いじゃん。
それで、その鍋の美味い店が、駅前なんだって。
鍋なんかあれだろ、たいてい美味いじゃねぇか。闇鍋以外はさ、店で出してくるようなやつはどうやったって美味くなっちゃうんだから。鍋なんてそういうもんじゃん。
ホーローのデカい鍋に、なんかをどうにかしたやつと鍋の素をぶっこんでグラグラ煮とけばまあまあ美味いんだって、鍋ってのは。
その店が駅前にあるってことになると、駅まで行かなきゃいけないわけ。
これが東京とかさ、地方でも都市部に住んでるかたなら、電車とかバスで行きゃあいいじゃんとお思いでしょう。
こちとら最寄り駅まで車で30分とかいう立地にお住まいなんです。最寄り駅まで行くバスが1時間に1本もないんだから。
仮に駅までバスで行ったとしてですよ。夜遅めのスタートで鍋を食って。当然飲みますよ。ビールか日本酒か一斗缶に入った原液か知りませんけどアルコールを摂取せしめるわけです。
スタートダッシュを決めてビールをグイグイ、おでんも鍋もソフトドリンクくらいの勢いで食って宴が終わったとしても、その時間に帰りのバスなんかとっくにないの。行きだってギリギリなんだぞ。帰りなんかとっくにないよ。
それにさ、どうせ二次会もあるんでしょうよ。そろそろ取り壊したほうがいいんじゃねぇのっていうような、平成初期からずっとあるようなボロいビルに入ってる、スナックざざ美みてぇな名前の店で飲むんでしょ。
そんな時間にバスなんかないんだ。
そうなるとタクシーですよ。
車で30分かかるんだよ? 深夜料金のタクシーでいくらかかるんだって話で。
だったらいっそ、駅前のやっすいビジネスホテルに泊まればいいんじゃね? そうすれば飲んでそのまま寝ちゃえばいいし、料金的にもほぼ一緒かそんなもんで済むんじゃないか。
それに気がついたのが飲み会当日だったのね。仕事納めの真っ最中に思いついちゃって。
仕事納めっていったって七割は大掃除、あとの三割は年末のご挨拶と年始の準備くらいなんです。
それが、仕事納めの前日からまあまあの雪になってきてさ。
そうなってくると、仕事納めの日に朝早めに出社して除雪をしなきゃなんないわけ。雪の降り始めがもうちょっと遅かったらやらなくていいのに。
その日の夜、飲むんだよ?
美味い鍋食うんだよ?
何時から起きて除雪やら仕事やらをしてさ、夜も延々と、ざざ美でさ。しょうもないバカ話で盛り上がるんでしょうよ。チーママののり子も、早く仕舞えってのに、まだトナカイのかぶりものとかしててさ。終わったろ。昭和とクリスマスはとっくに終わってんの。誰だよのり子。どこだよ、ざざ美は。
雪が降ると
あたしの旅の話は、前段が長いっていうか、旅に出る前のいきさつから延々と書いちゃうんだけど。
このブログの他の旅話を読んでくださってる方ならもうお気づきでしょうし、これからあたしが何を言い出すかも薄々感づいてるとは思いますけど。
一応、断っておきますよ。念のため。
…もうちょっと書いていい?
見えた。まだブログにアップしてないけど見えたよ。みなさんが頭の上で、大きな丸を作ってくれてるのが見えた。ありがとう。あと急にご家族ご親戚のいる前で急にまるとかやっちゃいけないよ。
ついにと思われるから。
ついにきたかと思われちゃうから。
あとそれが見えたとしたら、書いてるあたしもついにだよ。ついにっていうかとっくにだけどな。
で。
年末は雪が降るって話をしたけど、浜松市まで行くとなったらどうやったって山を超えて峠を越えていくことになるんです。
さすがに下道はやだよ。基本、高速に乗らないことでおなじみのあたしでも、真冬に峠の下道はキツいって。
それが、結構大きなニュースになったけど、年末に高速道路でものすごい大事故が起きちゃって。出発の前々日だったと思うんだけど。
冬道ってマジで危険なんだって。慣れもあるけど、そもそも慣れてたって無理なくらい凍ったりするんだから。
それに加えて帰省とか旅行とかで、慣れない人もたくさん通る時期じゃないですか。そりゃあ大きな事故が起こったって不思議はないんです。
そこをこれから通ろうっていうさ。
その不安感ってやっぱりどこかにあるわけ。万全の準備をするよ、するけど体調をそこに合わせて100パー持っていけるわけじゃないじゃん。なんなら前の日は忘年会なんだしさ。
雪のピークが出発の前々日ってことで、その後は晴れる予報だから路面に雪はないんじゃないかと予想しつつも、昼間も平気で気温がマイナスになったりするような地域を通るんだから。
そういう意味でも出発できるかどうかが、前々日になってもあやしいままなの。
例の事故の影響で通行止めになってる高速道路は元々使わない予定だったけど、そこを迂回するのにあたしが行こうと思ってるルートに車が流れ込んでくるはずで、混雑することも考えられるんです。
だから無事に仕事を納めて、思いつきで取った駅前のホテルまで行って、そこに行くまでも体調が落ちたり色々あったんだけど、ともかく美味い鍋の前に着席して乾杯していても、心の何処かで旅の中止と続行とがせめぎ合ってるような、そんな感じだったんです。
旅の初日
ささやかな忘年会の翌朝。
意外とお酒が残ってないし、体調は悪くなくて。
起きた時に、ここどこ? ってなったけどね。てめぇでホテルに泊まっといてさ。
んで、一応そのまま旅に出ていいように荷物は車に積んでおいたので、そのまま給油くらいして出発したんです。
出発前にライブカメラで高速道路上に積雪がないことを確認してナビもセット。長野方面から山梨経由で静岡県を目指します。
雪はなんとか大丈夫で、運転も特に問題なく。途中でちょっと休憩したりしつつ順調に進んでいきまして。
その長い道中に芽生えてきた開放感がすごくて。
旅に出たことによる開放感っていうよりも、白とグレーの雪国の風景を抜けて、天気のいい長野方面に抜けたあとの青空を見た時のやつ。これがやっぱり相当大きくて。
もうね、安定感というか安心感がすごいの。太陽まぶしい陽はまた昇るっていう。
そして道中に現れる富士山ですよ。
| 行きは撮れなかったので、帰りのやつを |
高速道路だから基本、寄り道とか無理じゃん。真っ直ぐ走るしかないからさ。山とトンネルの他になんもないの。
「焦げてないパンあります」みてぇな捨て置けない看板もないんだよ。コックさんの帽子みたいにレジ袋を逆さにかぶって通り過ぎていく自転車に乗ったオッサンとかも現れないんだよ。
そんな単調な高速道路に突然富士山が、それもまあまあ近い感じで見えたらさ、やっぱおおっ! ってなるよね。
さらに、静岡まで行くと、もうやたら空が青くて。つい2時間前まで雪に埋もれてたあの場所と、同じ国とは思えないよね。年始までいたけど、静岡はずーっと晴れだったなぁ。
出発前に車で聴くためのプレイリストを新しく作っていて、それを流しながら長い長いドライブを続けて続けて。行きの道のりはよかったね。楽しかった。
で。
浜松市まで来ましてね。
通過はあるけど、こうやって何日か過ごすってのは初めてかな。
ホテルにチェックインしたのが夕方だったと思うんだけど、駐車場に車がそんなに停まってないなと思ったんです。
で、チェックインの説明をフロントで受けてる最中に「本日は満室でして」っていうのも聞き逃さなかったんです。
このホテルには大浴場があるんですよね。
大浴場っていっても、ビジネスホテルのそれですから。洗い場が多分、多くても10席あればいいほうでしょう。
浴槽だって大人が4人も入ればもう一杯くらい。
もしくは大人ひとりとインドゾウの子象ならなんとか一頭くらい、フラミンゴなら詰めれば15羽くらいはいけそうだけど長湯されると困るくらいだと思うんです。
おわかりですね? おわかりですよね?
つまりチャンス。いや大チャンスですよ。空いてる大浴場独り占めの大チャンスなんですよ。
あの駐車場の空いている感じから察するに、今なら大浴場が空いているはず。
そしてフロントの感じのいいお姉さんがボロっと言った、本日は満室というこのひと言から察するまでもなく、このあと加速度的に客が押し寄せてくることになる。
我ながら速かったよねー
エレベーターに乗って階を上がって、自分の部屋に入るなり荷物をぶん投げ、着替えとタオルを掴んでまたエレベーターに乗って大浴場まで行きました。
なんかね、今年は車中泊以外も多めで。
こんな大浴場付きのホテルにも何度か泊まったんですけど、なぜかそういう気にならなくて。ユニットバスのシャワーで済ませてばかりだったんです。
ようやくですよ。ようやく大浴場に辿り着きました。
ここまでのこの流れがあっての、ご入浴ですから。しかも天然温泉ってことで、加温はしてて循環ではあるものの加水はしてない模様。充分ですよ。今のあたしには充分すぎます。
先客は、ふたりいたんですけどね。
多分というか、間違いなく親子。父ちゃんと高校生くらいの息子で。
間違いなくってのは、顔が似てるとかそういうんじゃなくて。
今度母さんも連れてこような、から始まる、まあまあハードな話を、退学とか彼女の親が広域指定とかのまあまあハードなワードを多分に含んだお話を、あたしが同じ浴槽にいるってのに全然やめる気配のない父ちゃんをガン無視してさっさと息子が上がっていったせいで、親子とわかりまして。
それ以外のこともけっこうわかりまして。
大浴場に妙な空気が漂ったまま、あたしと父ちゃんとが黙ってお湯につかるっていう。
なんなの? ドラマなの? 撮影なの? あたしの口座にエキストラのギャラはいつ振り込まれるの?
ノーリサーチ・ノーライフ
えーと。
温泉からあがりましてね。あがりますよ、そりゃあ。長湯してられっかっての。
その日は特になんにも決めてなくて。
あてがわれた部屋のベッドの上にダイブして、スマホで今いる街のことを色々検索してみるってのが、いつものパターンなんです。広域指定のお名前の方は検索してません。むしろ早めに忘れようと思ってます。
あのね、あたしが遠路はるばる泊まったホテルでたまたま同じ時間に浴場にいる客っていう、確率でいえばうっすいうっすいやつですよ。
なんなの。なんでいるの。
むしろ、なんでそんな場面にあたしはいなきゃならないの。親子旅でその手の話を持ち出したらもう終わりでしょうよ。息子がオヤジを残してその夜の新幹線で帰ってもおかしくないだろうよ。
てゆーか、みなさんもそうなんですよね。知らない街の初めて来たホテルなり日帰り温泉なりに入ると、みなさんも当然こういう目に合ってますよね。親子いますよね。あたしだけじゃないですよね。
で。
あたしの場合は基本、なーんにも調べてこないからね。有名な御当地モノとかは知ってるのもあるけど、だからってどこで買えるとか見れるとかは、一切調べたりしないんです。
事前に確認してってなると、ツアーと変わんないじゃないですか。
ツアーだって、ガイドさんが初めて聞くようなことをしゃべってくれるから成り立つ部分もあるけどさ、調べ切って行くってことになると、ネットに載ってたやつじゃんっていう以上の発見? 刺激? 感動? しらんけどそういう心の動きがなくなっちゃうと思うのね。
それってもう、あたしが行かなくてよくね? っていうか。
だから今回も現地に着いて、へぇーそんなのあるんだ、ここから近いじゃん、そうなんだへぇー、みたいなのをスマホ片手に色々やってたんですけど。
あたしゃね、旅先で触れ合いみたいなのをそんなに求めてないんです。そういうのは別にいいかなって。
ただ、たまにそういうなにか、例えば飯食いに行ったらそこの店員さんが、何かの拍子に話したりするみたいな。
さっきの親子じゃないけど、話してるのが勝手に聞こえてきて、それを頼りに行ってみるとか。
その土地に住んでる人と話すなんて機会がもしもあったとして、実は旅してましてってのは話のネタとしては広げやすいじゃないですか。
そんなので教えてもらったことって、今の時代はネットで色々わかっちゃうけど、そうじゃない気配のする情報っていうか。
他人様が自分の体験とか聞いた話の中から選んで教えてくれること。いまや口コミとかSNSでそれっぽいのはいくらでも手に入るけど、目の前で直接会話したっていうのが加わるとやっぱ違うよなって。
ネットの検索とか、もしくはAIが語る回答のようななにかとも違ってて。
背景ができちゃう感じ。その人の声とかトーンとか空気感とか、ともすれば歩んできた道とかが、御当地のなにかの情報に付け足される感じっていうか。
例えばネットで
「大盛り無料で家族連れも安心して行けるような雰囲気の美味しいカレー屋さん」
って書いてあるのと、同じ内容なんだけど、
「この前ウチの奥さんと子供を連れて行ったんだけど、店もそこそこ広いし、カツカレー食ったけど美味かったっすよ」
なんて言われたらさ。この文章に言葉のトーンとかその人の表情とか空気感とかは載せられないけど、そこはなんとか伝わってほしいんだけど、やっぱ違うよねって思うんです。
そういうのもあって、夕ご飯の前に思い立って予約をして、ホテルを後にしたんです。
年の瀬に思いついて
その、今回の旅にはひとつ大きな問題があって。
年末じゃん。
店が閉まる可能性があるの。
29日とかは多分大丈夫だと思うよ。30日もやってるでしょ。
31日は? 危なくね? あたしがお店のオーナーだったら休みますよ。そりゃ売上もほしいけど、やっても時短営業でしょ。
元旦はダメだよ。もうね、時代が違うんだって。正月元旦初売りとかさ、いいよもう。休もうよって思っちゃうもん。
そりゃあありがたいよ。年末年始でも深夜でも早朝でもやってるコンビニとか、アテも計画も何ひとつない旅をしてる、あたしみたいなもんからするとさ、マジでありがたいよ。
病院だってそうじゃん。救急外来とかさ。インフラ関係だってそうだよね。他にもたくさんあるじゃん。
あのさ、この元旦に24時間営業してる有名なラーメン屋に9時過ぎくらいから行列ができてたのを見たんだけど、なにあれ?
営業する方は、そういう方針なんだからそうすりゃいいけど、待ってる連中はなんなの? サクラなの?
だって、24時間年中無休でやってるんだぜ? 正月に、元旦に行く意味ある?
食い初め的なことなら0時に行かなきゃダメでしょうよ。元旦から、しかも朝から並んでまで食うもんじゃないよ。しかも行列ってことはさ、そんなセンスの奴らが結構な数いるってことでしょ。
確かに営業してる店自体が少ないから、選択肢は限られるよ。でも元旦に並ばなくてよくない?
そりゃそのお店の勝ちですよ。並ぶくらい客が来て美味いラーメン食って帰ってんでしょ。お客さんも勝ちですよ。
あたしなんか、年末の街をどこに行こうかわかりもせずにさまよってんですから。24時間開いてる店に行けばいいに決まってますよね。ええええ。
…あれ。なんの話してたっけ。
そうだ、思い出した。年末だから店がやってない可能性が日を追うごとに高くなる、って話をしたかったんだよ。どうでもいい話を何行もするんじゃないの。
でさ、床屋に行こうということになって。
…なんでとかは知らないよ。その日のあたしに聞いてくれよ。どうせ気が向いたからとかその程度の浅い答えしか返ってこないよ。
連絡したら空いてるっていうんだから。行くよ。なんでとかはいいんだよ。
あたしもさ、何度も書くけど求めてないの。触れ合いとかは求めてないの。でも、地元の人の話って貴重なものだからさ。
仲間だぜウェーイみたいなのはマジで無理だけど、さっきちょっと書いたようなガイドさんの話を聞くくらいの温度感というか。そういう感じならありがたいじゃないですか。
だから、あたしの髪を切ってくれる人がどういう感じかしらないけど、もしも話好きな気配でさ。会話が盛り上がりそうなら、実は旅してましてっていう話を振ってみようということになり。
浜松に来て早々に床屋に向かうっていう、謎の。奇行だよね。控えめに言って奇行だよ。
縁あるひと
またさ、その床屋で担当してくれた人と、なんかしらないけど音楽の話で盛り上がって。
盛り上がってっていうかそう思ってるのはあたしだけで、向こうはサービストークというかテクニックだったのかもしれないけど。
共通で好きなアーティストとかはなかったんだけど、お互いにこういうライブに行ってとかこんな動画を見てとか、まーそんなことを延々としゃべってて。
それで、その流れでめずらしくホントのことを言って。旅してますと。なんなら、つい一時間前に到着したばかりでございますと。
あたしの変なクセというか、悪いところがあって。一見さんでもう来ないよなって店とかタクシーに乗ったりとかで、かなりの確率でテキトーなことを言うの。
例えば初めて来た旅先でさ、いや20年ぶりに来たけど色々かわっちゃったねぇ、みたいな。昔住んでました感出してみたり。出す必要がないやつですよ。
話を合わせてくるタイプの人だと、そうだねぇあそこのビルも建て替えてなくなっちゃうしとか言ってくるから。
こっちもさ、ええそうなの? 子供の頃よく前を通ったよ、確か近くにパン屋かなんかがあって、とか。
ウソなんだよ。なんなら小一時間前にチェックインした知らねぇ街なんだから。ちょっと離れた焼き鳥屋まで行きたいだけなんだもん。
なんかね、世間話の中でも一切中身のないやつにしたい時があるっていうか。向こうもご商売で、間が持たねぇからふんわりしたトークをするんだろうけど、こっちはもっとふんわりしてやろうみたいな。化かし合いだよね。面白がって。
でもその時は、担当してくれたかたが営業上のトークというかそういう感じで話していないなっていう直感があって。普通に、いや旅してましてねー、なんつって。
ついてはこの辺で美味しいお店とかないすかねー、みたいな感じで聞いてみたら、いくつか教えてもらえて。
ここまで書いてきておわかりかもしれませんけど、こんなこと滅多にないの。基本、人に近寄らねぇんだから。あたしなんざ、路傍のカラスと同じ扱いで結構ですっていうさ。
でも、こういうのが、縁なんだと思う。
ここまで書いて気になるのはさ、読んで下さってるあなたは、もしかしたらちょっと思ってるんじゃないかなって。
このブログ、どこまでが本当なの、って。
そりゃそうだよね。スナックざざ美とか、ないからね。なんかトナカイのかぶりものかぶってウォッカを一気してたような気がしたけど、ないから。大浴場にインドゾウが入ってる絵とか浮かんだかもしれないけど、ウソだから。
そりゃ、どこまでホントって思われてもしょうがないよね。こっちにも心当たりがあるっていうか。
でも、ブログに書いてることは、かなり実体験ですよ。フェイクは混ざってます。妄言も混ざってますけど、あたしが13代目ポポンガ国王ってことも隠してますけど、けっこう実際にあったことを書いちゃってますね。
夜を歩いて
ポポンガ国王の話は広げる? 王国の主産業が黄色い歯ブラシ製造とか書けますよ。広げなくていいの? 旅の話するの、そうなの?
…じゃあしますけど。
なんで渋々なんだよ。お前がしたくてしてる話だろうがよ。ポポンガ国王の話もしたくてしてるんだよ。読む人のことを考えたらしなくていいってこともわかってんだよ。
で。
年内の営業を早めに終わりにしちゃうお店もあるんじゃないかという懸念があって、明日明後日あたりで行きたいところがあったらじゃんじゃん行こうということになり。
聞いたところによると、30日くらいまではどこもまだ通常営業してるみたいで。
じゃあ、気になった場所をピックアップしておいて、明日からウロウロしてみようかなとなりまして。
床屋さんから出ましてね。
夜も遅くなったし、教えてもらったお店はさすがにやってないだろうと思って、歩いてホテルまで帰って。
30分くらい。
いやいや、30分くらいは歩けますよ。全然ですよ。出発前にいたような大雪とかとは無縁の街っぽいしさ。
ただ寒かったよね。雪とか無縁だと思ってるからTシャツにサンダルだしさ。髪も切ったし。
さっきの床屋の店員さんに、こっちはあったかいですかとかあたしの格好を見ながら言われたけど、そんなわけないよね。気温4度とかだもんね。寒いから。どうやったって寒いから。
で、ホテルから床屋さんまで歩いていった道中にラーメン屋もあったしファミレスもあったし、ちょっと道を逸れるけどスーパーもあったのを確認してますから。
帰りはどこかで夕ご飯を済ませればいいやと思ってたんですけど。
閉まってるよねー
空いてないよねー
年末だからっていうより、普通に夜も遅い時間だもんね。
てゆーか、寒いんだって。歩いてるからまだマジだけど、気温は低いんだって。
結局、ホテルの近くに深夜までやってる飯屋があって、そこでってことにしたんだけど。
そこのお店も、メシは美味いと思うよ。美味いっていうか普通くらいだけど、店内にいる客層っていうか居心地はあまりよくなくて。
たまたまなんだろうけどさ。その前の、床屋の人とまさかのバッチリ感がよかったせいもあるんだろうけど、ちょっとテンションが下がってきてて。寒いし。
うん。
そのまま、お酒を飲む気分にもならず。
ちょろっとだけ頼んだものを食べて。
うん。コンビニでビール買って。寒いし。あったかいお部屋で飲もうかな、なんつって。テンションはほら、その、うん。寒いしね。うん。
…普通さ、ブログで旅の話をする時って、だいたい楽しい思い出を書くもんじゃないの?
なんなの? なんでちょっとしょんぼりして一日目を終わろうとしてんの? ビールにコンビニのポテサラでシメようとしてんの?
そんなだよ。そんな旅の一日目だよ。先が思いやられるよ。