街の規模にもよりますが繁華街やオフィス街に接続してて賑わいがあるところと、郊外に人を持っていかれて随分寂しくなったところと、そういうイメージがありそうな気がします。
新潟県は新発田市の駅前を散策してきました。そこでちょっと面白いなと思う光景を見かけたので、そんなお話を。
仕事で新潟県内にお邪魔しています。働いてばかりもつまらないものですから、温泉なんかに行ってみたりしてね。何度かこのブログにも書いております。
新発田温泉 あやめの湯
再訪 新潟県新発田市のあやめの湯で足湯を堪能してきました
目の前の大きな通り沿いを歩いていますと、飲み屋さんもあれば理容店もあれば、スーパーや洋品店おもちゃ屋さんなどなどがアーケードの下に軒を連ねているんです。
お邪魔したのが日曜日の午前中だったと記憶していますから、確かにシャッターが降りたままになっている店も見かけましたが、それでも営業中の店舗のほうが多かったんじゃないでしょうか。
人通りもありましたし、案外活気があるんじゃないかなと、ちょっと嬉しくなったものです。
私はといえば相変わらずのノーリサーチで、思いつくままやってきたものですから、店構えから判断して美味しそうな食事処があれば突撃してみようか、それとも何か街歩きしながらつまめるような軽食でも売っていれば話のタネに買ってみようかと、そんな心構えで歩いていました。
のんびりと歩いていましたら、ちょっと面白そうな看板を見つけましてね。
無料休憩所。これでしょう。こんな素敵な日本語はありますか? 世知辛いこの世の中で、無料で休んでいきなさいという話があるんですよ。
ガラス戸から覗いてみると、幸い先客はいないようですし、そのままガラガラと戸を開けて入ってみることにします。
ああ、なんでしょう。多分元々は全然違うお店とか事務所だったのかもしれません。それが空いてしまったので、有効活用するということなんでしょうかね。
室内は暖房が効いていて、また寒さの残る季節ですからそれだけでも、ようこそ感をヒシヒシと感じました。こっちはアテもなく興味本位でうろついているわけですから、ちょっと立ち寄れる場所があるというのは知らない街を歩いていて嬉しくなるものです。
中を別角度からもう一枚。
ちょっといかつい感じのある木製の長椅子を並べてあって、その上に和風な敷物があって、ちょっといい感じじゃないですか。
その上に置いてあるのは紛れもなくポットですし、かたわらに用意してあるのは湯飲み茶碗ですよね。
・・・無料?
誰もいませんし、ご自由にどうぞ的な空気感もあります。それほど疲れちゃいませんけども、休憩所に来て休憩しないわけにはいかないでしょう。
長椅子に腰を下ろして、ポットのロックを解除。湯呑みを用意して左手に持ち、電話式では味わえないちょっと懐かしいポット上部の「丸」を右手でゆっくりと押してみます。
注がれました。左手の湯呑みに香ばしいいい匂いのお茶が注がれました。
しかも番茶! 番茶ですよ。最近は日本茶というとペットボトルものはほとんと緑茶系、あっても麦茶か烏龍茶ですが、こういうポットを押して出てくるのはやっぱり番茶でしょう。
一気に我が家感の増した無料休憩所で、あっという間にくつろぎ始める自分もどうかと思いますが、先に書いてしまいますと、私がいる間は誰も訪れることはありませんでね。ずいぶんとリラックスできました。
そろそろ新発田市の、たまり駅のページを貼っておきましょう。
中央町たまり駅 | 新発田市ホームページ
http://www.city.shibata.niigata.jp/view.rbz?cd=14683
公営の休憩所が三ヶ所あるようですね。他の休憩所は行っていませんが、物販なんかをやっているところもある模様。個人的には無人最高と思っていますが、暖房もつけているしお茶もあるとなれば経費もかかってくるでしょうしね。
空いたままになっている所を無料開放するというのは、意外とできない試みなんじゃないかなと思います。メンテナンスや防犯など、素人考えでもどうしたらいいんだろうとと思うこともあります。利用者だっていい人ばかりじゃありませんしね。
こういうアイデアを評価することもまた然りで、実行して効果について判断が下せるのは時間が必要なはずですから、そういう意味でも面白い取り組みだと思っています。
壁には新発田市関連のイベントやらのポスターが貼ってあったり、やっぱり事務所的なところだったのかなと思わせる給湯室があったり(設備的には使えるようですが開放はしていませんでした)、トイレ完備だったり、しげしげと眺めておりました。
街歩きって、地方では意外としにくいものです。車社会になりがちですから、駐車場の問題がついて回るんですね。
郊外のお店は駐車場は広くても歩いていてふらつくには物足りない気がします。なぜなら、郊外の店舗って商店機能しかないからです。
商店街や繁華街は住居機能もある、要するにそこに住んている人がいるので、店舗だけの機能しかない、つまりお客様に見せる前提の街並みよりも、ずっと生活感がある。それが街歩きの面白さにつながっていくんじゃないかと。
人が居る時間が圧倒的に長い商店街は、その流れが垣間見える瞬間がたくさんありますから歩いていても飽きがきません。
小一時間はいたんじゃないでしょうか。番茶もおかわりしちゃいましたし、身体も暖まってきました。休憩所は家でも宿でもありませんから、そろそろお暇する頃合いでしょう。
その後はチラホラと買い食いしつつ、午後の早い時間には帰途についたと記憶しています。